ソフトバンクの秋山幸二監督が退任の意向との報。これで途中退任も含め、今季で5人の監督が交代することとなった。異例である。
平成に入ってのNPB12球団の監督とその成績 シーズン途中の交代など細かい部分は省略している。順位の太字はポストシーズン進出。赤字は日本一。星は現監督の退任が決まった球団。

MNG-NPB


藤田元司、村山実、関根潤三、古葉竹識、杉浦忠、近藤貞雄、有藤道世、元号が変わった頃には、昭和の匂いのする野球人たちの名前が。四半世紀というのは、世代の目盛を確実に進めるのだ。
藤田、村山、杉浦、近藤貞、土橋、大沢、三村とすでに物故している元監督もいる。

はっきり分かるのは、強いチームは長期政権が続き、弱いチームは猫の目のように指揮官が代わると言うことだ。
監督の在任期間の幅が縮まるとチームも弱くなると言える。

セリーグには「再任」されている監督が何人かいる。原辰徳、星野仙一、山本浩二の3人だ。彼らはチームのスター選手であり、現役時代からチームを率いることを期待されたエリートだ。伝統を継承する保守的な人事。チーム名、経営者が変わらないセリーグならではの監督と言えよう。古くは村山実、吉田義男などもそうだ。
これを①暖簾派とでもよぶことにする。

さらに複数の球団で采配を採る監督がいる。野村克也、森祇晶、上田利治、仰木彬、梨田昌孝などがそれだ。チームカラーではなく、実績で評価される監督だ。パリーグ出身者が多い。星野仙一は中日を退任後は、このグループに属することになった。
②実力派と呼ぶことにする。
殆どの場合、②の監督を招聘するのはチームを改革したいときだ。一定の期間が過ぎれば生え抜き監督などに交替させられる。

さて、小川、伊原両監督は成績不振による通常の辞任だが、「成績が良いのに自ら退任を申し出る」ケースが2件あった。昨年の西武、渡辺久信監督のケースも含め、これまであまり見られなかったことだ。

野村謙二郎、秋山幸二、渡辺久信の3人に共通するのは、①暖簾派の監督になる可能性のあるエリートだと言うことだ。
球団にしてみれば、そういう「有力候補」をリザーブできるのはメリットだ。

ここからは推測ではあるが、今回の退任は、いずれも本人からの申し出と言う形をとってはいるが、球団内部では「そろそろ」という雰囲気もあったのではないかと思われる。
成績ではなく「お客に飽きられた」という営業的な判断もあったのではないか。
秋山監督の場合、確かに2年連続でのシーズン終盤の失速も響いたとは思う。それも「イメージダウン」の要因だったろう。
付け加えるなら、クライマックスシリーズがはじまったことで、優勝の価値が目減りしたことも影響したかもしれない。

中畑清監督になって観客動員が急増したDeNAの例を見てもわかるように、NPBでは監督も「人気獲得」の重要な要素だ。楽天の後任監督が大久保博元に内定したのも同様の理由だろう。

MLBでは監督の寿命はNPBよりもかなり長い。ロサンゼルス・エンゼルスのマイク・ソーシア監督は15年目、ミネソタ・ツインズのガーデンハイア監督は13年務めて今オフに退団。ニューヨーク・ヤンキースのジョー・ジラルディ監督は2今オフ2017年まで契約延長。満了すれば10年になる。
元オリックス監督のテリー・コリンズはニューヨーク・メッツで3年間ポストシーズンに出場できなかったが1年契約延長。

ロサンゼルス・ドジャースのドン・マッティングリー監督のような例外はあるが、MLBの監督は、元スターではなく、たたき上げのプロの指導者が多い。
最初から「客寄せパンダ」の期待は一切ない。実力本位で査定される。また、即結果を求めると言うより、チームの育成方針に沿って選手を起用することを求められることも多い。だから長期政権になりやすい。

日米の違いはあるから、一概にどちらが良いとは言えないが、NPBの場合、監督をとっかえひっかえした挙句に適任者が見当たらない、ということになりかねない。

そろそろ現役の実績とは別に、プロの指導者を本格的に育成する時期が来ているのではないか。


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