一昨日、藤川球児が阪神への復帰、入団関係を行った。席上、藤川は感極まって涙を流した。
ブログには

人の心で泣いて、勝負師として鬼になる
と書いてあった。
アスリートが、自分の来し方行く末をドラマチックに表現するようになったのは、いつごろからのことなのか。
大昔の川上哲治も、長嶋茂雄も、王貞治もこういう感情表現はしなかった。
「月見草」の野村克也あたりが嚆矢だろうか。

私はこういうのが苦手である。自分自身をドラマの主人公のように演出して、メディアが喜びそうな言葉を吐く。パフォーマンスをする。劇画の主人公が抜け出てきたようだ。そういうのが好きな人がたくさんいるのだろうが、自意識過剰だと思う。

確かに今年の藤川は、多くの人々の心を揺さぶった。
MLBを戦力外になって去就が注目されたが、6月、四国アイランドリーグplusの高知ファイティングドッグスに入団を表明。
後期シーズンをこのチームでプレーし、完投を2度記録するなど、新しい藤川球児を郷里の人々にたっぷり見せつけた。
そして球界には「球児健在」を知らしめた。
十分すぎる活躍ではあった。高知の人々は、藤川が高知にいることを心の底から喜んだ。

私は藤川の記者会見に2度立ち合い、そのプレーをつぶさに見た。また高知の監督や選手にも話を聞いた。

IMG_9706


率直に言って、藤川の高知入団に全く問題がなかったわけではない。
藤川はチームに完全に溶け込んだわけではない。練習や試合のある時だけやってきて、チームに加わった。あとはチームとは別にトレーナーなどと練習をしていた。藤川の動きがわからないという声も聞いた。
しかしそれは、セレブになった藤川と、独立リーグのステイタスの差を考えれば仕方がないことでもあった。
藤川が「降りてきた」ことの意義はおおきかったし、彼の勇気はたたえられてしかるべきだ。

そういう曲折を経ての入団である。感無量なのはわかっている。
しかし、そこで表情を押し隠し、何事もなかったかのように入団会見した方が、格好がいい。
「沈黙は金」というが、藤川の会見は「銀」だったと思う。

同じようなことを言いたい、演じたい選手はたくさんいる。
西岡剛など、その最たるものだ。
彼は今年、故障もあって活躍できなかった。
彼は球団との年俸交渉で、1.8億円という年俸の大幅カットを自ら申し出て、
「最低年俸(1軍の場合、1500万円)でも構わない」
と言った。
これも自己演出のうちだろう。
実績のある選手だが、来季は内野なのか外野なのかも決まっていない。レギュラーも保障されていない。
そんな中で、首脳陣、世間に対するアピールのつもりでそういったのだろうが、あんまり格好が良くない。

nishioka-t


いくら西岡がそういっても、球団が「じゃ、そういうことで」となるはずがない(そうなったら面白いが)。
「でも構わない」の「でも」に、「まさかそんなことはしないだろうけど」というニュアンスが込められている。
西岡のパフォーマンスは「言ってみただけ」なのだ。

藤川はそれこそ、年俸0で半年間、四国の草深い球場でプレーをしたのだ。成績が上がらなければ、怪我でもすれば、そこで野球生命が立たれる恐れさえあったのに、敢然と挑んだのだ。
西岡が本当にその気があれば「最低年俸にしてくれ」あるいは「年俸から最低年俸分を差し引いた額は慈善団体に寄付する」と決然というべきだった。

西岡の格好の悪さは自分の利得は担保したうえで、「ええかっこ言うてみる」ところにある。

こういうことをしなくてもいいのだ。
球団の査定通りの年俸を黙って受け入れ、黙々とプレーをして結果を出せばいいのだ。

こういう自意識過剰な選手、けっこう目立つが、あなた好きですか?


私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください!


2015年有原航平、全登板成績【新人で8勝、先発陣の一角に】

発売しました!