今日は新人選択会議。日本シリーズの前にやるのは理解に苦しむが、この時期に定着しつつある。今年もイキッた声のアナウンスを聞くことになろう。
「ヨミウリ!」パンチョ伊東さんのキンキン声が懐かしい。

いつも思うのだが、ドラフトで指名される選手は、どんな実力の持ち主なのか、どんなキャリアなのか、ほとんどわからない。
選手のデータは身長、体重、投打、守備位置、学校、甲子園出場の有無程度だ。
オコエ瑠偉とか、高橋純平とか、有名選手であれば、それなりに察することはできるが、下位指名の選手はほとんどわからないことが多い。

アマチュア野球はSTATSをほとんど公表しない。
東京六大学、東都六大学、関西学生野球などは公式サイトに記録を紹介しているが、最近のものだけだ。過去のデータは未整備だ。サイトも素人臭くて見づらいものが多い。重要視していないのがありありだ。

まだ大学野球は良いが、高校野球は甲子園だけである。甲子園の予選でさえデータがほとんどない。ましてやそれ以外の大会などは皆無だ。
「高校通算00本塁打」という記事が出るが、それがどのレベルの試合なのか、何試合で記録したのかは一切出てこない。

社会人はさらにプアだ。企業の公式サイトに記録が載っていれば御の字。社会人野球の総本山である公益財団法人日本野球連盟のサイトは、試合記録はあるが、個人記録は全く載っていない。

独立リーグはデータスタジアムが入るなど、成績を表示しているが十分とは言えない。探しにくいし、四国は過去のデータを公表していない。

野球選手はチームの「売り物」であるはずだ。「売り物」という言い方が悪ければ「主役」と言ってもよい。選手紹介の際に、その選手のデータをつけなければ彼らがどんな選手なのか何もわからない。それをしない公式サイトに何の意味があるのかと思う。

MLBでは6月にアマチュアドラフトが行われる。
高校も大学も(アメリカには社会人はない)、自分たちの選手をアピールするために多くのデータを公表している。
記録専門サイトの一つであるbaseballcubeは、NCAAなど大学野球のSTATSも公表している。事前にそれをチェックすることができる。
ドラフトが終わると、高校生も含め、選手のアマチュア時代の成績が公表される。
MLBのアマチュアドラフトは各球団50人、計1500人もが指名されるが、上位指名される選手の大学時代の成績は確かに群を抜いている。

スティーブン・ストラスバーグの大学時代からのデータ
Strasuburg


データで見ることで、ドラフトはより興味深いものになる。世間の注目も集まるのだ。

「野球はチームスポーツだ。個人よりチームが大事だ。個別の選手の成績にこだわるのはプロ野球であって、神聖なアマチュアは関係ない」
みたいな古い考えがまだ残っているのかもしれない。
教育の一環でやっている学生野球で、選手の成績を公表するのはふさわしくないと思っているのかもしれない。
そんなことを本気で思っている人はごく一握りだろう。アマチュア野球だってビジネスであり、選手は将来の夢のためにプレーしている。彼らのためにも、そしてファンのためにもどんな選手がいて、どういう特徴があるのかをしっかり示す義務がある。

最近は、アマチュア野球の専門サイトがあり、データを掲載しているが、これも不十分だ。参考資料にはなるが、ウォッチャーの主観によるものも多い。客観性がないと思う。データの載せ方には不満がある。まずはデータをしっかり集めてほしい。

アマチュア野球は選手の個人記録を、統一したフォーマットできっちりと公表すべきだ(いまだに四死球を一緒くたにしているのは訳が分からない)。そして時間をかけて過去の数字も精査し、公表すべきだ。

そしてメディアも、今後は指名された選手のアマチュア時代の成績を掲載する必要があると思う。

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1970年成田文男、全登板成績【3年連続20勝到達、リーグ優勝&最多勝】