中体連の資料から、中学校の運動部の主要球技の男子部員数の推移を見て行こう。
2001年から15年間の推移。比率は全運動部員数に対するもの。最下段の太字の比率は、2001年と2015年の比較。参考までに相撲部も加えた。

CHUTAIREN


2001年、つまりイチローがMLBにわたった時点で、中学の野球部員数は32.2万人。
中学の運動系クラブの男子部員数の2割を占めていた。サッカー、バスケは14%、ソフトテニスは12%弱。

野球部員数は2009年までは30万人をキープしていたが、2010年に20万人台になって、2011年以降は毎年2万人減っている。
高知新聞の連載コラムが報じた、高地県内の少年野球の部員数が激減したのと同じ年から中学の野球部員数も減っているのだ。
2001年と2015年では野球部員数は37%減少した。

この間、男子中学生数は13.1%、男子中学運動部員数は15.6%減少。これは少子化によるものだが、野球部員は少子化をはるかに上回るスピードで減少していることがわかる。
ここ5年間の激減は、何か深刻な原因があると思わざるを得ない。

サッカー部員数は、2001年の22.2万人から2015年の23.8万人に7%増えた。少子化の中で部員数を増やしているのだ。
その結果、野球部を抜いて最多の部員数になった。
バスケットボール、卓球は横ばい。男子バレーは、野球同様減少。男子バレー部員の減少は、高校バレーの指導者も口々に言っていた。このため男子バレーの指導者が女子バレーに転向する例が相次いでいる。
関西のある指導者は「小学校時代のダルビッシュ有をバレー部に誘ったが、鼻もひっかけてくれなかった」と語った。「野球とサッカーに取られた」と思っている指導者が多い。

相撲部員数は1000人台だが、2008年に激減している。この年に「週刊現代」が大相撲会の野球とばく事件を報じたが、それが関連性があるのかどうか。

中学野球部に入る子供は、いわゆるトップアスリートではなく、愛好者レベルだ。彼らが減少しているということは、競技者人口よりも、野球ファンの減少につながっている可能性が高い。

そしてサッカーだけがはっきり部員数が増えていることもわかる。

このデータを見れば「野球があぶない!」というタイトルのリアリティを感じていただけるのではないか。


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