最近あわただしくしているので(言い訳にならないが)、コメントへのリターンもやや荒れてしまった。大切なコメンター各位に対して、不躾な言葉を投げつけた段、お詫び申し上げる。
巨人に関して批判的なブログをデータ付で上げると、必ず個別の事実関係に対する反論をいただく。
「あの選手を引っ込めたのは、彼が故障したからだ」
「あの選手を獲得したのは、この選手が不振だったからだ」
「この選手は納得してこのポジションについている」
個別の事象に対する私の認識が間違っている。巨人の、原辰徳の采配は間違っていない。
と言う感じである、
で、事実関係が間違っているから、お前の話は信用できない、間違っていると。
そこから延々とコメントの応酬が続くのだ。

記憶しているだけでも3回はこういうやりとりがあった。

今回のコメンターの方ともそういう展開になりそうに思ったので「個別の事実関係ではなく、大きな話で」と言ったのだ。
その挙句に「お前の分析よりも、現場の指導者の話を信頼している」という話になったので、それまで、にしたわけだ。

辛抱強くない、と言われればそうだが、答えが見えているやり取りに何度も付き合うのは、正直、骨が折れる。
とはいえ、これからはもう少し誠実に対応させていただきます。

私はサラリーマンを結構長くやっていた。事業報告会みたいなやつにもよく出席した(大嫌いだったが)。
そういうときにボスが「ま、この事業は去年までのあの事業とその事業を足して2で割ったようなもんだな、結局、会社には貢献していない」
ということがある。
するとその担当者が血相を変えて
「いえ、何月はどこどこでこんなに売り上げを上げましたし、何月はこんなプレゼンをして仕事を取っています」
みたいな反論をする。
ボスは「個別のことはいいんだよ、全体として会社の成長戦略に乗っていないだろ」
的な切り捨て方をした。木を見て森を見ず、というべきか。
お叱りを受けるかもしれないが、反論のコメントをもらうといつもそのことを思い出した。

不思議なことにそういう反応をされるのは、巨人ファンだけだ。最近もヤクルトや広島のここ4年程を振り返ったが、批判的なことを書けば、他球団のファンは「そうなんだよなー」と反応する。
巨人ファンだけが“大本営発表”に反対する批評に対して、執拗に反論されるのだ。



私が雑誌にも「アンチ巨人」について書いているほど「巨人嫌い」を公言していることも大きいと思うが、記録について書くときは、好き嫌いの色は付けないようにしている。
そうでないと記事の信頼を失うからだ。

同時に一部の巨人ファンのメンタリティが、他球団のファンとはかなり違うことを実感する。

改めて申し上げるが、原監督が巨人の各選手を出したり引っ込めたりする采配は、その局面のシーンだけを見れば間違っていない。恐らくは正しい。
でなければ、3連覇などできるはずもない。
原辰徳は、優秀な監督なのは間違いない。作戦面も優れているが、それ以上にチームの統率力は抜群だ。
毎年のようにひと癖もふた癖もある大物がやってきて、チーム編成がガラッと変わる。それを統率してペナントを獲得しているのは原監督の手腕だ。
出来レースで長野久義と坂本勇人にタイトルを山分けさせたことを「美談」だと思っているなど、社会的常識を疑う部分はあるが、こと野球の指揮官としては当代一だと思う。



問題はそこではないのだ。巨人に「長期的なチーム育成プランがない」ことを指摘しているのだ。

どんな球団でも、毎年「優勝」を目指している。ファンのためにもそれは当たり前のことだ。
しかし指揮官やフロント、経営者は現状認識として「今は成長期か、収穫期か、踊り場か、世代交代期か」みたいなことは考えるはずだ。
いわゆる「ポートフォリオ戦略」が前提としてあるはずだ。

そうした時期の別に拠って、選手の起用や戦い方も違ってくるはずだ。

普通のチームは、人材も経営資源も限られている。だから積極的に攻めるときも、守りに入るときもある。
現状認識をもとに、最適の戦術、戦略を立てるのが、指揮官、経営者の役割だろう。

しかるに巨人にはそういう「時機」の認識が薄いように思う。いつでも優勝を目指してなりふり構わぬ補強を行う。そして指揮官は「その年のことだけ」を考えて戦う。
原辰徳と言う監督は、そういう体制にとって理想的な指揮官だと言える。

良くオフに野球ファンと話をしていると
「うちは来年はダメ、ベテランが落ち込んできたから。CSに出ることができたらいいほうだ」
とか
「今年は若手が伸びてきたから、やるはずだ。スタートダッシュかけるよ」
みたいな話を聞くが、気のせいかもしれないが、巨人ファンとはあまりそういう話をしたことがない。

今週、私は過去5年間のドラフトの成果をもとにドラフト会議の記事をベースボールチャンネルに書いた。

BBC

【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】ドラフト直前、選手を見抜く“眼”と育てる“腕”を持つ球団はどこか?

調べながら愕然としたのは、巨人のドラフトの寒さだ。

今日は、そのことをもっと具体的に紹介しようと思うが、その前に、巨人ファンの方々とのやり取りについて説明させていただいた。

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クラシックSTATS鑑賞もご覧ください。
1972年堀内恒夫、全登板成績

広尾晃、3冊目の本が出ました。