交流戦はNPB全体として観客動員を押し上げる効果があった、
またこれまで考えられなかった対戦を数多く実現させた。コンテンツの充実と言う意味でも大いに意義があったのだ。しかし、NPBは交流戦を削減させることとした。なぜなのか。

※読者南さんよりご教示いただいた 当サイトの趣旨と通じる記事 ご一読を
ファンが願う交流戦は「24試合以上」アンケートから見える削減問題の是非

はしなくも当サイトの常連コメンターの方のコメントが、その答えとなっている。

公式には一言も言っていないが、交流戦はNPB全体の発展のためではなく「パリーグ救済」のためにセリーグがお情けをかけてやった施策なのだ。
公式にこれを認める人はいないだろうが、少なくともセリーグ側はそう思っているし、パリーグの一部の球団、経営者もこれを容認している。

kouryuu20140818-01


70年代の黒い霧事件を契機にパリーグは世間の信用を失い、多くの球団が身売りをし、存続の危機を迎えた。
西武ライオンズの登場と、バブル景気によって一旦は危機を脱したが、21世紀に入って景気低迷にともなって再び身売りを画策する経営者が出た。
パに限らないが、球団経営に意欲がない多くのNPB経営者は、ことあらば身売りをしたいと考えている。
2004年の球界再編は、いくつかの球団を合併させて、球団数を削減し、1リーグ制にしようと言うものだった。
当初はパリーグの経営者が主導し、セリーグはむしろ反対する経営者が多かったが、最終的にはナベツネ氏が旗振りとなってこれを実現させようとした。

しかしファンの存在を全く無視した暴挙が信任を得るはずもなく、計画はとん挫。
その代替策として、パリーグ救済のために交流戦が組まれることとなったのだ。
黒い霧事件のときには、セリーグはパリーグを救済しようとはしなかった。両リーグが競合、あるいは敵対関係にあったからだ。
今回、セがパに救いの手を差し伸べたのは、その後、経営者も変わり、多少歩み寄りがあったからだろう。2004年の「球界再編」が「セパの合作」だったことも大きい。

しかし、そこにはNPB全体の理念や、将来展望はなかった。また企画自体も「MLBがやっているから」という先例に準じたものだった。歴史的な大変革だと言う認識はなかった。しっかりした考えもなしに交流戦を導入したのだ。

このためにパリーグの観客動員が増え、セの弱小球団が割を食うとすぐに削減案が持ち上がったのだ。腰が据わっていなかったのだ。
2009年に36試合から24試合へと削減が行われたが、その直後からセリーグはさらなる削減を提案、いろいろな理由をつけてきたが、今回の「日程調整が難しい」という主張にパリーグ側が折れて、さらなる削減が決まった。
パリーグが譲歩したのは、交流戦導入後、観客動員が増え、相対的な地位が向上したからだろう。
有体に言えば今回は、セリーグの特定球団の「救済策」として削減案が通ったのだと思われる。




私は削減後の18試合と言う交流戦の数が少なすぎるとは思わない。MLBは昨年からインターリーグの試合数を増やしているが、それでも162試合中20試合、144試合中18試合はほぼ同率である。適正な試合数かも知れない。

この削減策が「適正値」を考えてのものならば、一つの見識として尊重すべきだ。しかし、単なる利権争いの帰着するところだとすれば、誠に情けない話だと思う。

kouryuu20140818-02


交流戦を削減することで、希少価値が高まって観客数が増えるという意見もあるようだ。
導入から10年もたっているのだ、人はもはや物珍しさで交流戦を見に来ているわけではない。それに仮に交流戦の1試合当たりの観客動員数が多少増えたところで、NPB全体の観客動員が増えなければ、事業としては成功とは言えない。
交流戦だけ希少価値が高まったって、何の意味もないのだ。馬鹿も休み休み言えと言いたい。

交流戦導入以来、観客動員数は増えている。それは交流戦の観客動員が、レギュラーシーズンの観客動員より多いからだ。
その交流戦を削減すれば、NPB全体の観客動員数は減少する。子どもでもわかる理屈である。

どうしても交流戦を削減したいのであれば、そうしないと、誰かさんがべそをかくのであれば、それに代わる企画を併行して打ちださなければ、パイは減ると言っているのだ。

kouryuu20140818-03


交流戦に関するファンの評価はさまざまだ。
私のようにいろいろな顔合わせを見ることができて楽しいと思う人もいれば、贔屓チームが勝てなくなって面白くないという人もいる。
「交流戦はもういい」とセリーグファンの多くが言うのは、勝てないからだ。
しかしながら勝者がいれば、敗者もいる。パリーグファンが快哉を叫んでいる。

NPBという全体をプロモートする機関は、すべてのお客の満足を考えることはできない。最大多数が喜ぶような施策を打ち出すことだ。
その指標はたった一つ、「観客動員の総数が増えるかどうか」「パイが増えるかどうか」である

NPBはあいかわらず、地主の寄合のように、古株、声の大きなもの、厚かましいものが大きな顔をしているようだ。
品性が良くないために本来は将来展望が開けそうな面白い企画が、くだらない水争い同然に堕するのは情けないことだ。

理念と展望なき組織に明日はない。


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