今季のイチローは1本塁打。NPBでレギュラーになって以来21年で、最小だった。長打が出なくなった、これは大きなことである。
TBは塁打。TB/H塁打数を安打数で割ったもの。私は平均塁打と呼んでいる。
NPBも含めたイチローの平均塁打の推移。

マリナーズからヤンキースに移籍して、平均塁打はやや上昇。これは本塁打が出やすい球場が本拠になったからだろう。しかし、その数字も下落。
今年の平均塁打は1.196.新人の年も含めた23年のキャリアで最少となった。
本塁打が1本しかなかったことが大きい。二塁打数は2011年から減少傾向にあったが、それでも昨年は7本塁打。
昨年までのイチローは、投手にしてみれば、油断すれば一発を食らいかねない怖さがあった。
しかし今年は、甘いところに投げ込んでも一発を食らう可能性はほとんどない。投手にとって危険な打者ではなくなった。
内野安打が増加したわけではない。
MLBでの内野安打数=IFH、率=IFH%の推移。

内野安打の比率は変わらない。
つまり、若いころは二塁打になった当たりがシングルに、本塁打になった当たりがフェンスの前で取られることが多くなって、“小型化”が進んだのだ。
これがどれだけ深刻なことかは、以下のランキングでわかる。
MLB、アリーグで300打席以上立った選手のTB/H=平均塁打のランキング

アストロズのクリス・カーターがトップ。扇風機と称される粗い打者だが、長打力は抜群だ。
ランキングにはエンカ―ナシオン、トラウト、オルティーズと危険な打者が並んでいる。
イチローは131人中の最下位だ。最も長打が少ない打者。つまり、最も危険でない打者。
ワーストのランキングにはジーターの名前もある。
ほとんど長打がない打者が二人も打線に並んでいたのだから、今年のヤンキースがポストシーズンに出られなかったのは当然とも言えよう。
青木宣親の名前もある。ワースト10の他の選手のうち、外野手はイチロー、青木、ジョーンズの3人。
イチローの“再就職”が厳しいのではないか、と思う根拠の一つは、“小型化”である。危険でなくなったイチローを打線に組み入れたいと思う球団は出てくるだろうか。
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コメント
コメント一覧
ちなみにマリナーズ時代は初球からガンガン手を出していたイメージが強く、早打ち批判もあったような。結果が出ないとさらに周囲の目は厳しくなりますね。
マリナーズの時は確かに早打ち批判があり、実際に初球待ちの指示が出たこともありましたが、早打ちの方が打率が高かったので、結局好きなようにやらせるのがベストという判断になりましたね。
イチローは本塁打を狙う時とヒット狙いの時で打ち方が違いますが、今年は本塁打を狙うスイングをあまり見ませんでした。チャンスメーカーに徹していたように思います。
本塁打は狙えば今でも打てると思いますが、きっと打率が大きく下がるのではないかと思います。また、初球打ちを止められたのも本塁打が減少した一因かもしれません。初球本塁打がイチローは多かった気がしますし(特に1回初球本塁打が多かった気がします)。
開幕近くなって4番手の外野手が欲しいというチームが出てくれば契約できるでしょうか。その役どころなら年俸は相場で50~100万ドルくらいでしょうか。
(いや、使われなければワーストの評価すらされない訳ですが)
今回は、イチローの打撃で語られている長打力の弱さが、遂に「再就職」に響くまでになった話ですね。
今年のイチローは、本塁打は1本しかなかったのですが、後半長打について帳尻かましていたように見えました。
それでも、今回のデータはTB/Hでリーグ最低だったのですか。
これは、数年前から続く「得点圏打率の悪さ」と相俟って、イチローにとって致命的な欠点ですね。
長打力があれば、得点圏が悪くても一発が怖いから慎重になり、結果四球が増えるし、長打力が無くても得点圏が良ければ代打でも使える訳で、両方欠ける打者はどう使うんだって話です。
あと四球について、選ぶのはいいんですが、三振が非常に増えていて、BB/SOが0.31と、プロ入り以降最悪の数値です。
速球に付いていけなくなっているのか、若しくはもとから四球を得る選球眼に欠けていたのか。
(なお今年の三振数を2004年相当に置き換えると約129個相当。松井秀以上に三振した事になる。全打数中でも18.9%でこれもプロ入り以降最悪)
得点圏打率の酷さについて、付け加えて書くと今年は.210台(OPS.500台)もさる事ながら、他に重要な打席限定(High Lvrge)では.175しかないのですから、重度のセイバー依存の監督だったら代打を送られても文句は言えないレベルです。
このデータ、丹羽氏及びdamejima氏に突きつけたい位です。