一番見ごたえがあったのは、第3試合、健大高崎対大阪桐蔭だった。
この試合を目当てに来た人が一番多かった。場内は満員になる。応援団の規模も大きいし、ブラスバンドの質も高い。

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試合前のノック。遠目でもはっきりと分かる大阪桐蔭、西谷監督がノックバットを振る。真四角の体から、緩急自在に打球が繰り出されていく。これも見ものだ。

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健大高崎は他のチームとは全く違う。塁に出れば必ず動く。走者は一球ごとにスタートを切る。
健大高崎が攻撃している間中、止まっている時間がない。常に情勢は変わっていく。
特に先頭の平山は油断も隙もない。立ち上がり、四球を足がかりに先制。

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大阪桐蔭の投手がサイドスローでフォームが大きい福嶋だっただけに、持ち味はさらに活きた。
このチームは「走るか、走らないか」ではなく「絶対に走る」。そうなると、逆にピッチドアウトもできなくなる。

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福嶋は牽制で一人を刺したが、中盤以降は牽制を一切しなくなった。走るなら走れと言う感じで、以後、投球内容が良くなった。

4回、健大高崎は1点を返したのち、一三塁から重盗で本塁を陥れたが、打者が守備妨害をしたと判定され、ここで流れが変わった。

打線の実力では圧倒的な差がある。
機動野球が通じなくなって、大阪桐蔭は、健大高崎の繰り出す投手を打ち込んで勝った。

目の離せない面白い試合だった。

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私は三塁側の内野席で見ていた。雨の予報が出ていたので、銀傘の下だ。

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ここからでもラガーさんの蛍光色の帽子は見える。本当にラガーさんの帽子は移動しなかった。食事はどうしているのだろう。

ちょっと驚いたが、朝8時からずっと見ている人も結構多い。
私の後ろの席の女性二人組は、犠牲フライで「やったー、アウトだー」と叫ぶくらいの野球の知識だったが、それでも3試合一生懸命に見ていた。
甲子園は野球通でない人も夢中にする、ということを実感した。

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第4試合 日本文理対聖光学院

さすがにこの試合になると観客は半分くらいになった。

日本文理、聖光学院、両チームともにサヨナラ勝ちで勝ち進んだ。好ゲームを期待したが、はっきり言って凡戦だった。

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日本文理の飯塚、聖光学院の船迫は、ともにそれほど良い出来とは思えなかった。走者をやたらと出した。

しかし両チームともにこれを進めることができない。

2-1になった3回以降7回まで、もたもたと攻めあぐねるシーンが続いた。時間もかかった。
7回に日本文理に追加点が入り、投手が交替、点が入ったが、あまり緊張感が無かった。

聖光学院の応援団はブラスバンドはなし。声だけだが、巨大な音を出している。

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しかしそんな中で、周囲を見渡すと、席で寝込んでいる人が結構いる。朝からの観戦で疲れたのか、昼のビールが利いたのか。

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試合終了は5時40分、9時間40分甲子園にいたことになる。割と短く感じたのは、プレーのテンポが速く試合時間が短かったからだろう。
それに甲子園のシートは、すわり心地が良い。ここらも老舗の持ち味だろう。

バスで宿舎に戻る日本文理の応援団を横目に見ながら帰途に就いた。

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高校野球についてさらに考えていきたいが、今日の体験も重要なファクトになると思った。

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