今年も日本人MLB選手の2014年を振り返る季節となった。例によってトップバッターはイチロー。しかしSTATSを見る前に、果たしてイチローはどんなオフを過ごしているのかに思いをいたしたい。
毎度ながらイチローのキャリアSTATS

Ichiro2014-01


右端のMはMVP、Bはベスト9、Rは新人王、Aはオールスター出場、Sはシルバースラッガー。
1994年から2010年まで、イチローのSTATSからこうした表彰が無くなることは無かった。
しかし2011年以降、華々しいアワードから無縁の選手となった。
彼の晩年は2011年に始まったと言って良い。

記録の面白さを我々に教えてくれた選手らしく、その晩年も端的な記録で語ることができる。
すなわち「イチローの晩年は、200本安打、3割が打てなくなった年から始まった」
そして以後のイチローの安打数は184、178、136、102と見事に下降線をたどっている、
長い飛行を終えつつあるジェット機が、軟着陸する場所をさがしているようだ。
この数字の流れで行くと、来季は100安打を割り込むことになる。

ヤンキース以外ならばイチローはまだレギュラーが務まるし、数字も上がる。3000本安打は達成できるというファンも多い、私もそう思いたいが、現実的に見て、イチローを正位置に固定するチームはないだろう。
またフル出場してイチローが今季の打率.284を上回る可能性も小さいだろう。

2年前まで、NPBの記録は「Minor League」のカテゴリーにAAAや独立リーグとともに置かれてあった。それが昨年からMajor League、Minor Leagueに並んでJapanese Leaguesが独立した。
これはMLBで活躍する日本人選手が多くなったからだろうが、とりわけイチローの数字の積み上げの偉大さに敬意を表したのだと思う。マイナーといっしょくたにはできない、とサイト側が認識を改めたのだろう。

今のイチローは、岐路に立っていると思われる。選択肢は3つ。

① デレク・ジーター、チッパー・ジョーンズ、トッド・ヘルトンのように成績がこれ以上下降しないうちに自ら引退を宣言する。

② ジェイソン・ジアンビ、ボビー・アブレイユ、松井秀喜のように、年俸が下がってもプレーを続行する。場合によってはマイナー契約、キャンプ招待選手も甘受する。

③ 日本球界に復帰する。

どの選択肢が得か、というより、どれが“イチローらしいか”で考えるべきだろう。

私は、イチローは単に高額年俸や名声を求めてアメリカに渡ったのではないと思う。
当時、MLBに挑戦した野手は皆無だったのだ。
彼は、自分の可能性が「もっと大きい」と信じて、未知の大地に足を踏み入れたのだ。
つまり、彼は「冒険」「挑戦」をするためにMLBに行ったのだ。
以後の選手がイチローの成功を見て、年俸、名声を得るために海を渡ったのとは本質的に異なっていると思う。

そこにはNPBや日本メディアに対するある種の幻滅や失望もあっただろう。日本の環境ではこれ以上可能性を追求することはできない。挑戦できない、その意識が、彼をアメリカに向かわせたのだろう。

彼にそれをさせたのは「俺はもっとできるはずだ」という高いプライド、矜持だったと思われる。

であれば、3つのうち、かれが選ぶであろう選択肢も見えてくる。

① は、野球での「挑戦」をあきらめ、次の世界へのトライアルを志すことを意味している。自らが「引退」という線引きをするということでプライドも傷つかない。

② は、衰えゆく自らの体力、野球能力に「挑戦」することであるかもしれない。極端に低い年俸や、ベンチウォーマーに甘んじることを彼のプライドが許すかどうかは微妙だが、オファーがあれば考えるのではないか。

③ は、レベルの低いステージで野球を続けることであり「挑戦」ではない。彼のプライドも満たされないだろう。現実的な選択に見えるが、そうではないように思う。

イチロー、代理人は②のオファーを待つだろう。その中で彼のプライドが許容できるものがあれば、彼はそれを受けるだろう。しかしそれがなければ躊躇なく①を選ぶのではないか。


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