巨人の開幕投手東野峻は、7月8日の広島戦で先発し、5回3失点で降板。試合後原辰徳監督は、東野にクローザー転向を指示した。しかし、内海哲也の故障によって、7月30日に再び先発に転向した。今季の登板。






まるで昭和の野球を見ているような、気楽な配置転換である。稲尾、杉浦などはそういう八面六臂の活躍をしたものだ。原監督は、まだそんな時代に生きているのだろうか?

先発投手がクローザーも掛け持ちできるのなら、どの球団も苦労はしない。野球選手の機能分化が進んだ現代の野球では、先発投手と救援投手は全く別の職掌だ。

東野は開幕戦先発投手という栄誉に輝きながら、わずか13試合でスターターの座を引きずり降ろされ、クローザーに。そしてまた5試合で先発のマウンドに戻されたのだ。モチベーションをどうして保ったのか不思議なくらいだ。最初の試合で救援に失敗したものの、以後1安打しか打たれない引き締まった投球をしていただけに、複雑な心境だったろう。

「常勝巨人」の看板を掲げるこの球団は、これまでもなりふり構わぬ用兵を行ってきた。まさに「おれたちには明日はない」という感じで、ひたすら眼前の1勝を追いかけてきた。しかし、今回はあまりにもお粗末すぎる。「選手を大事にしない球団」であることを、世間に知らしめた。

原辰徳は、2007年にもエース級の上原浩治をクローザーに転向させた。火消しとしては超一流とはいえないまでも、上原は期待にこたえ、巨人もペナントレースに勝利した。原監督にはそのときの記憶があったのかもしれない。しかし上原はシーズン前に転向を申し渡されていた。今回のようにシーズン半ばで突如配置転換を言い渡されたわけではない。また朝令暮改もしなかった。

上原浩治は、この時の配置転換で、巨人に強い不信感を抱いたようだ。上原と東野では、チームや監督との力関係は違うだろうが、東野だって思うところがあるに違いない。

今季の巨人は、統一球の使用、審判部の統合というNPBの環境変化を完全に読み間違えた。その上、老人の一言でクルーンを放出してしまっている。そうしたフロント無能のつけを、若い有望な投手に負わせようとしている。

世間の物笑いの種になっていることを、知るべきだと思う。

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