恒例、NPBプレビューを鋭意作成中だが、今年の最大の異変は「巨人が動かなかった」ことだろう。
私はストーブリーグに関しては、選手をたくさん異動させたチームを高く評価している。
ファンにとって「百年一日のごとき」顔ぶれで野球をするチームより、毎年新しい選手を入れて、違うカラーになっていくチームの方がわくわくするからだ。
金にモノを言わせて選手を「大人買い」するのは顰蹙ものだが、一方で選手を抜かれてもほったらかしで、実質的に何も補強をしないチームは職務怠慢だと思う。
彼らは補強ではなくリストラをしているのだ。
内部の成長に期待しているのかもしれないが、そういうチームに限って選手が育っていないものだ。
ストーブリーグに関しては、巨人は「やるべきことをやっている」と思っていたのだが。
巨人、過去6年間の選手の新入団。ドラフトは1位選手のみ。
表の下段は、年俸総額(億円)と、そのリーグ順位

巨人は毎年、大物選手をFAやトレードで獲得するか、即戦力の大型新人をドラフトで取って戦力を増強させてきた。
2010年は日本ハムのドラフト指名を蹴って指名を待った長野久義、彼は外野のレギュラーを獲得し、新人王。
2011年は中央大の澤村を獲得。彼も新人王。
2012年はソフトバンクから杉内俊哉、ホールトン、横浜から村田修一を獲得。大型補強を行った。
2013年はこれまた日本ハムのドラフト指名を袖にした菅野智之を獲得。さらにMLBからは大物、ホセ・ロペスを取った。
2014年は、広島から大竹寛を、西武から片岡治大を取った。さらにキューバの至宝、セぺ打も獲得。
今年の目玉は?
相川、金城は確かに良い選手だが、バリバリの働き盛りとは言えない。前のチームでもレギュラーがおぼつかなかった。
ドラ1の岡本は期待は高いが、高校生だ。松井秀喜に匹敵するスケールとは思われていない。
今年は「目玉」がないのだ。日本の経済界は円安の風を受けて好景気に沸いている。オリックスやソフトバンクが大型補強をする中で、年俸総額もソフトバンクに抜かれて2位、昨年対比95%は、楽天の80%に次ぐワースト2位。
MLBではヤンキースの緊縮ぶりが話題だが、日米ともに金満球団に異変が起きている。
今季、どのように戦うつもりなのか、成り行きに注目したい。
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こうなると大幅な組織変更を試みても、「重要でない選手を大量に解雇して、代わりに重要でない選手を大量に獲得した」なんてことになってしまう。外国人選手にしても枠の問題により、優良な選手を多く抱えるチームはそもそも身動きが取れません。
外国人枠と支配下登録枠の拡充、FA年数の短縮とFA選手獲得時に獲得チームが負う補償の軽減をしない限り、よほど壊滅的か重度の欲しがり病のチーム以外は、毎年代わり映えしない編成という状況が続く。
期待はしていますが、目玉ではないでしょう。
追加します。
別項にも書いたとおり、現在の巨人の弱点は、一塁、三塁、右翼ですが、ここには「コア4」と呼ばれる主力の阿部、村田、長野、坂本のうち3名が関わってくるため、おいそれと補強に踏み切れないのでしょう。
オフに市場に出た選手の中には、中島、小谷野など三塁レギュラー格の選手もいましたし、一塁手ならアメリカから探す手もあった。正直言って、それらの選手に入れ替えた方が、現有戦力よりも向上が望めます(それほど昨年の村田の各種指標は悪いです)。
それをしなかったという事は、一時代を築いた「コア4」への配慮なのでしょう。つまり、以前の阪神・金本や、NYY・ジーターのような「聖域化」が始まりつつあると言えます。これは一時代を築いたメンバーならではの宿痾というべきものです。
「コア4」のうち坂本以外は年齢的に上積みは期待できず、巨人の戦力はこのまま低減していくことが予想されます。今年は阿部のコンバートに話題が集中していますが、打線の軸はすでにアンダーソンに移っており、彼の健康状態によってチームの浮沈が左右されるでしょう。