9月に入って西岡は5試合しか出場していない。8月に痛めた腰、わき腹がまだ万全ではないからだ。チームは、トレバー・プルーフを遊撃手に起用している。しかし、元気だったとしても西岡はレギュラーの地位を維持できたかどうかわからない。その成績は、大きく期待を裏切っているからだ。






西岡は2010年、千葉ロッテでフル出場し206安打を放ち、打率.346、しかも出塁率.418を記録した。キャリアハイであり、パリーグでトップの成績だった。この成績を引っ提げて、MLBでも好記録をあげてくれるに違いない、そんな期待を抱いたものだ。

しかしながら、西岡がこんな凄い成績をあげたのは、2010年1年だけだ。それ以前の年も、まずまずの成績をあげてはいたが、トップクラスとはとてもいえない。
2010年の千葉ロッテは、井口資仁や新加入の荻野貴、金泰均らの打棒が好調だった。西岡はやや出遅れていたが、夏が近づくとともに打撃好調となり、最後はタイトルまで獲得した。周囲の盛り上がりに触発されて打棒が爆発した感がある。しかし、それまでの持ち数字を考えると、これは“フロック”ではなかったかと思えるのだ。

統一球の導入、審判団の再編という大きな変化の中、千葉ロッテの主力選手は軒並み成績を下落させている。



今年、西岡がNPBに残留していれば、彼も大きく数字を落としていたに違いない。そしてその数字を基準としていれば、MLBでの期待感も大きく変わったはずだ。

私はシーズン前に西岡剛の成績を打率.322、33盗塁と予測したが、大きく外れてしまった。怪我などの影響はあったにしても、今から思えば能天気だったと言わざるを得ない(期待感を込めて景気の良い数字をあげたくなるのは人情だが)。
西岡の成績を見るときに必要だったのは、昨年1年の数字ではなく、キャリアでの数字だったのだ。さらには、2010年がフロックだったとすれば、その数字を差し引いたキャリアの数字も見てみるべきだった。これを144試合に換算してⒶⒷという形で出してみる。



決して悪い数字ではないが、イチローや松井秀喜がNPBで残した実績から比べると相当に見劣りする。

MLBでNPBと同じような成績をあげた選手はほとんどいない。イチローでさえも長打力を大きく減じている。過去にMLBに挑戦した選手のデータから見れば8掛けで換算すればよい。三振だけは2割増とする。



こうして出た数字と、今季の数字を162試合に換算した数字は、ほぼ一致する。このあたりが西岡の実力だったと言わざるを得ない。

以下、明日に続く。