イチローのMLBのキャリアを打順別に見てみよう。
年度別の先発打順の推移。

Ichiro-2014-07


イチローは出場試合の80.5%でトップバッターとして先発している。
2011年までに限ればその比率は98%にまで高まる。

シアトル・マリナーズ時代は、ほぼ1番。監督によってはイチローが長打を打つ能力もあると考えて3番に据えることもあったが、それは極めて例外的だった。

イチローの役どころを象徴的に表現すればこうなる。

審判の「プレーボール!」の声が終わらないうちに初球をたたいて一塁に進み、2球目で二塁へ、3球目で三塁へ。そして二番打者の凡打の間に本塁に帰ってくる。

単に出塁するだけでなく、迅速に塁を回って帰ってくる。単なる1点ではなく、相手の出鼻をくじくダメージを与える打者。流れを自軍に引き寄せる打者。
四球を選ばず早打ちだったのも、盗塁成功率が非常に高かったのも「数字」を超えた「一番打者のインパクト」を追求したからではないか。
やはりイチローは「一番打者」だったのだ。

2012年以降、イチローは下位を打つことが多くなった。それだけでなく打順を固定されないようになった。
下位打線と言っても役どころは様々だ。5番は塁に走者が残っていればクリンナップしなければならない。6番はそれに加えて起点になる必要がある。7,8番はつなぐ役割が重要視される。9番は1番に近い役割も求められる。

打順を固定されなかったことでイチローは自らの役どころを見失った可能性が高い。
キャリアでの打順別の打撃成績。途中出場の数字も含む。

Ichiro-2014-08


8番での成績が良いが、打数も少なく、偶然の要素が強い。※=1番以外の成績と1番の成績を比べれば一目瞭然。
やはり1番での成績がイチロー本来の成績だと言えよう。

言い方を変えればイチローは1番以外の役どころでのスタイルを確立しないままプレーをしてきたということが言えよう。
また毎日打順が変わり、スタメンさえ保障されていないような状況が、イチローのモチベーションやコンディション維持に影響を与えてもいよう。

きどくな球団があって、「来季の1番はイチローに固定する」と宣言すれば、イチローはかつての輝きを取り戻す可能性はある。
しかし、それは現実的ではない話だ。



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