巨人、投手陣の内容も吟味してみよう。
えんじ色は新加入。RSAAは平均的な投手(2.0前後)に比較しての貢献度。

CL-Pennant05


今年は杉内、菅野、内海の3先発が素晴らしい活躍をした。3人合わせて29勝20敗、昨年は37勝18敗だから勝敗をだけをみれば、大幅マイナスのように見えるが、内容的には格段の進歩だ。
リーグ平均失点率が2013年の4.08から2014年は4.31と大幅に増える中で、この3投手は数字を向上させた。打線が弱体で、援護点が無かったことで見栄えが良くないだけである。
それだけに菅野のリタイアは痛恨だ。

しかし新加入の大竹は、期待を裏切った。勝ち星こそ9勝を上げているが、ERAもFIPも大幅下落。

また澤村も前半戦投げることができなかった。昨年は5勝10敗だったが、RSAAで見る限りチーム一内容が良かっただけに残念だ。

そして今季は、昨年、先発投手よりもはるかに貢献度が高かった救援投手陣が総崩れになった。

「スコット鉄太朗」が軒並み数字を落としている。そしてそれに代わる選手は出てこなかった。
恐らく3投手の急落は「統一球の改変」と関係があるとは思うが、ここまでそろいもそろって調子を落とすことは珍しい。

昨年の巨人投手陣は、不甲斐ない先発陣を救援陣がサポートしたが、ことしは正反対だったのだ。

今年の結果を受けて、巨人内部やスポーツ紙などでは「短期決戦に弱い巨人、これをどげんかせんといかん」
と言う議論が巻き起こりそうだが、実態は全く異なる。
今年の優勝は「まぐれ」であり、ポストシーズンで見せた弱さこそが巨人の実態なのだ。

NPB、特にセリーグの各球団は、巨人、阪神を除いて「補強」はほとんどしない。リストラと補充を「補強」と言いくるめているだけだ。
だから、巨人編成の拙さも目立たなかったが、そろそろ限界が来ているように思う。

元凶は「FAによる補強」だ。金にあかせて他球団の主力クラスを取ってくるのは、金満球団の常とう手段だが、こればかりをやっていると、チーム自体は痩せてしまう。

まず、FA移籍してくる選手は「今がピーク」であって、ほどなく下り坂に差し掛かるのだ。村田修一しかり、大竹寛しかり。
しかし高額で抱えたからには使わないわけにはいかない。
結果として、冴えない選手がレギュラーに居座ることになる。最後は、昨年の小笠原道大、谷佳知のように高額の旧式ベンチウォーマーをいくつも設置することになる。

そしてそういう燃費の悪い選手を優先して使うために、生え抜きの優秀な選手が存分にパフォーマンスを発揮できない。
巨人でも良い選手はたくさん出てきているが、名前のある選手が常に優先される。たまに使われても、成績が落ちるとすぐにひっこめられる。
無理して取った「とっておきの新人」以外は、皆そういう境遇におかれる。
そうこうするうちに、年を食って新鮮さが無くなる。亀井善行などはその好例だろう。

FAで主力級を引き抜かれる球団は、大きな痛手であることは間違いないが、新旧交代が行われることで、新陳代謝が早まる。他球団はそのことを知っているのではないか。
日本ハム、ソフトバンク、広島、DeNAなど、巨人に大物を抜かれた球団には、若手の活きの良い選手が次々と出てきているのだ。
そういう球団は、抱えきれない高額年俸に苦しむよりも、人的補償などももらいつつ、若手に資金を振り向けるほうが賢明だ、と考えているに違いない。
今季の広島が大竹寛の穴を新人の大瀬良大地で補ったことなど、その好例だ。大竹寛の年俸は1億円の3年契約、大瀬良大地は1500万円である。

私はオフに必死で選手を漁る巨人は必ずしも悪いとは思わない。
「やっているふりをする」だけの他球団のフロントよりもはるかにましだとは思う。
しかし下り坂の有名選手のコレクションを増やすよりも、自軍の上り坂の選手を育てる方がはるかにコストパフォーマンスが良いことに、そろそろ気づくべきだと思う。

今オフでいえば、金子千尋あたりがまた欲しくなると思うが、それは良いとして、来季、多少成績が落ちても、若手に思い切った活躍の場を与えるべきだ。

例えばではあるが、捕手には小林誠司を固定する。外野には橋本到。一塁は大田泰示。先発に小山雄輝。多少数字にばらつきがあってもそれを押し通す。
阿部は一塁、捕手のフォロー、そして代打に回す。

来年は優勝できなくても構わない、そういう覚悟をして、思い切った補強をすべき時期だと思う。

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