野球史研究家の鈴村裕輔さんからコメントを頂いたので、私のブログに続けて紹介する。こちらも参考にしていただきたい。
「「野球界」を主語にして物事が語られない限り、野球は衰退し続けるのではないか。」という一文を大変興味深く拝見しました。

以下に、管見を書かせていただきます。

今回の事例ではサッカー・Jリーグを事例として挙げていらっしゃいますが、サッカーの場合は、模式的に描けば、FIFAという組織が運営するワールドカップが頂点にあり、その下に各国のプロ・リーグが存在し、さらに学生やアマチュアの組織が置かれる構造になっています。

サッカーに携わる者にとって究極的な目標はFIFAワールドカップであり、それ以外の目標は相対的に価値が低まるとするなら、「究極の目標」に近づくためにあらゆる努力が行われるとしても不思議ではないでしょう。そして、目標が一つであれば、「サッカー界」という主語を用いて何かを行うことも可能になってくるのではないでしょうか。

一方、野球の場合はIBAFのような国際的な組織は存在するものの、実質的な権威や権限は持たず、もっぱらMLBという一国の国内的な組織が「野球界」の牛耳を執っています。



一国の国内的な組織が事実上「野球界」を支配するという構図は、善悪当否は別として、FIFAという組織が権威と権限を一元的に管理しているサッカー界と異なる状況であるといえるでしょう。例えば、セリエAやブンデスリーガ、あるいはリーグ・アンなどは選手が目指す活躍の場ではあっても、これらのリーグが特別な権益を主張することが許されないのは、FIFAと各国の協会、あるいは世界各地のリーグの階層化が明確であることを示していると思われます。

その意味で、「「野球界」を主語にして物事を語る」ためには、世界各国に存在するリーグや協会の関係を整理し、サッカー界のように階層化する以外に現実的な方法はないのではないでしょうか。

ただし、「野球界」には、これまで実際的な力を有する国際的な統括機関が存在せず、日本も他国のリーグに比べれば規模においても実力の点でも大リーグに次ぐ格式を持つと自任している現在の状況の下では、日本が一種の特別な地位をなげうってまで新しい国際的な機関の設立に主体的に動くとは考えにくいですし、大リーグ機構にいたってはそのような組織そのものを無視することでしょう。

このように考えれば、「野球界」が主語になることは、相当に難しいのではないかと考えるところです。

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W.ウイリアムス、チーム別&投手別&球場別本塁打数|本塁打大全

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