7月末のいわゆるフラッグシップ・ディール(下位球団から上位球団への駆け込みトレード)についてまとめておこう。これは「高級品の取引」という意味だそうだが、優勝の可能性がなくなりチーム立て直しモードに入ったチームから、優勝争いをするチームに実力派の選手がトレードされることだ。トレードの見返りは普通若手選手数人または金銭であることが多い。まず打者。









OUTの側のチームがペナントレースを諦めたチーム。IN側のチームが優勝争いを加速させるチームと大別できよう。

投打ともにレギュラークラスで実績も十分だが、数字的にやや伸び悩んでいる選手が多いことが分かる。なかでNYMの主砲カルロス・ベルトランは久々にフル出場をしてまずますの数字を残したが、契約最終年でありもともと残留はあり得ないと見られていた。

信じられないのが、HOU。ハンター・ペンス、マイケル・ボーンという外野の両看板を放出した。ケッピンジャーも含めれば、3人もの3割打者を出した。フラッグシップ・ディールは、高給取りだが来期構想にはまりにくい選手を放出するのが原則だ。まだ20代で年俸もそれほど高くない2人を出すのは、来季以降も勝つ気がないと思われても仕方がない。HOUは商売下手で知られるが、このトレードは極めつけと言えるだろう。PHIはワースが抜けた上にベテラン野手の衰えが目立ち始めただけに、効果的な補強だ。久々に元気なPITも活発に補強した。投手。



目立つのは17連敗したSEAが、早々に白旗をあげて、フィスター、ポーリー、ベダードを出したこと。ベダードはともかく、フィスター、ポーリーはもったいない。ここ数年SEAは好投手をどんどん放出している。2年間ほとんど働けなかったベダードは、今季数字をあげたことで活路が開けた。BOSはやや控えめだが松坂、バクホルツの穴を埋めた形だ。

昨年大ブレークしたヒメネスだが、今季は早くも巻き返しモードになった。

遅咲きのアンダースロー、ジーグラーも移籍。この投手は初対戦では打ちにくいし、力を発揮するのではないか。

上原は、マイク・アダムスとともにセットアッパーの目玉商品だった。移籍後早くも投げて無失点に抑えているが、

今後の優勝争いを考えれば、こういう投手が一番必要なのだ。この二人を補強したTEXの手腕はすごい。建山はうかうかしていると居場所がなくなる。

それにしても、MLBは盛り上げる演出が上手い。ファンはトレード期限直前、ネットや放送にかじりついていたはずだ。こういう形でシーズンに「中扉」を作るのは長いペナントレースにメリハリをつける上でも効果的だ。

こうしてみると、フラッグシップ・ディールは、MLB各チームが勝ち組、負け組の旗色を鮮明にする取引だ。また、多くの選手にとっては、より働きがいのあるステージが開けるという点で、悪い話ではない。少なくとも実力がなければ、この市場には名前が出ない。黒田博樹もそう考えたらよかったのになあ…と未練がましく言いたくなる。

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