インターリーグの導入によって、MLBはどのように変化したのか。
今、旅行中なので、インターリーグだけの観客動員を調べるすべがない。申し訳ないが、MLB、アナ両リーグの観客動員の推移を1990年から見て行く。
SはMLB選手会によるストライキ。グレー地はインターリーグ導入後。

Inter-1


93年、平均3万人を超えていた観客動員は95年には2.6万人に激減している。
当時のMLB経営者がこれを深刻に受け止めたのは想像に難くない。

97年のインターリーグ導入後、観客動員は曲折を経ながらも上昇してきた。
2007年をピークとして動員数は漸減しているが、これがインターリーグとどのように関連しているかは今のところわからない。

次に、インターリーグの勝敗を見て行こう。

Inter-2


意外なことだが、アメリカン・リーグが圧倒的に強い。詳細に見れば東地区のチームは圧勝している。これはおそらく、ヤンキース、レッドソックスなど金万球団がいることが原因だろう。

MLBでは永らく「人気のナリーグ」が定着している。観客動員ではアはナには勝てないが、インターリーグでは圧勝しているのだ。

ただMLBではリーグ間の対抗戦のようなものは設定していない。対戦チームや試合数が均等ではないからだろう。興行的な価値を優先して恣意的に試合が組まれているから、公平性を欠くのだ。
今、ワールドシリーズ第1戦の本拠地開催権は、オールスター戦の結果で決めているが、インターリーグの結果で決めることは現実的に無理だろう。

とはいえ、ALとNLの実力差は歴然としている。「シャレにならない」気もする。
MLBサイドがインターリーグの結果を喧伝しないのは、どちらかが一方的に弱いことが露呈するのは、ファン獲得にマイナスに働くという意識があるからではないか。

この点、セパの実力差が歴然としていることが露呈したNPBとは対照的なマネジメントだ。
良いことと断じるわけにはいかないが、「ビジネス」を優先した結果だろう。

2013年にヒューストン・アストロズがナリーグからアリーグに移籍した、この年からインターリーグは期間を限定することなく、シーズンを通じて行われるようになった。
またインターリーグの試合数も2試合増えて20試合となった。インターリーグの興行的価値をNPBは認めているのだろう。しかし、インターリーグは「リーグ対抗戦」ではないと言うスタンスも堅持している。
アナ両リーグは、今後、緩やかな形で融合していくのではないかと思われる。


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