中日に移籍したのか、と一瞬勘違いしたが、それはさておき、前田健太のドジャース入団会見は、ある意味でショックだった。

前田健太は、メディカルチェックで引っかかっていたのだ。おそらくは右ひじ。
MLBの公式サイトが「数年後にはトミー・ジョン手術を受けることになるだろう」と報じていることを考えると、右ひじじん帯が部分断裂しているか、そこまでいかないにしても損傷が認められたのだろう。

岩隈久志との契約を、メディカルチェックの結果を理由に見送ったドジャースである。MLBでの実績が皆無のマエケンとの契約は、通常ならありえなかったのではないか。

しかし、マエケンはもう広島には帰れない。
広島は黒田博樹の年俸を大幅に引き上げるなど、事実上、前田のポスティングフィーをあてにした補強を始めている。

マエケンは代理人を通じて、条件面がどうであれ入団したい旨、申し入れたのだろう。
8年2500万ドルという異例の低い金額。そしてトレード拒否条項や、マエケン側からのオプトアウトがつかないなど、極端に選手側に不利な契約内容は、こうした経緯がなければ考えられない。
もちろん、マエケンが活躍すれば、最大1億ドルの出来高はついてくるが、ドジャースは最悪、マエケンが1球も投げなくても、カーショウ一人分以下の年俸を支払えばいいことになる。

それでも前田健太は契約するしか道がなかった。
「自分を評価してくれた」
という感謝の言葉に、そうした思いがにじみ出ている。

前田健太は、DL明けの田中将大と同じような扱いになるのではないか。
登板間隔も広めにとって、5回、あるいは80球程度をめどに投げることになるのではないか。
あるいは、スプリングキャンプの結果次第では、中継ぎに回る可能性もあろう。
ドジャースは左ばっかりとはいえ、先発投手には事欠かない。リスクを踏む必要性は低いだろう。

IMG_0490


仮に前田健太がこのままNPBで投げ続けたとしても、故障をしてトミー・ジョン手術を受ける可能性はそれほど大きくないと思われる。
中6日というゆったりしたローテーションで投げて、十分にメンテナンスができるのなら、前田は200勝近くまで行く可能性が高いと思う。

しかし、中4~5日で先発が回ってくるMLBのローテ、しかも移動はけた違いに多いし、ボールもマウンドも変わり、打者のパワーが格段に強い環境では、前田の故障のリスクは高まるだろう。

MLBはここ3年ほどで、日本人投手への見方がまた変化したようだ。
NPBのエース級の投手は技術も高く優秀だが、ほぼ例外なく全員が、ひじを損傷している。トミー・ジョン手術のリスクがある。

MLB側は、この潜在的なリスクが、NPBではなくその前の高校野球のレベルで刻まれたものだと思っているようにも思う。
究極のところ、日米の「野球観」の違いにいきつく問題だ。

マエケンは下手をすれば、井川慶と同じ境遇になりかねない。
井川は1年目の半ばにはヤンキースから見切られて、以後はほとんど顧みられなくなった。不良資産化したまま、AAAの最多勝記録を作るなど時間を空費した。野球選手として最も脂がのった時期を、全くの無為に過ごしてしまった。
日本であれば、そうした状況にかんがみて、何らかの救済措置が取られた可能性もあったと思うが、契約社会のアメリカではそうした配慮は望み薄だろう。
マエケンは早い時期に結果を出さなければ、野球生命を「飼い殺し」のまま終わらせてしまう恐れさえある。

例によって日本のメディアはおめでたい報道に終始しているが、マエケンはおそらく大きなプレッシャーを感じているはずだ。
春のキャンプに注目したい。


私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください!

東田正義、全本塁打一覧|本塁打大全
東田正義、チーム別&投手別&球場別本塁打数|本塁打大全


発売しました!