今季のマット・マートンは、打率.243 、0本塁打。交流戦を迎えてリーグ打率が上昇傾向にある中で、一人音無しの構えである。
今のNPBで最も安打を打つのが巧みな打者の一人である。
先日、私はベースボールチャンネルで、青木宣親の月間打率を追いかけたが、NPB時代、あれほどの安打製造機であっても2か月や3か月、打率が低迷することもあったのだ。

マートンだって、2か月やそこら打てない時もあるわいな、と思うのだが、阪神のフロントはそうではないらしい。
一時期、マートンに変わる外国人選手を探そうとした。

その候補だったペゲーロは、マリナーズ時代、大器と言われたドミニカンだ。しかしMLB投手のレベルについていけず、レッドソックスをDFA(戦力外)になった。今NPBにいる打者では
ウィリー・モー・ペーニャや、ウラディミール・バレンティンに近い。素質を活かしきれなかった素材だ。
活躍の可能性はなくはないだろうが、すでに赫々たる実績を残しているマートンを差し置いて打線に置くべき選手とも思えない。

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すでに阪神は、これも不振のエース、メッセンジャーが不振のため二軍に落とし、サンティアゴという投手を獲得した。サンティアゴはいきなり活躍した。危機感を抱いたメッセンジャーが、急速に奮起して好投するなど、この人事は功を奏したかのように見える。
しかし、メッセは心の中で、不信感を抱いたことだろう。
5年に渡って貢献してきたのに、ちょっと不成績だと、たちまち居場所がなくなるのか。
同じMLB上がりでも、西岡剛は、怪我の連続だが立場は危うくなっていないのに。

彼の成績を見てほしい。こんな選手は滅多にいない。

Murton


阪神のフロントは、外国人選手が不振になると「手を抜いている」と思うようだ。だからライバルを充てがって、尻に火をつけようとする。
彼らを全く信用していないのだ。
「代わりの選手などいくらでもいる」と言わんばかりに選手を取っ替え引っ替えするのは、チーム内にもいい影響は与えないだろう。実際には、マートンやメッセンジャーに代わり得る選手など、めったにいないのだ。
選手の中には「チームは選手をじっくり育てる気がないようだ」と思う人も出てくるのではないか。

個々の選手が不振に陥ったら、現場はその原因を辛抱強く解明し、選手とともに解決策を探すべきだ。そしてフロントは、功績ある選手には「信頼している」というメッセージを送るべきだ。
シーズン最中に、新外国人を獲得するケースはよく見られる。ヤクルトはBCリーグからデニングを獲得した。、彼はそこそこ活躍した。しかしヤクルトのケースは、主砲のバレンティンが今季絶望となり、ミレッジも使えなくなったからだ。
マートンは、故障もしていないし、極端な不振でもない。
たとえ今季が不振のまま終わったとしても、まだ33才であり、復活する可能性は大いにある。

ペゲーロの獲得は見送られたようだ。チームが酷薄な印象を持たれなくて済んで、まずは良かった。

しかしマートン放出の機運が高まったのも事実だろう。
阪神は、トーマス・オマリーのように放出した選手が活躍した苦い経験もしている。それを忘れてはならない。
多大な功績を残した選手は、それなりに遇するのが日本のプロ野球の良さだと思うがどうか。

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