昨日の田中将大の「右ひじ靭帯の部分断裂」というニュースは、日本の野球ファンに大きな衝撃を与えた。残念という言葉では済まされないダメージだった。
ヤンキースのキャッシュマンGMは、
「この故障が新しいものであり、1月のフィジカル検査のときにはなかったものだ」
と言った。
これは、フロントが選手獲得に際して落ち度が無かったことを強調したのであって、NPBでの田中の投球数、登板数が過度ではなかったことを証明しているわけではない。

多くの日本人は、田中の故障と、前年のシーズン終盤、ポストシーズンでの登板過多を無関係とは思わないだろう。

昨年と今年の戦績。DRは登板間隔(日)

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田中は昨年、中6日で120球を投げた。しかし終盤、ポストシーズンには球数が急増。救援登板もあって田中の負担は相当大きくなった。NPBでも異例の球数を集中的に投げたのだ。

そして今年、田中は中4日で105球を投げたのである。
田中は7月8日に18試合目のマウンドに上がったが、昨年の18試合目は8月2日のことだった。

昨年の酷使に加えて、今年のハードスケジュール。
さらに言えば、速球にもはるかにパワフルに対応する打者を打ち取るために、田中は肘への負担が大きいと言われるスプリッターを多投した。
昨年は18%程度だったスプリッターの比率は、今季は23%にまで上がっている。

他の投手はスプリッターの比率が10%を超えるのは稀だ。田中はもともと肘の負担が大きい球を「マネーピッチ」にしていたのだ。

昨年と今年の月間での投球数NP

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前年の大きな負担を考えれば、今年無理が利かないことは予想されたことだ。そうした声は多くの人から上がっていた。
ヤンキースもそのことは重々承知していたはずだ。
それだけに1月のフィジカルチェックも厳密に行われたことだろう。

しかしヤンキースは「常勝」を義務づけられたチームである。先発の柱とされたCCサバシアや若手のピネダ、ノヴァらが次々と離脱する中で、当初は登板間隔も配慮されていたものが、次第に過酷なローテーションになっていった。

田中はMLBの調整方法などを十分学ぶ暇もなく、自ら適応する投球スタイルを確立する時間もなく、過酷なペナントレースの矢面に立たされ、壊れていったのだろう。

そういう意味では、今回の故障の原因は日米双方にあると言えよう。

その背景には、「投球数」をめぐる日米の考え方の差が横たわっているように思う。田中はその亀裂にはまったと言っても良いように思う。

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