優勝チームは翌年、あまりチームをいじらないものだ。テキサス・レンジャーズ=TEXも、新加入の選手は少ないが、かなり思い切った手を打っている。
一つは、昨シーズン前半、チームをけん引したウラディミール・ゲレーロを放出したこと。通算成績を見れば、3割100打点をクリアしており、文句の無いところだったが、7月、8月に成績が急落したことを問題視したのだろう。そして同じように好成績を上げながら、ボストン・レッドソックス=BOSをFAになったエイドリアン・ベルトレを獲得した。これがヒットだった。ベルトレは30本100打点、ボルチモア・オリオールズ=BALに移籍したゲレーロは13本63打点だった。

前年と今年の成績の対比。各STATSのアリーグ14球団での順位、各数値の昨対を入れた。

TEX-2011-Bat1

ゲレーロとベルトレの差、それは4歳の年齢と「守れる」ということ。ベルトレはリーグ屈指の三塁手だ。TEXのチームリーダーのマイケル・ヤングはプロスペクトのエルビス・アンドラスに遊撃の位置を譲って三塁に回っていたが、ベルトレが入ったことで、守るところが無くなった。「トレードに出してくれ」とヤングが抗議したのは記憶に新しいが、結局DHに収まって、本塁打こそ減ったものの、打率、打点ともに昨年を大きく上回った。「雨降って地固まる」というか、「終わりよければすべてよし」というか。

正捕手をめぐる問題も、うまくいった。少し前までTEXはティーガーデンを育てる気だったが、一向に打撃がよくならないので、昨年はベンジー・モリーナ、マット・トレーナーというベテランを使っていた。今年はLAAから打撃の良いマイク・ナポリを、SDから守備の良いトレアルバをとった。トレアルバは珍しく打撃好調で、初めて正捕手となった。マイク・ナポリは捕手と一塁を掛け持ちしながら、キャリア最高の30本塁打を打った。ナポリによって、打線の穴が埋まった感がある。規定打席以下だがOPSは1点を超えている。

3年前、シアトル・マリナーズ=SEAの外野手としてフランクリン・グティエレスとともに期待されながら、負傷で消えたエンディ・チャべスが外野の一角を占めた。5月に昇格すると、打撃好調でマーフィーらと併用されたのだ。

打つ手がすべてうまくいった結果、アリーグ屈指の打線ができたのだ。今季はキンズラーとアンドラスが2人で67盗塁したために、盗塁でもリーグ4位。

チームはLAAと首位争いをしていたが、日替わりで違う選手が活躍し、危なげなく優勝した。
そして終盤も好調を維持して、ワールドシリーズに進出。今のところ言うことなし。来期が怖い感じがするTEXだ。