昨日、私は中学の軟式野球部員を「野球競技人口」ではなく、「野球愛好者」だとした。言葉足らずだったので説明を加えたい。
2015年時点での中学校の野球競技人口はざっと24.4万人。
中学軟式野球部員は昨日紹介した通り、20.2万人。
硬式野球倶楽部員数は、日本リトルシニアは561チーム22000人、ボーイズは741チーム。部員数は発表していないが、1チーム40人とすれば30000人。しかし、小学生も入っているので、15000人程度かと思う。
彼らの中から1度でも甲子園に出場する選手は、ざっと1000人。プロ入りする選手は300人程度とみられる。ともにその半数が軟式出身だとすると、こういう比率になる。

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甲子園出場選手、プロ入りする選手はともにごく少数だが、特に中学軟式野球出身者は、硬式野球出身者の5分の1以下である。
私が「競技人口」ではなく、「野球愛好者」と言ったのは、中学軟式野球出身者の99%以上が、本格的な野球とは無縁だからだ。
中学野球人口の減少は、競技人口というよりその周辺人口の減少だと考えるべきだと思う。

リトルシニアの会員数は実数はわからないが「年々増えている」とされる。ボーイズも減少しているとは書かれていない。
以前にも紹介したが、コアな競技人口は減少していない可能性がある。このこと自体疑問の余地があるが。
その周辺の愛好者人口が激減している可能性が高い。

高野連は2014年、高校野球部員が過去最高に達したと発表した。少子化の中で、野球は安泰だと言わんばかりだが、高野連の数字と中体連の数字を重ねると、異様なデータになる。
ご指摘を受けて、以下のデータを改めた。
世代男子と中学ファン氏軟式野球部員は2001年からの数字。高校野球部員は2004年からの数字。

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昨日も紹介した数字だが、2001年から2015年の間に、この世代の男子は17%減っている。
そしてこれも紹介したが、B中学軟式野球部員は37%減っている。
しかしC高校野球の球児は2004年から2015年の間に5%増えているのだ。
中学野球部から高校の硬式野球部に入る生徒(C/B)は、2001年には50.0%だったが、2015年には64.6%に増加している。世代男子に対する比率も6.8%から9.2%に増えている。

この中には中学硬式野球部出身者の数字は入っていない。硬式野球部員が激増したために、部員数が増えたという説明もできる。しかし、リトルリーグ、ボーイズは減っていないにしても激増したという話は聞かない。

であれば、中学時代は野球をしなかった子供が、高校になって硬式野球を始めたのか。野球経験のない子供がいきなり硬式野球をするとは考えにくいのだが。

同じ高校でもD軟式野球部員は12年間に11.8%減少している。硬式野球部員だけが増加しているのは不自然だと思う。

高野連の数字にはからくりがあるともいう。硬式野球部員には、女子マネージャーも含まれているという。また試合の時だけ駆り出される「パートタイマー」も含まれているという。

そういう水増しもあって、この数字になっているようだ。

先日、高野連は、甲子園のバックネット裏の特等席を「ドリームシート」として少年野球チームの招待に充てる発表したが、その理由として「中学野球部の部員数の激減」への危機意識があるとした。
この数字が実質的なものなら、そんな懸念は必要ないはずだ。

実際には、高校野球人口もかなり減少しているのではないだろうか。



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