「巨人の星」全19巻のうち、13巻まで大リーグボール1号が生きていた。結構引っ張るのだ。
巨人の星 黎明編、青雲編、熱球編|談論 野球漫画
「巨人の星」甲子園からプロ入りまで |談論 野球漫画
「巨人の星」大リーグボール1号完成まで|談論 野球漫画
「巨人の星」大リーグボール1号の完成と挫折|談論 野球漫画
13巻 不死鳥編
星一徹は、カーディナルスから獲得したオズマをキャンプで徹底的に鍛え上げる。「大リーグボール打倒ギブス」で体を縛られたオズマははじめのうちは反発するが、すぐに一徹に従順になる。
奈美を失った失意に落ち込む星飛雄馬は二軍暮らし。しかし多摩川グランドで花形満に殴られた星は、明け方、東に日が昇り、西に月が沈む壮大な光景を目にして闘争心をよみがえらせる。二軍のアトムズ戦で村越を相手に大リーグボール1号を再び投げて、星は復活する。
星一徹はオズマを鍛え上げ「見えないスイング」を完成させる。開幕からオズマはすさまじい打棒を爆発させる。
飛雄馬は大リーグボールで快進撃を続けるが、阪神戦で花形が大リーグボール1号の特色である「予測する魔球」を逆手にとってストライクゾーンにバットを構える。花形の当たりはゴロになったが、これは大リーグボール1号の破滅を予言していた。
果たして、中日戦でオズマは「見えないスイング」で大リーグボール1号を粉砕する。
「東に日、西に月」のシーンは、日本の漫画シーンに残る記念碑的な画だと思う。アニメのこのシーンもすごかったが、漫画はシュールでさえある。

14巻 新魔球編
オズマに本塁打を打たれてマウンドに崩れ落ちる飛雄馬。捕手の森昌彦は「なぜ大リーグボール1号ではなく、ど真ん中に速球を投げた」と責める。
しかし飛雄馬は大リーグボール1号を投げたのだ。「予測する魔球」大リーグボール1号は、オズマのストライクゾーンに構えたバットに命中する。オズマはそこからすさまじいスピードでスイングしてボールをスタンドに放り込んだのだ。
星はオールスターに選ばれていたが出場を辞退し、マンションに逼塞する。姉明子は残酷な父の仕打ちを嘆く。そんなときに明子と花形満は偶然に出会う。
飛雄馬はマンションの屋上で少女がつく毬の動きでインスピレーションを得る。
飛雄馬は伴をともなって多摩川で大リーグボール2号の開発を始める。
川上監督は大リーグボール1号はオズマ、花形以外の打者には通用することから飛雄馬に一軍で投げよというが、飛雄馬は2号開発にこだわる。川上は二軍行きを命じる。
星飛雄馬は大リーグボール2号「消える魔球」を完成させる。
姉の明子は花形から好意を寄せられる。弟との板挟みになった明子は家を出る。
姉明子の口から大リーグボール2号の話を聞いた星一徹とオズマはその謎の解明を開始する。
しかし星飛雄馬が投じた大リーグボール2号は、一徹、オズマの想像をはるかに上回るものだった。
15巻 群像編
二打席目でオズマはバットをむちゃくちゃに振り回す。捕手の森が慌ててミットを突き出して打撃妨害にする。
これで星一徹は「大リーグボールは風に弱い」と見抜く。
左門との対戦、左門は星の投球にわざと大きく空振りして、本塁の前にあおむけに倒れる。汗で湿った背番号の跡が地面につく。星と森、ベンチにいた伴までが出てきて慌てて跡を消す。こういうかたちで2号の秘密が少しずつ明らかになる。
これをテレビで見た花形は「大リーグボール2号は魔送球だ」と断じて、試合前に飛雄馬、伴に告げる。
しかし2号はそれだけではなかった。飛雄馬はそれを花形に悟らせるために、見える魔送球と、消える球=2号を投げる。花形は完敗する。
星一徹も左門に、自ら魔送球を投げて、大リーグボール2号にはまだ解明されていない秘密があることを告げる。
正力松太郎が死ぬ。また金田正一も引退する。このあたりは例の「時間調整」。
オズマがカーディナルスに呼び戻される。星一徹はオズマに代わってトレードで伴宙太を獲得するように中日に求める。
このころ、花形と左門はほぼ同時に大リーグボール2号の秘密に肉薄する。
この時期の「巨人の星」は謎解きの楽しさに満ちていた。私はこの時期、雑誌連載を心待ちにしていた記憶がある。
川上監督や選手のユニフォームのお尻がぱんぱんに膨らんでいるのが格好いいと思って、買ってもらったユニフォームのお尻のポケットにいっぱいモノを詰め込んだのを覚えている。
W.ウイリアムス、チーム別&投手別&球場別本塁打数|本塁打大全
私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください!
↓
好評発売中
コメント
コメント一覧
「こんだら」は、引っ張って走るタイヤのことだと思っている人が多かったようですね。
でも、擬似論理の巧妙さと、思い入れたっぷりの演出で、感情論理的には納得させられちゃうんですよね。
まして、「消える魔球は、魔送球の縦の変化だ!」とか説明されちゃうと、「えええっ、そんな昔から伏線を!」と、ほとほと感嘆させられました。(もちろん、じっさいは「後付け」の説明なんでしょうが。(^^;;)
その後のバトル漫画における「擬似論理勝負」の嚆矢と言えるのではないでしょうか。(笑)
島本和彦先生が、Toutube「山田玲司のヤングサンデー」に「梶原論」で出演した際に、アニメでは表現しきれていなかった「川崎から全世界が見渡せるような奇跡的な構図で描かれた奇跡の見開き」かぁ。。。納得の迫力です。