オリックス・バファローズは二軍の活動拠点を神戸グリーンスタジアム(ほっと・もっとフィールド)に隣接する場所から、大阪市此花区の舞洲球場周辺に移転する計画を明らかにした。

12月7日、大阪市が所有する舞洲スタジアムと周辺地区の運営を委託する事業者を決める一般競争入札で、京セラドーム大阪を運営するオリックスの関連会社「大阪シティドーム」が落札した。
そして同社が総工費約30億円をかけてサブ球場、室内練習場、選手寮などを新設することとなったのだ。
この周辺は、オリックスタウンになるのだ。
その再開発の一環として、二軍の拠点を移したのだ。2017年には舞洲球場の隣に2軍の寮や室内練習場なども完成するという。

舞洲では毎年二軍の公式戦が行われていたから、球団としては勝手がわかっている。
イチローが育った「青濤館」がなくなることを惜しむ声があるが、そういう感傷はともかく、舞洲は大阪でも陸の孤島と言ってよい場所だ。
選手はバスやマイカーで移動するからいいかもしれないが、ファンはここまでたどり着くのは本当に大変だ。

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以前にもふれたが、舞洲は大阪市の失政が招いた負の遺産だ。
舞洲は、2008年の夏季オリンピックの開催を目指して整備した人工島だ。ここにスポーツ施設を集約させ、世界初の海上オリンピックを開催する予定だった。

しかし大阪オリンピックは箸にも棒にもかからない形で惨敗し、舞洲の開発は中途半端な形で放置された。
このため、舞洲には鉄道がとおっていない。バスの便しかない。
大阪市・八尾市・松原市が共同で建てた、お菓子の城のようなごみ処理工場がランドマークになっている。
高速道路からこれを見て「あ、USJだ!」という地方出身者が毎日数十人はいるものと思われる。

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大阪キタのターミナル、梅田から舞洲までは、JR大阪駅から環状線で西九条に行き、ここで大阪市営バス81系統に乗り換え、約30分、渋滞時はそれ以上かかる。
トータルで約1時間は覚悟しなければならない。

梅田から神戸グリーンスタジアムへは、JR大阪駅から三宮まで行って、ここから神戸市営地下鉄に乗り換える。こちらも約1時間。

梅田から舞洲までは11.1km、梅田から神戸グリーンスタジアムまでは44.4km。四倍も違うが、所要時間はほとんど変わらないのだ。

車で行けばはるかに近いが、大阪や東京の都市生活者は車を使わない人も多い。

二軍は所詮、興行とは無縁だが、日本ハムの鎌ヶ谷のように1000人ものお客を動員する二軍の本拠地もある。
オリックス二軍も昨年は土日に1000人以上動員するケースもあったが、それは神戸のサブや舞洲ではなく、アクセスのよい豊中ローズなどの球場だった。
せっかく大阪に移転しても、舞洲では観客動員は望み薄だ。

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メディアは、オリックスが、神戸から拠点を大阪に移したと書いている。
球団は、神戸グリーンスタジアムでの一軍公式戦は、移転後も年間15試合は確保するというが、それもいつまで続くかわからない。

神戸グリーンスタジアムは、NPBが公式戦をする球場としては一番美しいのではないかと思う。息が詰まるような京セラよりも、はるかに気持ちがいい。

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二軍が移転するのは仕方がないが、この球場での試合が今後減らないことを望みたい。


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