昨日、高野連は、全加盟校に7月に実施した、選手の健康管理に関するアンケートの結果を公表した。硬式は4030校のうち3951校が回答した。
アンケート結果

Tie-Break


ちゃんとしたアンケートではないことは一目でわかる。(1)で、健康管理の方法論を3つ選択肢で上げておきながら、(2)でそのうちのタイブレークについての設問をしている。

最初から「タイブレークありき」で意見を求めているのだ。
各校はタイブレークについての賛意を問われたと思ったことだろう。

タイブレークは「投手の酷使」を防ぐための方策ではない。試合時間が設定されず、延長戦の場合は決着がつくまで果てしなく続くという野球のスタイルが、非野球国で受け入れられなかったために国際大会で設けられた制度だ。
早く試合に決着をつけるための施策だ。

タイブレークは延長戦にならないと導入されない。今年の夏の甲子園では48試合が行われたが、延長戦は4試合に過ぎない。しかも最長でも12回で決着がついている。
タイブレークはおそらく12回以降に設定されるだろうから、たとえ今夏タイブレーク制が導入されていても、一度も適用されることは無かったはずだ。

高校野球の「投手の酷使」とは、制球力が未熟な投手が球数を嵩ませる問題、そして短い登板間隔で多くの球数を投げさせる問題なのだ。

タイブレークは例外的な施策であり、「投手の酷使」の抑止にはならない。

設問の①投手の投球制限を実施に賛同する学校が12%しかなかったことでもわかるように、今の高校野球の指導者は短期間に多くの球数を投げさせることが多い、高校野球の現状を抜本的に変える気はさらさらないように思われる。

タイブレークが例外的な施策であることは、各校の指導者もわかっていたはずだ。
「何かしないと世間の非難を受けかねない」
しかし
「現状は大きく変えたくない」
という意識からタイブレークを「免罪符」にしようとしたのではないか。

このアンケートでは、ボールが異なり、条件も大きく違うはずの軟式野球もいっしょくたにしている。小学生が作ったようなアンケートだ。

軟式の指導者が、投手の投球回数制限の賛同者が21.6%と多いのは、この間の軟式の5日間1000球登板の影響だろう。
軟式と硬式では体への負担がどう違うのか、科学的な検証を行っているのだろうか。

アンケートの結果に加えて、日本高野連は来月20日の技術・振興委員会で全国9地区の意見を聞き、選手の負担軽減策の原案を決定する。
タイブレークが導入される可能性は高いのではないか。

タイブレークの導入によって2006年夏の「マー君、ハンカチ王子」の熱戦や、今年の軟式野球の決勝のような試合は無くなるだろうが、「投手の酷使」は無くならないだろう。

「投球数の制限」「登板間隔の確保」なくして酷使は無くならない。
「投手の頭数がそろわない学校には不可能だ」と関係者は言うが、複数の学校でチームを編成させるなり、試合の間隔を開けるなり、その条件に合致するようルールを変更する方策はいくらでもあるはずだ。

「今の高校野球のスタイルありき」では、本質は何も変わらない。


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