日刊スポーツ
ジャイアンツが青木宣親外野手(33)の来季契約選択権(年俸550万ドル=約6億6000万円)を破棄したと4日(日本時間5日)に複数の米メディアが伝えた。青木は違約金70万ドル(約8400万円)を受け取り、フリー・エージェント(FA)となる。
一時期は、オプションを選択するという報道もあったが、結局、青木を放出した。たしかにリードオフマンとして素晴らしい成績を残してはいたが、大きなリスクを踏んでまで引き留める選手ではないと判断したのだろう。
日本のメディアは、サンフランシスコのファンがかんかんに怒っていると報じているが、そんなことはないだろう。多くのファンは妥当な判断だと評価していることだろう。」
エバンスGMが、「(青木との)対話を閉ざしたわけではない」と言っている通り、いったん契約を破棄したうえで、より低い年俸で契約しなおす可能性もある。ようするにリスクと天秤にかけて「時価」が下がったのだ。青木は「訳アリ商品」になってしまったわけだ。
今季の青木は3割、200本を目指す勢いで打っていた。打率.312だった6月20日、ドジャーズ戦で1回にフリアスにぶつけられる。右足首の骨折で1か月を棒に振り、7月27日に復帰するが、8月9日のカブス戦でアリエッタから頭部に死球を食らう。
この後も試合に出続けたが、成績は急落。本人も不調を訴え、9月3日を最後にDL入りした。
頭部への死球を受けてからは51打数10安打の.196に終わった。
脳震盪の影響は、深刻である。めまい、ふらつき、頭痛などの障害に悩まされることもある。
MLBではジャスティン・モルノーが2005年4月6日に受けた死球による脳震盪で、成績が急落。一時期は復活したが、2010年7月に再発し、以後も後遺症に苦しんでいる。
青木の場合、頸椎の損傷も懸念されているようだ。

大相撲には「三しない力士は出世する」という言葉がある。
「怪我しない」「病気しない」「気にしない」力士は出世するということだ。
病気は自己管理である程度防ぐことはできるだろうが、アスリートにとって怪我は不可避だ。この言葉は体が頑健で、精神が強く、そして運が良い選手は出世するということだろう。
怪我で前途を断たれた選手は多い。
最近では、赤星憲広が記憶に新しい。彼は外野守備で無理なダイビングキャッチを繰り返し、脊柱に致命的なダメージを負った。
ミズマ―こと水谷実雄は、1984年、ロッテ土屋正勝から受けた頭部への死球で翌年引退。阪急に移籍後、強烈な存在感を示していただけに、残念だった。
古い話で言えば、阪神の三塁手三宅 秀史は、1962年9月に僚友小山正明のキャッチボールの球がそれて左目に当り、失明に近い負傷をし、以後、成績が急落した。
もちろん、MLBには1920年8月、死球で死んだレイ・チャップマンという最悪の事例がある。この悲劇が打者のヘルメットの着用につながったとされる。
運が悪い選手は、大選手にはなれない。これは真理だろう。大選手は同じようにプレーしても、故障しない。
いわく言い難いことではあるが、青木宣親の「残りの運」が、たくさんあることを願わずにおれない。
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コメント
コメント一覧
昨年そのままKCRに残っていれば・・・。
青木タイプのリードオフを必要とする球団を探すのか、例年のように第4外野手から這い上がっていくかのか。NHKBSで今年は技術、体力、メンタルがそろってきた、とのコメントがあったので期待したいところです。
側頭部に当たったボールが、
跳ね返らずにその場にポトリと落ちたのを見て
ぞっとした記憶があります。
運不運があるにせよ、ベースを覆いかぶさるような現在のバッティングフォームでは、同じような悲劇が繰り返される恐れはありますね。
頭部への死球を受けてしまうと、その後、頭では分かっていても、瞬間的に体が踏み込めなくなるという話がありますが、それこそ、怪我の功名で新しい打撃スタイルでも身に着けてくれれば良いのですが...
ちなみに、頭部への死球というと、個人的には阪急の蓑田が受けた場面が忘れられないですね。
彼も、その後、苦労しました。
ヤクルト時代には一度も優勝出来ず。
メジャー移籍の際には直前に西岡が爆死したせいで同タイプと見なされた青木は悲惨な契約を結ばされ、入団後にテストまで受けさせられる始末。実績も実力も西岡より遥かに上なのは明白なのに、年俸は西岡の三分の一とかだったはず。
その後自身の活躍で日本人打者の評価を押し上げ、翌年の中島は青木のお陰で高額契約を結べた。が惨敗。爆死に挟まれると、ホント損な役回りw
ロイヤルズでは最後の最後で世界一になれず。しかし青木が移籍した翌年見事世界一に。いやーマジで持ってなさすぎで可哀想w
実力はあるのに持ってなさすぎる男、青木に幸あれ。
8月9日の後、チームドクターは何をしていたのでしょう?
結構います。ボストンのジョン・レスターとか。
しかしチームはそう思っていなかったということでしょう。脳震盪の後遺症は近年アメリカでもホットな話題で、青木にとってはタイミングも悪かった。これでまた、青木は自分の力を証明しなくてはならない立場になりました。なんともツキがないものです。
とはいえ、長打のないリードオフマンというのはチーム編成上メインのピースにはなり得ず、どうしてもこういう扱いを受けがちなのは仕方のない面もあります。
アメリカでも日本と同様に投高打低が進んでおり、長打の価値はより一層高まっている。長打のある選手とない選手では、その評価に顕著な差が出ています。まあそれだけ様々な指標から、勝利と長打との相関が高いという結論が出ているんですよね。
これが「運も実力のうち」ではなく、「運も実績のうち」なら分かるんですけどね。運によって得られた結果も立派な実績ですから。
また、「運も実力のうち」という言葉は、言い換えれば、「運がなく実績を残せなかった人間は実力がなかった」ということであって、それは結果だけを評価して、過程を評価していないということです。努力を評価していないと言ってもいいかも知れません。
これって、NPBとMLBの練習量の違いの話にも通じると思います。努力や過程が評価されない世界では、練習したいというモチベーションを保つことも難しくなるのではないでしょうか。
いい言葉ですね「運も実績のうち」。どこかで使わせてもらいたいですw
これなら確かに平等です。青木の怪我は完全に貰い事故で、これを本人の責任に帰すのはさすがに無理がある。
幸いなのは、メディアで見た青木本人はいささかも前進する意欲を失っていなかったことです。オファーがあればどんな契約であっても食らいつき、出場して勝負することしか考えていないはずです。
周囲は「不運」「可哀想」と思っても、本人は自己憐愍に費やすような時間はないのでしょう。そのポジティブさと情熱が、彼を一流選手にした一因だと思います。
「運も実力のうち」は「持っている」と言ってもいいかもしれません。実績を残す選手は、なぜか怪我には縁遠く、いいところで出番が回ってきます。これはNPBもMLBも同じです。
「運」と「実力」別々の者なのに、なぜか絡み合う。それがスポーツの妙だと思います。
「運も実績のうち」は、当たり前のことであり、面白くもなんともないと思います。