サッカー界がバラ色のように言うが、野球に比べればはるかに見劣りがするし、問題も多いというご指摘が散見される。このカテゴリーでは野球の「未来像」の話をしているのであり、サッカーの現状は議論の対象ではない。とはいえ、Jが今抱えている問題についても、一通り述べておこう。



2014年、Jリーグ創設20周年の節目に出版された「Jリーグ再建計画」(日経プレミアシリーズ新書)には、Jリーグの問題点として、以下が挙げられている。

・Jリーグへの世間の関心度が下がっている
・テレビ放送減少と放映権料頭打ち
・電通、博報堂が頑張ってもスポンサーがつかない
・入場者数の微減が意味するもの
・勝てば優勝という試合でも満員にならない
・毎年発生する赤字クラブ
・ヨーロッパに集中するサッカーマネー
・アジアチャンピオンズリーグで勝てなくなった


このタイミングでチェアマンは大東和美から村井満に交代している。
こうしてみると、勢いよく打ち上げられたロケットが20年の歳月を経て失速しつつあることがよくわかる。

この20年間、サッカーはJリーグの創設を契機として急成長してきた。今や国際大会の視聴率はスポーツコンテンツでもトップクラスになった。
しかし、国内のプロリーグの観客動員は伸び悩んでいる。チーム数が3倍増したことが市場の細分化につながり、伸び悩みの一員になったのは間違いがない。さらに、エクスパンションによって試合の質も低下した可能性がある。
ネットの進化やテレビのマルチ・チャンネル化などにより、国際大会や海外サッカーの情報が簡単に手に入るため、サッカーファンが国内サッカーに注目しないという事実もある。

「世代」に着目するなら「野球よりもサッカー」という世代は確実に育っているが、まだ中高年層では「野球よりもサッカー」であり、野球を上回るには至っていないとみることもできよう。

ただ、私が重視したいのは、「Jリーグ再建計画」という本が、大東和美、村井満という新旧のチェアマンの手で刊行されたことだ。
Jリーグのトップが自ら問題点を突き詰め、それを世間に公表しているのだ。

経営者に求められる資質には「見たくない現実を受け入れ、それと正対すること」があるとされている。
2人のチェアマンはまさに自らの組織の問題点を的確に把握し、それに向き合っているのだ。

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それに引き換え、という話ではあるが、NPBは、現状の問題点、そして今後起こりうる課題に対して向き合っているとはいいがたい。
サッカーの課題と共通するのは以下の一点だけだが、

・テレビ放送減少と放映権料頭打ち

他に課題はたくさんある。

・一向に改善されない球団の収益構造
・選手年金の破たん、セカンドキャリアの不安
・ファンの高齢化、若年層の野球離れ
・野球とばくなどの裏社会との関係
・MLBとの経済格差の拡大
・国際化の遅れ


サッカーとは異なった課題がたくさんある。しかし、NPBがこうしたにことに本腰を入れて取り組んだ形跡はない。対症療法的な対応をしているのみだ。
そしてNPB自体が改革の方向性を高く世間に宣言することもなかった。

さらに、NPBは野球界全体とは別個に存在している。Jリーグの改革は、そのままサッカー界全体に波及するが、NPBの取り組みはアマチュア野球とは別個であり、野球界全体の取り組みではない。

うまくいくかどうかはわからないが、サッカー界は問題を直視し、それに取り組もうとしている。
これに対し野球界は、一人称で語るべき「主体」さえも不明確で、将来展望さえ持ち合わせていない。

このあたりの組織や、体質的な差は、絶望的なもののように感じられる。

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