先日、愛媛マンダリンパイレーツの弓岡監督に話を聞いたが、弓岡さんは独立リーグからNPBに移籍するときの最大のネックの一つは「年齢」だと言った。

技量が充分でない選手が独立リーグでプレーをしながら力を蓄えて、NPBでも通用する選手になったとする。でも25歳。
「同じ力量で21歳の子がNPBに入ってきたとすれば、どっちを取るか、明らかでしょ」というのだ。

Shikoku


25歳でNPB入りをしたとして、その時点で圧倒的な力量があるのならばともかく、ポジション争いに打ち勝ってレギュラーになるのに3年かかったとすれば28歳。すでにピークだ。そこから成績を残すことができる時間は5年か、10年か。
今年徳島から楽天に入った入野貴大は、マー君やマエケンと同い年。ここから這い上がらなくてはならない。

最近は選手寿命が延びているとはいえ、残り時間を考えれば、チームはより若い選手に投資しようとするだろう。

同じことがMLBにも言える。イチローや松井秀喜がMLBに移籍したのは28〜29歳。力量的には一流だったが、松井秀喜は10年でリタイアした。イチローは15年プレーしているが、すでに主力選手ではない。
例外はあるにせよ、35歳を過ぎれば市場価格が一気に落ちるMLBにあっては、NPB上がりの日本人選手はかなりのハンデキャップがあると言わざるを得ない。
“中年”でアメリカにやってくる日本人選手は、失敗している余裕はない。ダメならばすぐに市場価格が暴落する。無価値になる。井川慶、川上憲伸、西岡剛、中島裕之、田中賢介などをみればわかるようにアメリカの野球へのアジャストにもたつくことは、即、失敗を意味する。



NPBは、今、選手のMLB挑戦に緩やかながら待ったをかけようとしている。移籍はますます困難になり、時間もかかるようになってきている。
日本ハムが糸井嘉男にした仕打ちを考えると、大谷翔平も、今後どうなるかわからない。



本当にMLBに行きたいと考え、自信も覚悟もある選手は、日本を経由せず直接MLBに身を投じることも考えるべきかもしれない。
NPBのドラフト指名を断ってMLBに行った田澤純一は、トミー・ジョン手術とそのリハビリを経験し、アメリカでのキャリアはすでに7年になるが、まだ29歳だ。

スポーツだけではなく、年齢というファクターは、本当に重要だ。

私はひょんなことでライターをたつきの道にすることになったが、編集者も仲間のライターも、出版社の担当も軒並み遥かな年下。最も年嵩の人間が、最もキャリアが浅い。このことの意味を日々考える日々だ。
若い人に、質でも量でも負けない、という気迫だけはもっているが、それにしても「財布の中に小銭しかない」ような状況で日々渡り合うのは、しんどいものだ。

私は、若い頃、お話にならないほど馬鹿だったから、こうなるのは仕方がないとは思うが、そうでない有為の若者は「持ち時間」という重要なファクターを考えて、キャリアプランを考えるべきかもしれない。


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