成りあがりのタンパベイ・レイズ=TBは、昨年オフ、投打で草刈り場となった。打撃でいえば、チームの本塁打王、首位打者、盗塁王、最多安打王、RC1位打者がいなくなったのである。しかし、資金的に限界があるチームは、評価の低い選手と盛りを過ぎたベテランしか補強できなかった。
前年と今年の成績の対比。各STATSのアリーグ14球団での順位、各数値の昨対を入れた。

TB-2011-Bat

ボストン・レッドソックス=BOSの項で書いたが、走攻守そろったカール・クロフォードの同地区ライバルへの移籍の穴は、どう考えても埋まりそうになかった。チームはその代わりと言うには、あまりにも年を取りすぎているジョニー・デーモンを獲得。もともと守備のまずいデーモンはDHに回った。外野はBJ・アップトン、カルロス・ペーニャの代わりにシカゴ・カブス=CHCから来たサム・フルド、マシュー・ジョイスで回した。外野レギュラー3人の総出塁数は640から490へと激減した。

最大の目玉だったマニー・ラミレスがわずか5試合で引退したが、もともと200万ドルという低年俸であり、使えれば儲けものという感覚だったのだろう。

一塁のカルロス・ペーニャは、本塁打を打つだけの選手だったが、彼の代わりに獲得したのは“専守防衛”の一塁手として、すっかり評判を落としたケイシー・コッチマンだった。しかしコッチマンは、シアトル・マリナーズを出た選手の通例どおり、見違えるような打撃を見せて、一時期は首位打者を伺いそうな勢いだった。

主力選手が抜けた野手陣は、全員が奮起して数字を上げたわけではない。どちらかといえば冴えないシーズンだった選手が多い。今やチームの中心打者、エヴァン・ロンゴリアは、最終的に31本塁打99打点だったが、キャリア初めてのスランプに悩んだ。昨年のスプリングトレーニングで売り出したシーン・ロドリゲスとリード・ブリニャックも低打率にあえいだ。中で、一昨年、岩村明憲の負傷によってレギュラーの座をつかんだベン・ゾブリストは、確実性が増して信頼が置ける選手になっていった。フェリペ・ロペスは6月にミルウォーキー・ブリュワーズ=MILに放出された。

控えの選手も、マイナーから上げた選手が多い。トレードでの獲得は少なかった。経済的理由だろう。
数字的には一回り小さくなったTBの打線。充実した投手陣に依存していたのは事実だが、上位から下位までムラなく本塁打が出るようになったということは言えるだろう。強大なチームに骨抜きにされそうになりながら、じっと耐えて勝ち星を重ねていったという印象だ。