斉藤和巳が、右肩痛からの復活を目指す長いリハビリ生活にピリオドを打ったのは2013年の7月のことだった。

斉藤和巳が1軍のマウンドに最後に立ったのは2007年9月23日、札幌ドームの日本ハム戦だった。そこから実に5年10か月もの間、球団は斎藤の復活を待ち続けたのだ。

2010年までの3シーズンは支配下選手登録、2011年からは登録を解いてリハビリ担当コーチ。コーチと言っても面倒を見るのは自分自身のみ。全く異例の扱いを受けた。

年俸は2008年2.5億円、2009年2億円、2010年1.2億円。球団は1球も投げていない斉藤に5.7億円もの金を支払い続けたのだ。
長期契約をしていたのならともかく、MLBでは絶対にありえない厚遇だ。

それもこれも、斉藤がリーグ屈指の大投手だったからだ。キャリアSTATS

Kazumi-Saitou


2003年から2006年までの4年間で、64勝16敗、勝率は実に8割。最多勝2回、防御率1位2回、最多奪三振1回。
成績に波はあったが、圧倒的なエースだったのは間違いがない。
一時期のダルビッシュ有にも比肩できよう。

だから球団は投げられなくなっても期待をし続けた。周囲からは批判の声も上がったと言われるが、功績に報いる意味もあって長く彼を待ったのだろう。

しかし彼の故障は肘ではなく肩だった。
トミー・ジョン手術のような「独参湯」はない。故障からの復活は極めて難しかった。

斉藤は離婚歴があったが2010年にスザンヌとの交際が報じられた。
リハビリ中、チームに迷惑をかけている最中の浮いた話は、世間の顰蹙を買ったが、ファンは「リハビリの励みになるのならそれでも良い」と思ったはずだ。

しかし2013年、斉藤は長い復帰を断念して引退。
これからは一人ではなく、奥さんと子供と3人で新しい人生を歩んでいくのだ、それはそれでよいか、と思っていたのだが。

今回の離婚報道は、赤の他人の出来事ながら、非常にがっかりした。
原因は、どうやら斉藤の方にありそうだ。
勝手に思い描いていた「人生ドラマ」の筋書きが大きく狂ったことに、残念な気持ちを抱いた。

この本は、「プロ野球選手」という特殊な人々の習性について、あからさまに書いている。



プロ野球選手は常人とは異なる金銭感覚を持っている。
人が自分をちやほやしてくれることに慣れている。人の好意に対して感謝しない。

そして女性は、勝手に寄ってくると思っている。
確かに、あの鋼鉄の様な体、精悍な風貌を目の当たりにすれば、多くの女性はなびいてしまうだろう。家庭を持っていても浮気をするのは当たり前。

お相撲さんや芸人にも通じる習性だと思うが、プロ野球選手は中学頃からちやほやされてきた。エリート意識は力士や芸人よりも強烈だ。野球さえしていればあとは何をしても許されると思っている選手もいる。

中にはそういう境遇にありながら謙虚さを忘れない聡明な選手もいる。
しかしそうでない選手もいる。清原和博の名前が浮かんでくるが、斉藤和巳も同類だったのか。

人が何をしようと勝手ではあるが、同じ身を引くのなら「悲劇のヒーロー」で終わってほしい。そこにダーティなイメージが加わるのはごめんだ、と思う。


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