石黒様、半日に渡る懇切丁寧なご対応、ありがとうございます。

今年、私は例年になく高校野球のことを書いている。livedoorや週刊ポストにデータを提供したり寄稿したりしているし、当サイトでもたくさん記事を書いている。試合も結構見ている。
7月に奈良県大会の予選で、智弁に敗退した大和広陵ナインが、クールダウンのキャッチボールをしながら堪えきれなくなって泣き崩れたのを見て、私は涙が出そうになった。高校野球が持つドラマ性に心が揺さぶられた。

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しかし日ごろから高校野球に批判的な記事を書いている私には、この光景を素直に書くには抵抗感があった。葛藤があった。そして「ずいぶん窮屈なことになったなあ」とひそかに思った。
高校野球の体質、体制を批判すると自らが決めたスタンスに縛られて、野球を素直に見ることができなくなっていたのだ。

何度か述べている通り、私が高校野球についてネガティブなイメージを持つようになったのは、高校時代の個人的な体験がきっかけだ。
甲子園優勝経験もある母校野球部は、私が在学当時、野球さえしていれば、他は大目に見られる風潮があった(今の野球強豪校に比べればかわいいものかもしれないが)。
そんな中で、私が卒業した年に野球部は破廉恥な事件を起こして全国に知られるようになったのだ。「ウィークエンダ―」に大々的に取り上げられたことを今でもありありと思いだす。
野球部長は私に「あいつらがそんなことをしているのを知っていたら、教えてくれたらよかったのに」と言ったが「野球部員を甘やかしたのはあんたじゃないか」と思ったものだ。
母校は事件を機にOB会、父母会を解散。今は強豪校の面影は全くない。

私としては野球ブログを書くにあたって、できるだけ公正に見ようと思ってはいるが、根底に抜き難い「高校野球への不信感」があることは否めない。
しかしそれが「私怨」のようになって、記事に影を落としているとすれば、良くないことである。

率直に言って私の高校野球批判は、高校野球やアマチュア野球を愛好し、宝物のように思っている方の大事なものを毀損した。ことさらにきつい表現をすることで、立てずともよい波風を立てていた。

客観的に見れば、野球のブログを書いているにもかかわらず、私は野球をリスペクトしていなかったかもしれないと思う。

この点、深謝します。

ブログと言うメディアは、耳目を惹きつけるために、過激な言葉を使いがちだ。長くやる中でテクニックとしてエッジの立った言葉を使うようになっているが、言葉を注意深く選別すべきだと思う。そうしないと真意が伝わらないこともある。

しかしながら、今の高校野球に問題がないとは思わない。

多くの私立高校が100人以上の野球部員を抱え込んでいるという事実は少なくとも2つの点で問題だと思う。

1つは、レギュラーになれず、試合にも出ないまま3年間を過ごす生徒の問題。
コメンター各位が的確な分析をしているのでくだくだしく述べないが、補欠の生徒やその保護者が事態を前向きにとらえ、不満を持っていないからと言って、このやり方は正しい、といえるのだろうか。
学校は、そういう生徒たちの善意を前提に、ビジネスモデルを作っているのではないか、と思う。

もう1つは、このやり方が人材発掘、育成にとってベストなのかと言う問題。
多くの選手を抱え込み、これを早々に選別をするのは、チャンスロス生むのではないか。若者は突如才能を開花させるものだ。彼らに機会が与えられなかったら、花が咲くことは無い。あまりにも早すぎる選別は、あたら豊かな才能の芽を摘むことになりはしないかと思う。

そうした問題とは違う次元で石黒さんと私の最大の見解の相違は、
野球界は徐々に良い方向に向かっているのか、
大元の部分で改革する必要があるのか、
と言うことだと思う。

私は、高校野球と言うものが、あまりにも巨大なイベントになり、多くの学校や選手がこれを最終目標としているために、日本の野球界はいびつなものになっていると思う。
各学校、指導者が高校野球にピークを合わせてくるために、様々な無理が生じ、問題を引き起こしているように思う。

指導者や、学校自体も旧弊な体質から変わろうとしているのは事実だろうが、物事の本質は変わっていないのではないか。
少なくとも過剰な野球部員数や特待生の問題などは、高校野球界が本質的には変化していないことを意味しているように思う。

選手個々の長いスパンでの野球人生を考えれば、高校野球のピークはもう少しなだらかなものにすべきだと思う。

現場に密着して取材をすれば、そういう印象は払しょくされると言われかもしれないが、取材対象に近づけば近づくほど、全体が見えなくなることもあると思う。
ブロガーと言うスタンスは、ジャーナリストではなく、基本的にネット上でやり取りされる情報をベースとして発言することだと思っている。
もちろん、独断、偏見のそしりを受ける可能性はある。ご批判は甘受するが、この姿勢から発言する意味はあると思っている。

この部分、今後も議論していきたい。様々な観点で問題点を指摘したい。文章には重々気を配りながら。

読者各位、そして石黒様、今後ともよろしくお願いします。

私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください!




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