黒田博樹の身の処し方は全くの異例だ。こういうケースはかつてなかった。
主要な日本人MLB選手のMLB最終年と翌年

投手の中で、黒田はただ一人、最終年に規定投球回数に達して、二けた勝利を挙げている。年俸も最高額、そして年俸の下落幅は最大だ。
野手も含めて、最終年に辛うじてレギュラークラスだったのは、黒田以外には吉井理人、長谷川滋利、井口資仁、城島健司くらいだ。
日本人NPB選手のMLBからの身の引き方はこれまで
1)成績不振 → FA → NPB復帰
2)成績不振 → FA → 引退
3)成績不振 →契約破棄 → NPB復帰
の3つだったが、黒田によって
4)成績好調 → FA → NPB復帰
というこれまであり得なかったケースが生まれた。
4)がなぜあり得なかったかと言うと、
1)2)3)の選手は、成績不振によって、すでに年俸が下落しているか、次年度はたとえMLBにとどまったとしても年俸下落が避けられない=市場価が落ちている。だからNPB球団でもオファーができたからだ。
4)の選手は年俸が下落していないから、NPBでは手が出なかった。
しかし今回は、黒田が大幅減俸を呑んだために、全く異例の契約が成り立ったのだ。
3)のケースは佐々木、城島と西岡だが、ことに前年に3年契約を結んだばかりの城島が契約期間を2年残してNPBに復帰したのはMLB選手会には看過できないケースだった。
MLB選手会は経営者との長い戦いによって、FA権や高額の年俸などを勝ち取ってきた。年俸、待遇、FAなどは、選手の権利である。これを選手の側から一方的に放棄するのは、権利の放棄であり、経営者を利する。
悪しき前例になる。辞めたいのなら、球団とバイアウト(残りの契約の買い取り)交渉をすべきである。
選手会は、城島がマリナーズとの契約期間中に、阪神と事前契約交渉をした=タンバリングの可能性にも言及した。城島の日本復帰は、かなり「やばい」ケースだったのだ。
黒田の事例もMLBの球団間で行われたのなら、選手会や他球団、機構が声を上げる大問題になっただろう(どう考えてもあり得ないが)。
アメリカは世界で一番組合が強い国だ。MLB選手会はその中でも自動車労組と並び称される強い組合だ。団結を破る選手は徹底的に排除される。
一方、MLB各球団のフロントも、この契約を注視しているはずだ。
MLBでは一般的に、選手は少しでも好条件(年俸、待遇)を獲得することを目指してプレーする。球団は良い選手を獲得するために他球団よりも良い条件提示をしようと努める。選手獲得ゲームは、こうした市場原理にのっとったシンプルなものである。
しかるにMLBの一流選手である黒田博樹は、75%ダウンを呑んで日本の球団に帰っていった。市場原理に反する行動をとった。
これは黒田だけの特殊なケースなのか、それとも日本人選手は誰でもこんな行動をとり得るのか。
もし黒田の取った行動が、日本人選手普遍のメンタリティから出ているのであれば、今後もNPB球団による「不当な買いたたき」が起きる可能性がある。
ことに、広島は、今季前田健太を引き留め、黒田博樹を呼び戻した。
今後、MLB球団は広島との交渉に慎重になるのではないか。
黒田はオクタゴン・ワールドワイドというスポーツマーケティング会社と契約している。彼らの役割は、契約した選手を少しでも高く球団に売ることだ。
オクタゴンにしても今回の黒田の選択に困惑したと思う。どのような交渉をしたのかはわからないが、異例のことだったと思う。
MLBは、NPB、日本独自の文化と、それに根差した球団、日本人選手の行動が、アメリカや他国の選手のそれとかなり違うことに気が付いたのではないか。
おりしもMLBではNPB選手に対する評価は非常にシビアになりつつある。
黒田の取った行動は、NPBからMLBへの人材流出ムードに水を差すことになるかもしれない。
長期的に見れば、MLBはNPBを傘下に置きたいと考えている。オーストラリアでそうしたように。それは非常に大変だが、そのためNPB球団の文化、風土も変えていくべきだ、という考えが加速するのではないか。
黒田の今回の選択は、NPBとMLBの関係が変化するきっかけになるのではないか。
私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください!
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広尾晃、3冊目の本が出ました。



投手の中で、黒田はただ一人、最終年に規定投球回数に達して、二けた勝利を挙げている。年俸も最高額、そして年俸の下落幅は最大だ。
野手も含めて、最終年に辛うじてレギュラークラスだったのは、黒田以外には吉井理人、長谷川滋利、井口資仁、城島健司くらいだ。
日本人NPB選手のMLBからの身の引き方はこれまで
1)成績不振 → FA → NPB復帰
2)成績不振 → FA → 引退
3)成績不振 →契約破棄 → NPB復帰
の3つだったが、黒田によって
4)成績好調 → FA → NPB復帰
というこれまであり得なかったケースが生まれた。
4)がなぜあり得なかったかと言うと、
1)2)3)の選手は、成績不振によって、すでに年俸が下落しているか、次年度はたとえMLBにとどまったとしても年俸下落が避けられない=市場価が落ちている。だからNPB球団でもオファーができたからだ。
4)の選手は年俸が下落していないから、NPBでは手が出なかった。
しかし今回は、黒田が大幅減俸を呑んだために、全く異例の契約が成り立ったのだ。
3)のケースは佐々木、城島と西岡だが、ことに前年に3年契約を結んだばかりの城島が契約期間を2年残してNPBに復帰したのはMLB選手会には看過できないケースだった。
MLB選手会は経営者との長い戦いによって、FA権や高額の年俸などを勝ち取ってきた。年俸、待遇、FAなどは、選手の権利である。これを選手の側から一方的に放棄するのは、権利の放棄であり、経営者を利する。
悪しき前例になる。辞めたいのなら、球団とバイアウト(残りの契約の買い取り)交渉をすべきである。
選手会は、城島がマリナーズとの契約期間中に、阪神と事前契約交渉をした=タンバリングの可能性にも言及した。城島の日本復帰は、かなり「やばい」ケースだったのだ。
黒田の事例もMLBの球団間で行われたのなら、選手会や他球団、機構が声を上げる大問題になっただろう(どう考えてもあり得ないが)。
アメリカは世界で一番組合が強い国だ。MLB選手会はその中でも自動車労組と並び称される強い組合だ。団結を破る選手は徹底的に排除される。
一方、MLB各球団のフロントも、この契約を注視しているはずだ。
MLBでは一般的に、選手は少しでも好条件(年俸、待遇)を獲得することを目指してプレーする。球団は良い選手を獲得するために他球団よりも良い条件提示をしようと努める。選手獲得ゲームは、こうした市場原理にのっとったシンプルなものである。
しかるにMLBの一流選手である黒田博樹は、75%ダウンを呑んで日本の球団に帰っていった。市場原理に反する行動をとった。
これは黒田だけの特殊なケースなのか、それとも日本人選手は誰でもこんな行動をとり得るのか。
もし黒田の取った行動が、日本人選手普遍のメンタリティから出ているのであれば、今後もNPB球団による「不当な買いたたき」が起きる可能性がある。
ことに、広島は、今季前田健太を引き留め、黒田博樹を呼び戻した。
今後、MLB球団は広島との交渉に慎重になるのではないか。
黒田はオクタゴン・ワールドワイドというスポーツマーケティング会社と契約している。彼らの役割は、契約した選手を少しでも高く球団に売ることだ。
オクタゴンにしても今回の黒田の選択に困惑したと思う。どのような交渉をしたのかはわからないが、異例のことだったと思う。
MLBは、NPB、日本独自の文化と、それに根差した球団、日本人選手の行動が、アメリカや他国の選手のそれとかなり違うことに気が付いたのではないか。
おりしもMLBではNPB選手に対する評価は非常にシビアになりつつある。
黒田の取った行動は、NPBからMLBへの人材流出ムードに水を差すことになるかもしれない。
長期的に見れば、MLBはNPBを傘下に置きたいと考えている。オーストラリアでそうしたように。それは非常に大変だが、そのためNPB球団の文化、風土も変えていくべきだ、という考えが加速するのではないか。
黒田の今回の選択は、NPBとMLBの関係が変化するきっかけになるのではないか。
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コメント
コメント一覧
黒田の移籍で一つ、重要なファクターを考えると、国をまたいでいることですが、欧米では、いかなる理由があっても「故郷に帰る」ということに関しては、それほどマイナスな印象はないと言います。
私はサッカーも好きですが、欧州の第一線でまだまだやれそうな選手が、時折、祖国のクラブへ復帰するケースを知っています。今回の黒田のケースと同様に、おそらくかなりの減俸になるケースが多いと思いますが、それでも、祖国に帰るという行為に対しては、概ね寛容な論調で報じされるようです。
むろん、彼の故郷は広島ではありませんが、もはや第二の故郷と言ってもいい広島に帰るという行為に対しては、少なくとも向こうのファンに対しては、年俸がいくらだとか、そういうこととは別の次元の共感があったのだと思います。
メディアやファンはおおむね好意的なようですね。黒田が良い選手で、態度も立派だったからでしょう。
メジャー球団が不当に高い年俸を提示して日本選手の頬を札束ではたくのは問題ないのですか?
市場主義の原則から言えばメジャー球団による超高額年俸提示は物品の価格釣り上げ、金持ちによる買い占めでありインフレを招くのではないですか?
NPBから見ればその通りですが、MLB的には不当な金額ではありません。イチローも松井もMLBに移籍した時は、成績で見れば割安でした。経済格差があるので仕方がないでしょう。
NPBには金がないし、選手の年俸には市場原理が十分には働いていないので、高額で選手を引き抜かれてもインフレはおこりません。
ただ、これからはMLBもシビアな品定めをすると思いますよ。
単年契約金額ではなく、「生涯獲得金額」+「非金銭的なメリット」で考えなければ論考が浅いままですよ。
当然考えています。黒田はそのあたりも良く考えて今回の選択をしたのでしょう。
あれば非常に勉強になるので是非教えて下さい
ルールはありませんが、MLBでは相場よりも不当に低い金額で選手が契約すれば、選手会が口をはさむと思います。
個人的にはアメリカ・MLBのこういう態度は鼻持ちならん感じで好きではないのですが。
城島のケースはMLB選手会的には看過出来ないんでしょうが、だったら『「奴とバッテリーは組みたくない」なんて言うなよ!ボケ!』と思ってしまいますね。
書き漏らしたので本文にも書きますが、アメリカは世界で一番組合が強い国です。団結を破る労働者は、徹底的にオミットされます。
不当に安い金額で契約すること自体がほとんどないので、実例は寡聞にして聞きません。ただ、城島のケースは「貰うべき金をもらわなかった」わけですから、それに近いかと。
城島は選手会の会員ではないので、正式の抗議はしませんでしたが、そのかわりタンバリングの疑惑で攻撃しました。
黒田のケースは彼が選手会のメンバーではない上に、相手球団がNPBなので静観しています。ただし注視はしていることでしょう。
例えば1000万の車があったとして、運転技術もなくすぐに車を壊す車をステータスとしか見てない金持ちのボンボンと、800万しか持ってないが買ったからには最後まで大切に乗りこなすドライバーどっちが車に対して失礼か。当然前者です
黒田をただローテの一角としか見てないメジャー球団へ行けば近所付き合いもファンもなくなり見ず知らずの土地へ移住することになる
広島へ行けばかつての恩を忘れていない球団とファンがいる。慣れ親しんだ土地であるしなにより故郷の日本。そして渇望したカープの優勝がある
黒田にとって待遇の良いのはカープの方です。金だけ提示してカープもヤンキースも切り捨てろと言う他球団、先発の柱として活躍してもらいながら金しか提示できないヤンキースのほうがよほど失礼です
ダンピングというのは安い価格で物を売ることであって安い価格で物を買うことではありませんよ
ダンピングは誤用でした。取り消します。
ヤンキースが金しか提示していないとなぜ思うのでしょうか?住宅も、移動手段も、通訳も、家事のサポーターも、ドクターも、カウンセラーもついた契約ですが。
もちろん、それでも黒田が日本を選んだという事実は残ります。それは否定しません。
でも、それを一般論に敷衍するのは無理があるでしょう。
車の製造者が、より高い金額を付けた客に売るのは当たり前です。安くても他の客に売る可能性は常にありますが、だからといって、市場原理の方がおかしいとは言えません。
資本主義の世の中は市場原理で回っています。スポールビジネスも同じです。だからスポーツの世界でもマーケティングが大切なわけです。
そうでなければ証拠になりません
また、もし不当な廉価売却=ダンピングを問題視するなら、4億円とされている年俸で復帰することを決めたのは黒田選手なので、広島東洋カープではなく、黒田選手本人が悪いのではないですか?
他球団で何十億貰おうがカープでの優勝は叶わないのですよ。メジャー球団は悔しかったらカープでの優勝に匹敵する何かを提示すればいいのです
かつて横浜の三浦は阪神への移籍を「横浜で優勝したいから」と蹴りました。阪神が三浦に阪神に在籍するメリットを提示できなかったからです
MLBからNPBをしたかどうかはわかりません。
ただ、これまでの例から見て、間違いなくそういう状況にあると思います。証拠がないからお前はうそを言っていると言う人、たくさん来ますけど、証拠がなければものが言えないわけではないので。
ダンピングは誤用でした。ただ黒田がこの話をオファーしたのであれば、ダンピング的な非難を受ける可能性は確かにあります。
黒田は激務で高給のメジャーより
比較的楽な安給日本を選んだんだと思いますよ
そういう人はサラリーマンでもたまにいるでしょう
黒田自身もしんどいやらなんやら言ってましたしね
もちろんそれが全てでは無いでしょうが一因にはなったのじゃないかな?と思います
それに絶対帰ってくるって約束も無いと思います
報道を信じればメジャーか広島そして引退という選択肢がありましたから
もし帰ってくる気があるならばいつでも是非程度で
実際広島の交渉担当の人も期待してなく万が一って感じでしたしね
「黒田博樹」に「金勘定」ってのが水と油なぐらい似合わないんですよね。
だからどうしても金の話をするだけで黒田のファンなら彼を侮辱されたように感じてしまうのでしょう。
ここの一連の文章では黒田がまるで福留のようです(悪い例えですいません。福留選手も首尾一貫して気持ちの良い人間だと思ってますが)
彼はただ来年最も全力を注げそうな場所を選んだだけだと思いますよ。
今回はいつも以上に「これが最後」と思っていることでしょう。
その先を見据えてないんだから「宵越しの金は持たない」って感じでしょうか。
私も、「果たして広島のオファーは“失礼”なのか」を考えながら、一連の記事を読ませていただきました。
さて、FAの選手が新たに所属する球団を選択する際には、いろいろな観点から選ぶものと思われます。
当然、年俸や各種の付帯事項といった経済的メリットは、その最大の要素の一つになるでしょう。
一方で、金額以外の部分、例えば出場機会や、チーム・地域への愛着、監督や選手との人間関係などというのも、重要な要素として考えられます。
今回の黒田のケースでは、報道されているようなMLB球団からのオファーと広島とのオファーとでは非常に大きな差がありますので驚きをもって捉えられていますが、後者の理由で「金額的には低額なオファー」の球団を選択する例というのも、無きにしも非ずと思われます。
また、今回は契約を満了してからの話ですので、「不当な買いたたき」とまでは言えず、「本来ならお話にならないほどの低額なオファーだが、黒田は金額以外の面に価値を見出して契約した。MLBからは自らの意思で引退したようなものだ」というのが、私見です。
ところで「広島のオファーは“失礼”なのか?」について蛇足ながら私見を書かせていただきます。
・広島球団がMLBの各球団と同等程度のオファーを出せる状態でありながら、旧縁にすがって(あるいは泣き落としに近い形、はたまた契約しないのは不誠実という空気を醸成して)4億円の契約を迫ったのなら、非常に失礼
・広島球団が本当に4億円程度のオファーしか出せない状態だったのであれば、失礼ではない
と、考えます。
エントリーを拝読しますと、広尾さんは広島球団の財政状況を鑑みて前者とお考えなのかなと思いました。
長文失礼いたしました。
確かに、黒田はつかれたのでしょう。毎年、オンタイムで全試合のスコアを付けていると、黒田のしんどさもわかる気がします。
私は広島が経営的にどうなのかに関わらず、オファーは失礼だと思っています。
でも実際には、広島はいっぱいいっぱいの金額を提示したわけではありません。利益をたっぷり留保したうえでの提示です。
貴方のような不誠実な方は初めてです
ごめんね、つい目がいったもので。でももう寝ます。
世の中にはもっと不誠実な人がいると思うけど、そこまで言うか。
おやすみなさい
>〜4億円の契約を迫ったのなら、非常に失礼
そもそも契約オファーの額を「失礼」で語る必要はありませんので、「不当か否か」でコメントしますが、これは不当でもなんでもありません。
MLBの単年20億(しかしリーグ年金以外の生涯保証なし)と広島球団の単年4億(+帰国後に生涯で得られる金銭・非金銭的メリット)を天秤にかければ、いうほど差額はないと考えます。
※広島市という土地柄と、広島球団の生涯保証の良さをご存じなら、この計算がはったりではないことは理解できるでしょう。
もちろん「過剰な」高額を提示して天秤をこっち側に大きく傾かせる交渉手法もあるでしょうが、世の中ではそういう交渉はマネーゲームとして欧米でも揶揄される対象になります。
ポイントは、広島球団は3-5億のラインを毎年提示してきたということです。同球団が提示する生涯保証プランに納得できるタイミングがキャリア終盤に生じると判断して、その時を見据えて、いわば8年かけて交渉してきただけだと思います。
うんと悪く言えば、合法タンパリングです。うんと良く言えば、何年でも待つという姿勢を身をもって示したということです。そこにはむしろ礼儀を感じます、「私個人は」。
MLBでは、黒田投手の広島復帰は、高い可能性の選択肢として予想されていたようです。
「クロダはMLBでのプレイか、NPB復帰か、引退かを考えている」
(キャッシュマンGM)
「黒田の(広島への)古巣復帰は予想できた。(後略)」
(アンドリュー・マーチャンド記者 ESPNヤンキース担当)
「黒田の方がヤンキースから離れようとするんじゃないかな。(後略)」
(マーリー・リベラ記者 ESPNヤンキース担当)
城島選手の権利放棄についてですが
1年前 レッドソックスのデンプスター投手は首の故障等で2014年を全休する際、13億円強の年俸を返上しています。
("受け取らない"との表現で報道されていたので権利放棄のように読みとれました)
(この際、バイアウト交渉がされたかは不明です)
城島選手と似たケースのように感じました
遠ざかっている間に、大変な「大・黒田祭り」になってますね。
いやはや、すごいすごい。
広尾さん、大掃除とか、大丈夫ですかぁ??
それはさておき、私見ですが、今回の一件、
黒田の選択は、意外と深慮遠望なのかなぁ?と感じます。
ご存じの通り、MLBの場合、成績不振であれば
シーズン途中であっても、容赦なく切り捨てられる世界ですから、
自身の年齢も鑑みて、
「そろそろ、今年くらいが、フルで活躍できる限界年かな」
と自身が判断しての決断であれば、なかなか賢いなぁ、と。
広島が出したオファーは、需給関係や
市場価値を考えれば「失礼」と言えますが、
引退後の事や、球界やファンに与える印象、
自身の限界なども考慮して
「失礼なオファーを承諾するのが最善の策」
と考えたんとちゃうのかなぁ?と感じています。
一つ危惧しているのは、その辺の事情を何も考えない輩が、
「上原!岩隈!真のエースとはこういうものだ!
おまいらも安年俸で、使えるうちに帰ってこい!!」
とか言い出して、よう分からん状態にならんことを祈るのみです。
日本人って、ほんまに「浪花節」のお話が好きなんですねぇ
(私も含めて)。
年俸が全てではないし、広島が黒田の求めた条件を提示できたのは事実ですが、
やはり他のケースと比較できるのはお金だけですから。
事実黒田の決断に好意的な側も「20億蹴って4億!すごい!」ばっか言ってますし。
「結果的に」その年俸の差を埋める魅力を黒田が感じたということですが、年俸外の魅力も提示出来ないくせに、黒田のケースをタテに、他の選手が不当な評価を受けなければいいですね。
>「上原!岩隈!真のエースとはこういうものだ!
おまいらも安年俸で、使えるうちに帰ってこい!!」
>とか言い出して、よう分からん状態にならんことを祈るのみです。
もう張本氏がテレビで言っていますよ。「他の選手も見習え」って。今後も似たような輩が続出するでしょう。メディアからも、「男気」(例のジャンケンのせいか、実にイメージが悪い言葉です)がやたらと好きな、一部のファンからも。
>ご存じの通り、MLBの場合、成績不振であれば
>シーズン途中であっても、容赦なく切り捨てられる
切り捨てられたとしても、40人枠から外れるだけのことであり、通常の契約であれば、契約期間内の年俸は保障されるはずです。
日本でも最近こそ、QSという言葉は一般的になってきましたが、ではそのQSをきちんと達成する選手がそれだけ高い評価を得ているかというと、そこまでいっていないのが実情ということなのでは。むしろ、「勝てばそれだけ負けもつく投手」「10勝10敗の投手」といった言葉が示すように、多少のあなどりこそ挟まる感じさえします。
ご丁寧なご返信をいただきましてありがとうございます。
ひとつ言えますのは、同じ事象に対して、それぞれの持てる情報や信条等によって、これほど意見が分かれることの面白さです。
中には「そうじゃないんじゃないかなぁ」というご意見も(広尾さんのものにも一連のコメントの方のものにも)あったりしますが、それもひとつの見方ということなのだと考えます。
これからも、野球やその周辺の情報を深耕できるエントリー・ご意見にご期待申し上げます。
(追伸)広尾さん
今年もたくさんのエントリー、大変お疲れさまでございました。
そういう意志があるのを知っていたから広島はオファーを出し続けていたわけで黒田としては願ったり叶ったりだったのかもしれませんね。
黒田のNPBへの復帰はサラリーマンの早期リタイアだったり田舎へ移住しての自給自足生活だったりとかと同じような感覚なのかもしれませんね^^;
こんな言葉が交される間柄にビジネス論を落とし込むのは少々難しい。
思うにジーターイヤーとの覚悟で臨んだ今季の魔法の様なピーキングコントロールが相当キツかったのではないだろうかと。
「コレ、二年連続で出来るか?
どうなんだ、俺?」
ドジャースでのトレード拒否。
一年毎の契約更新。
代理人にとっては扱い難い選手かもしれませんが、(MLBにはもっと扱い難い選手なんていくらでもいるだろうし)
黒田の人間性を鑑みると充分考えられる選択肢であった訳で。
NPBとMLBの関係と言えば、
野茂英雄が、
「近鉄嫌、メジャーで投げたい」
「マイナーで1000万」
と(今考えても)バカげた脱藩して始まった歴史を持つんですから。
(金銭面だけでは)理解しがたいがあまり逐一説明して欲しくない。
【カープで投げたい】で充分。
こんなプロ意識の塊が広島に、NPBに帰ってくる事で【何か】が変わっていく事に期待せずにはおれません。
そうでした、修正します。
来期NPBで自分が通用しないというリスクも当然考えた上で、黒田が来期はカープで投げる方が得(経済面だけでなく、精神面も含めて)と考えたのだと思います。
メジャーで成功し、全てを自分の思うままに決定できる黒田に敬意を評したいですね。まるで、今シーズンのジーターのようだと思う決断です。
とは言えMLB側からすればキャリア末期にもかかわらず複数年契約を蹴る時点でおかしい話で
余力を残して引退かNPBでキャリアを終えるという見方をされていたのでしょう。
おそらく、広島球団が黒田の気持ちに託けて安く買い叩く姿勢を非難したくて仕方ないのでしょうが
来年1年MLBでプレーしても”ああ、ヒロはいい投手だったね”で終わりです。
既に100億以上稼いだ黒田にとって松坂のような状態でNPBに戻るより今のほうが得られるものが多いのかもしれませんよ。
黒田が広島に今年復帰すること自体は、何ら非難すべきこととは思えません。それを「経済原則」と無関係の「安っぽい美談」にしようとする動きに異議申し立てをしています。
とは言え美談にしてるのはマスコミであって球団ではないので球団を責めるべきではないでしょうから
その点はあまり深く追求すべきことでもないと私は考えます。
醜女のくせに生意気だやら、他の醜女が勘違いしたらどうするなんて言い出したらそれは嫉妬ですから。
考え直してみますと、例えば 黒田が NYYに12億程度で残留、他球団に移籍 もしくはソフトバンクに単年10億で契約したとして
あなたはこんなに多くの黒田に関するエントリーを書いたでしょうか? 精々STATSとコメントで終わり程度のもんですよね。
それだけ異常なことなので変に一般化して危惧する程のことではないようにおもいますがいかがでしょう。
ソフトバンクが黒田を10億で獲得したのなら、ここまで書くことはないですね。常識の範囲のビジネスだと思うので。
別の意味で問題はあるでしょうが、それは別の話です。
異常事態な上に、安物の「お話」が流布しそうなので危惧を抱いたわけです。
醜女のたとえは、お上品じゃないね。
10億・・そうなんですよね。
10億だったら驚かないと思えば思うほど4億のオファーが正解に見えてきます。
これが炎上マーケティングって奴なんでしょうか
来季の黒田のMLBでの年俸は、実勢で10億円前後だと言われています。それに近い金額であれば、妥当性があるのではないでしょうか。
炎上マーケティングは、あなたには無理でしょう。教えて上げませんよ。
私の好きな言葉に「人生意気に感ず」という言葉があります。
渋谷栄一氏の言葉ですが、意味合いとしては人は金銭名誉ではなく、他人の意気を感じて仕事をするもの、ということです。
もちろん背景にあるものの違いはあるでしょうけど、こういう論調が少ないのが残念です。
お金なんてある程度あれば十分、って考える人は少ないんですかね。
自分を育ててくれた球団とそのファンのために、感謝の気持ちを込めて復帰したんじゃないかな、って思ってます。
球団側のオファーは概ね広尾さんに同意ですけれど。
球団が4億で契約できるのにもっと出すというのは広尾さんは球団の男気に期待してるように見える
4億で獲得できたのに黒田にもっと出したとなれば今度は球団の美談になってたでしょう
発想が同レベルなんですよ
あくまでビジネスなんでお互い納得して契約したという事実が全て
例えば、1年前に16億円のクオリファイリングオファーを蹴った時点で、カープが3億円でなく8億円強ぐらいでオファーを出していたら、
広尾さんも「MLBの黒田投手の評価と倍半分の開きがあるが、カープとしても無理に無理を重ねたオファーなのだろう」といった感じで苦笑する程度で、憤りを感じる事もなかったのでしょうね
逆に、カープが「8千万円出すから広島でプレイしてほしい」などと提示したら、
今回コメントで
「広島は黒田に選択肢を提示しただけだ。断られるだけで、失礼でも何でもない」
「広島と黒田の間には余人には計り知れない信頼関係があるんです」
等の意見を書きこまれた方でも、失礼をいう言葉ではないにしろ何らかの言葉でカープを非難したでしょう
例 「アホちゃうか」「非常識だ」「ケチ」「もっと出せるだろ」「足元見過ぎ」
そういった意味では、今回のMLB実勢評価10億円強に対し4億という数字は皆さんの意見が分かれる絶妙の数字で、カープの作戦勝ちといったところでしょうか
10億でも少ない15億は必要なんて人もいるでしょう
ただ妥当かどうかで契約を決めるのは当人ですからね
契約しかたからには黒田にとっては妥当だったのでしょう
カープ球団がうまいことやったなって印象しかありません
それに世の中全て常識的な金額のみで回っているわけでもありません
激安商品もあればボッタクリもある
黒田の場合は激安レアケースでしょう
馴染みだから安くしとくよ的なね
広尾さんはそんな好意はいらないと言い市場価格で買うタイプの人なのでしょう
黒田は城島と違ってFAとなってNPB球団と契約したので、契約期間において投資のリターンを得るという見方ではNYヤンキースは損をしていないのではないでしょうか。
ただ、契約満了後でありながら、来年も当然契約してくれると期待していれば、あてが外れたということにはなるでしょうが、この考えはNPBにはあっても、MLBにはなさそうな気がします。
私としては、今回の黒田のケースを見て、MLBの球団が「日本人選手を獲得するのは止めておこう。」と考える原因にはならないように思います。
大型契約で全く働かないとかですよね
黒田はほんとにレアケースだと思うので変わり者がいたな程度でしょう
10億は私の物差しではなく、MLBの相場です。
黒田にはMLBで決められたクオリファイング・オファー(今年の場合14.6億円)はありませんでした。
普通で考えれば、彼の年俸はそれ以下ということになります。しかし今年の成績を考えれば、今年の年俸(16億円)より極端に下がることは考えられません。
アメリカのメディアでも1000万ドル前後という声が多かった。もちろん、市場原理が働いて、もう少し高額になる可能性はありますが。
私のコメントに対応するだけじゃなくて、そういうことも知っていただきたいなあ。
端的に言えばそういうことですね。
相場はそうだが現実は例外もあるということです。
そのようなものは削除してもらうことはできないのでしょうか?
それはあなたの少し変わったご意見に過ぎないでしょう。
すべてのものごとには「例外」がありますが、だからといって大部分の「例外以外」を否定することはできません。
これでもかなり削除しています。
自分がこのようなオファーを受けたら失礼だと蹴るでしょう
黒田がこのオファーを蹴ってたらまあそうなるよなと思うでしょう
これはあくまで自分の価値観です
良い例えかはわかりませんがもし不釣り合いなカップルを見かけたら
もっといい人いただろうにと思うでしょう
でも当人同士にとっては大きなお世話お互い納得してるんだからそれでいい
黒田の場合もこれに似ていて契約してしまったんだから黒田は納得してるんだろう
自分では考えられないが黒田と球団が納得して契約したなら何も言えんなってかんじです
だんだん逸れていっているように思います。
あなたがどう思っているかに、私はそれほど興味がありませんので。
なぜこのような失礼なオファーを黒田が受け契約したのだと思いますか?
失礼なオファーは普通なら断りますよね
私が言いたいのは普通はおおむね市場原理で動くが黒田球団間にこれが無かった例外パターンだったと思ってますが
そんな例外パターンにいくらが適正とか無意味なんじゃないかなと思うわけです
それは黒田の考え方、置かれている立場が変わったからです。だから、それを呑むに至った。
あらゆる関係は日々変化します。同じようなオファーでも、相手の環境が変われば意味合いが変わってきます。
おっしゃるように、今回はレアなケースだとは思います。