日々の報道から、松坂大輔の苦境が伝わってくる。
私は、高校時代からMLBまで、松坂大輔には本当に楽しませてもらったという思いがあるだけに、気持ちが重くなる。

サンケイ
右肩痛からの1軍復帰を目指すソフトバンク・松坂大輔投手(34)=前メッツ=が24日、予定していたウエスタン・リーグ広島戦(中津)での登板を回避した。
 試合前のブルペンで「状態が上がらなかった」と理由を説明。中継ぎで3回程度を投げる予定だったが「たまたま状態が悪い日だったらいいなという感じ」と話した。26日の練習で右肩の状態などを確認し今後の計画を決める。


工藤監督も送られてきた動画を見て、アドバイスをしているようだが、調子は一向に上がらない。

体調不良とか、フィジカル面の不調など、いろいろ考えられるだろうが、原因は単純なものではないように思える。

MLBに移籍してから、松坂は現地の野球に適応することに苦労していた。
ボールやマウンドの違い、短い登板間隔、イニング間のキャッチボールができないこと、相手打者のパワーの違い、様々な面で、松坂はモデルチェンジを強いられた。しかし彼にはそれが十分にできなかった。
少年時代からプロまで、最も成功した投手だけに、成功体験を捨てて違う野球に適応するのは難しかったのだろう。
それでも2年間は持ち前の素質で、なんとか数字を残しはしたが、適応不全は次第に松坂自身の体にダメージを与え、ついにはトミー・ジョン手術を余儀なくされる。
手術明けのリハビリでも、松坂は良い患者ではなかったようだ。復帰はしたがフォームは乱れ、往時の勇姿を見ることはなかった。

そして今年、8年ぶりにNPB復帰。福岡ソフトバンク・ホークスは、3年12億円という高額で松坂を迎え入れた。
しかし松坂はオープン戦ではパッとしない投球を続けた。そして開幕前に登板不能となって現在に至っている。右肩痛ということになっているが、はっきりした原因は不明だ。

彼の脳裏には全盛期のマウンドがはっきり映っているだろうが、身体はもうそれを忘れてしまった、というところではないか。
復帰にはそれなりに長い時間と周到な準備が必要なのではないかと思う。

しかしながら、チームは、ファンはそれを待ってくれない。
何と言っても、松坂は「松坂世代」のフラッグシップなのだ。彼にやってもらわなくては困る。だから年俸もNPB屈指の高額、しかも複数年契約だ。

破格の好条件は、尾羽打ち枯らして帰国した当時の松坂には慈雨のように感じられたかもしれないが、今となっては背中にのしかかる重いプレッシャーになっているに違いない。
これが年俸2、3千万円なら、ここまで重たくならなかったかもしれない。チームやファンの期待も軽い分、彼も気楽にリハビリに打ち込めたかもしれない。

彼のメンタルは、プレッシャーに押しつぶされそうになっているのかもしれない。「何となく状態が悪い」「力が入らない」というのは、彼のSOSのサインなのかもしれない。



SoftBankグループは、日本屈指の業績を誇る優良企業だ。10億程度の金を野球選手に支払うのは、痛くもかゆくもないことなのだろう。
しかし一般的に優良企業は、シビアなコスト意識をもっているはずだ。自分たちがこれから行う投資が適正なのか、十分な利潤を産むのかについて、厳しい査定を行うのが普通だ。

野球だけは例外とばかりに、ろくに調査もせず非常識な金の使い方をするのは、異様なことだと思う。
それはソフトバンク・ホークスという企業に損失を与えるだけでなく、過剰投資された本人やファンにも、無用の苦しみを与えることになると思う。



koryusen0527


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