ちょっと耳を疑った。阪神は、レンジャーズをクビになった藤川球児を複数年契約の厚遇で復帰させる意向のようだ。
デイリー・スポーツ
阪神が米大リーグ、レンジャーズを戦力外になった藤川球児投手(34)が日本球界復帰を希望した場合、複数年契約を視野に入れて獲得を検討していることが19日、明らかになった。現在は推移を見守っている状態だが、交渉可能な段階になるまでに条件面や金銭面などの準備を整える。長年にわたりブルペンを支えた功労者で“球団の至宝”でもある球児に対して、最大限の誠意を示す考えだ。

最近、私は山﨑武司氏にインタビューをした。山﨑氏は最晩年、中日と契約する運びとなって、経営陣に「200万でも300万でもいい」と申し出たが、球団側は「中日の至宝にそんな恥ずかしいことはできない」といって3000万円を提示したという。
功労者に報いるに、この程度の金額を提示することは理解できる。

しかしデイリーの記事が本当なら、阪神は藤川に松坂大輔クラス、あるいはそれに準ずる待遇を考えているようだ。
ここ数年、MLBに行く選手よりも帰ってくる選手が多いような状況だが、特に投手の場合、一定の法則性が見えてきたように思う。
簡単な話だ。
「直前までMLBで通用していた投手は、NPBに復帰しても通用する。そうでない投手はNPBでも活躍できない」

岡島秀樹、黒田博樹、斎藤隆などがそうだ。
反対に川上憲伸や井川慶、建山義紀、高橋尚成、直近では残念ながら松坂大輔などは、MLBで不成績になった挙句に復帰したがNPBでも冴えない。そもそもまともに投げることも難しくなっている。
例外的には五十嵐亮太がいるが、彼は怪我で実力が発揮できなかったのであり、事情が違うと言って良いかもしれない。

日本屈指のクローザー藤川球児は、MLBで十分に力を見せつけることなく故障し、トミー・ジョン手術を受けた。手術後の成績は芳しくない。後者のグループに属すると思う。

直近の投球を見ても「良いところが見いだせない」感じだった。速球は遅いだけでなく、勢いがなかった。スライダーも切れがなかった。決め球だったフォーク(スプリッター)は、投げることさえしなかった。


koshien


この投球内容を見ても、藤川には大きな期待ができないと思うのだが。

いきなり大きな契約を結ぶのは、本人にとってもつらい話だろう。自分が今、どんな投手なのかは自身が一番よくわかっているはずだから。
巨額の複数年契約を結んだ松坂大輔も、今、心穏やかではないと思う。
下手をすると「晩節を汚す」結果にもなりかねない。

元スターだから、球界の功労者だから、と言って、破格の厚遇で迎えるのは良い風潮とは思えない。他の選手から見れば不公平感があるし、経営者としての資質も疑われよう。
メディアはこういう時に「誠意」と言う言葉を使うが、水商売の女性を口説いているわけじゃあるまいし、金を積むことが「誠意」ではないはずだ。
本人にとっても、球団、選手、ファンにとっても納得のいく待遇を話し合ってまとめていくのが「誠意」ではないか。

藤川球児には当然、チャンスが与えられるべきだと思うが、NPB時代の実績だけでなく、MLBでの成績も勘案して、常識的で妥当な待遇にしてほしいと思う。


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