中島裕之がNPBに戻るのか、MLBに再チャレンジするのか、まだわからないがNPBへの復帰も「いばらの道」ではある。
これまでNPBからMLBに挑戦したのちにNPBに復帰した野手は9人いる。
これらの選手の「使用前、使用中、使用後」の成績。

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9人の内で、復帰後、はっきりと成績が向上したと言えるのは、新庄剛志と井口資仁だけ。
他の7人は軒並み成績を下げている。

一番簡単な理由は「経年」ではある。
NPBで実績を上げ、働き盛りでMLBに移籍する。そしてピークの年限を過ごして帰ってくるのだから、帰国時点ですでに下り坂。成績が下落するのはやむを得ない。

しかしそれだけではない。NPBからMLBに移籍するときは、野球スタイルや文化のギャップに悩むが、復帰するときも再びギャップに悩む。
体で覚え込んだことをリセットするのは難しい。ましてや経年によって適応力は落ちている。

さらに言えばモチベーションの問題がある。
NPBとは段違いのステイタスの高さ、ボールパークの華やかさ、人々のリスペクト、さらにNPBにはいないレベルの高い選手たち。
これらを肌身で知った選手がNPBに帰ってしみじみ思うのは「都落ち」の寂しさだろう。
モチベーションは下がることと思われる。

新庄、井口はNPB時代はかなり荒っぽい選手だった。彼らはMLBのレベルの高い野球に接して何らかのものをつかんだのだろう。
NPB復帰後、この二人はMLBで学んだものをNPBで活かすことに積極的な意味を見出し、モチベーションを高めたのだろう。

痛ましいことに、中島はMLBの輝きを知らないまま、敗残者としてNPBに復帰することになる。ポジティブな意味で学んだものはあまりなかったかもしれない。

ただリベンジの気持ちは人一倍強いはずだ。

川﨑、田中も日本復帰がうわさされる。3人の今後を見ていきたい。


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