このサイトは「野球の記録」のサイトではある。もともとは2009年のWBCについて書き始めたブログが思わぬアクセスを集めたのがきっかけだ。
しかし本格的に開始した動機は、名球会や殿堂入りの選考基準に疑問を抱いたことが大きい。
名球会は2000本安打200勝を基準にしているが、あるとき「日米通算」にすると言い出した。野茂英雄やイチローなどを仲間にしたいからだ。
しかしそれなら、レジー・スミスやウィリー・デービスなどはどうなる、と思ったのだ。
「日米通算」を私が全否定するのは、その記録そのものに正当性がないからだが、この考え方が「ネタ作り」としてご都合主義的に持ち出されたことも気に入らない。
そういう形でスタートした。記録の記事が一番多いが、この間に野球界に起こったさまざまな出来事についても、その都度言及してきた。
これは自分でも意外だった。ほっておけばいいと思っていたのだが、野球界でおかしなことが起こっていれば、黙っておられないという気持ちになったのだ。
毎日ブログを書いているうち、「野球」をわがことのように考えるようになったのだ。
私はファンは野球界の重要なステークホルダー(利害を共有するもの)だと思っている。単なるお客さんではなく、選手や球団、野球をわがことのように思い、喜び、驚き、怒る存在だからだ。
、頼まれもしないのに「わがチームをどうしてくれるのだ」と強く思うことが言葉となってほとばしる。
NPBにとってこうしたファン程大切なものはないと思う。愚かな経営者はそうは思っていないようだが。
もちろん、多くのファンは「野球」みたいな大きなジャンルが好きなわけではない。特定のチームや選手を応援している。
しかし、健全なファンはチームや選手だけを見ているわけではない。ライバル選手、相手チームも含めたリーグ全体や、野球界全体のことも気にかけているはずだ。
以前にも述べたが、近鉄バファローズの消滅が決まったときに「赤飯炊いて喜んだわ!」と言った元南海ファンがいた。私は非常に残念な気がした。
スポーツは対戦相手やライバルがいなければ、成立しない。必勝の意気込みで相手に対するのは当然だが、相手がいるからこそ好勝負ができる。そして、多くのコンペティターがいるからこそ、複雑で先の読めないペナントレースやタイトル争いができる。
自分のひいきの選手やチームだけのことを考えて、他は「死んでしまえ」というのは、まことに愚かで大人げない。そんなエゴむき出しのファンはともに語るに値しないと思う。
エゴファンは、野球界のためにはならない。

NPBの各球団にも、他球団や球界全体のことを考えない人がいるようだ。悩ましいのは、上に行けば行くほどそういう愚かな人が増えてくるということ。
エクスパンションの話が出ると、すぐにわが利益だけを言い立てる経営者が出てくる。
ビジネスマンとしてもあまり能力がないと思う。これなど、親会社がかりの今の体質の弊害だと思う。
2004年の球界再編は、選手、選手会やファンが「野球界全体」「野球の未来」を「わがこと」と考えた画期的な出来事だった。
その考えがエゴオーナーよりも真っ当で、大義もあったことで、ストライキは国民の支持を得た。オーナー主導の1リーグ10球団は粉砕された。
蟷螂の斧の私が言うのは僭越で滑稽ではあろうが、私もそのスタンスでものを語りたい。
常に「野球の未来」を視線の先にとらえてモノを言いたいと思う。
読者各位の中には
「私はひいきの集団にしか興味がないので、野球全体のことはどうでもいい」
「私は国内の野球が好きなので、国際化には反対」
などのコメントをされる人もいる。
それはそれで尊重するが「野球」は、今、難しいところにさしかかっている。
繰り返しになるが、自分の好きな選手やチーム、カテゴリーは、「野球」という大きなお盆の上に載っている。このお盆がひっくり返れば、選手もチームもカテゴリーも無事ではいられない。
ファンは好きな選手やチームを語るとともに、ときどきは視線を上げて、ステークホルダーとして「野球の未来」を語るべきだと思う。
当サイトは今後もそういうスタンスであり続けたい。
1968年池田重喜、全登板成績【新人ながら5勝を上げる】
私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください!
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名球会は2000本安打200勝を基準にしているが、あるとき「日米通算」にすると言い出した。野茂英雄やイチローなどを仲間にしたいからだ。
しかしそれなら、レジー・スミスやウィリー・デービスなどはどうなる、と思ったのだ。
「日米通算」を私が全否定するのは、その記録そのものに正当性がないからだが、この考え方が「ネタ作り」としてご都合主義的に持ち出されたことも気に入らない。
そういう形でスタートした。記録の記事が一番多いが、この間に野球界に起こったさまざまな出来事についても、その都度言及してきた。
これは自分でも意外だった。ほっておけばいいと思っていたのだが、野球界でおかしなことが起こっていれば、黙っておられないという気持ちになったのだ。
毎日ブログを書いているうち、「野球」をわがことのように考えるようになったのだ。
私はファンは野球界の重要なステークホルダー(利害を共有するもの)だと思っている。単なるお客さんではなく、選手や球団、野球をわがことのように思い、喜び、驚き、怒る存在だからだ。
、頼まれもしないのに「わがチームをどうしてくれるのだ」と強く思うことが言葉となってほとばしる。
NPBにとってこうしたファン程大切なものはないと思う。愚かな経営者はそうは思っていないようだが。
もちろん、多くのファンは「野球」みたいな大きなジャンルが好きなわけではない。特定のチームや選手を応援している。
しかし、健全なファンはチームや選手だけを見ているわけではない。ライバル選手、相手チームも含めたリーグ全体や、野球界全体のことも気にかけているはずだ。
以前にも述べたが、近鉄バファローズの消滅が決まったときに「赤飯炊いて喜んだわ!」と言った元南海ファンがいた。私は非常に残念な気がした。
スポーツは対戦相手やライバルがいなければ、成立しない。必勝の意気込みで相手に対するのは当然だが、相手がいるからこそ好勝負ができる。そして、多くのコンペティターがいるからこそ、複雑で先の読めないペナントレースやタイトル争いができる。
自分のひいきの選手やチームだけのことを考えて、他は「死んでしまえ」というのは、まことに愚かで大人げない。そんなエゴむき出しのファンはともに語るに値しないと思う。
エゴファンは、野球界のためにはならない。

NPBの各球団にも、他球団や球界全体のことを考えない人がいるようだ。悩ましいのは、上に行けば行くほどそういう愚かな人が増えてくるということ。
エクスパンションの話が出ると、すぐにわが利益だけを言い立てる経営者が出てくる。
ビジネスマンとしてもあまり能力がないと思う。これなど、親会社がかりの今の体質の弊害だと思う。
2004年の球界再編は、選手、選手会やファンが「野球界全体」「野球の未来」を「わがこと」と考えた画期的な出来事だった。
その考えがエゴオーナーよりも真っ当で、大義もあったことで、ストライキは国民の支持を得た。オーナー主導の1リーグ10球団は粉砕された。
蟷螂の斧の私が言うのは僭越で滑稽ではあろうが、私もそのスタンスでものを語りたい。
常に「野球の未来」を視線の先にとらえてモノを言いたいと思う。
読者各位の中には
「私はひいきの集団にしか興味がないので、野球全体のことはどうでもいい」
「私は国内の野球が好きなので、国際化には反対」
などのコメントをされる人もいる。
それはそれで尊重するが「野球」は、今、難しいところにさしかかっている。
繰り返しになるが、自分の好きな選手やチーム、カテゴリーは、「野球」という大きなお盆の上に載っている。このお盆がひっくり返れば、選手もチームもカテゴリーも無事ではいられない。
ファンは好きな選手やチームを語るとともに、ときどきは視線を上げて、ステークホルダーとして「野球の未来」を語るべきだと思う。
当サイトは今後もそういうスタンスであり続けたい。
1968年池田重喜、全登板成績【新人ながら5勝を上げる】
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コメント
コメント一覧
広尾さんのような野球インテリまでもが「日本はアメリカとは違って他競技との共存共栄はありえない。野球がスポーツ界の利益を独占し続けなければならない。」と真顔で主張する有様です。
この延長線上にあるのが報道の大量低質化でありファンの質の低下だと思うからです。
真顔で主張って…デマですなあ。すごいね。
、
共存共栄はあり得ない、なんて言いませんよ。
今のシェアを維持しないと、NPBという巨大なスポーツビジネスは維持発展できないと言ったはずです。
サッカー潰せとか言いませんよ。
日本のプロ野球ももちろんですがMLBに特に頑張ってもらってベールボールプレーヤーがクールなんだって印象を世界に与えて欲しいですね
90年代のグリフィーはそのポテンシャルがありましたが同時代にマイケルジョーダンという怪物がいたためインパクトが小さかったですね
一体感というのは日本人は好きなので。
私はそれがいいのではないかと思っています。
>あのまま、ナベツネが読売を撤退させずに、名前は東京ヴェルディのまま、読売色(今の神戸のように楽天色全開)全開でやっていたらどうなっていたのか?
豊富な資金力と時にルールの横紙破りも辞さない突破力でJリーグを牛耳る未来があった反面、現在のJリーグやNPBがパ・リーグを中心に積極的に行っている地域密着という概念の浸透は大幅に遅れたのではないでしょうか。
地道な地域活動などしなくても勝てるのであれば、誰もそんな面倒くさいことはしないでしょう。実際、読売と日テレが撤退した後のヴェルディは、ホームタウンを移すという愚行の影響もあり、地域活動の面では大きく遅れをとりました。現在では他クラブ同様の地域活動をしているようですが、出遅れたツケを未だに払い続けています。
一方でACL対策を考えると何とも言えないんですよね。日本の広州みたいなクラブにもなりかねないし。
欧州だと実際にパリサンジェルマンやバイエルン、ユベントス、レアル、バルサ、ユナイテッド、アーセナルなんかはアンチも沢山いるようなクラブですし、全国というか、全世界にファンがいて、逆に地元にもアンチが沢山いるようなクラブです。つまり、全国は巨人だけど、地元の人はヤクルトとかを応援するという。
浦和がそうなりかけたんですが、ずっこけてしまいました。今はどんぐりの背比べになっていて、仰る通りACLでは苦戦を強いられています。
Jクラブの資金力を増すための一つの方法として、サッカー関係のジャーナリストやライターの中には、かつてナベツネ氏が執拗にこだわっていた、クラブ名に企業名を入れることを望む声もあるようです。ご指摘のように、中国や韓国のクラブは「広州恒大」「水原三星」のように「地名+企業名」であり、欧州にも何らかの形で企業名の入ったクラブがいくつかあります。ですからJリーグも、原理主義的に企業名を排除する必要はないだろう、という考え方をする人がいます。
それに、企業名が入ったから地域密着ができないということはないと、現在のパ・リーグ各球団が証明してくれていますからね。賛否はあるでしょうが、検討すべき話かもしれません。
読売がいまだに東京ヴェルディを持っていたら、代表戦の大半は日テレだったりしそうで、
ファンはおろか選手達までも蔑ろにした、当時の球団経営人達の傍若無人ぶりは、私から日本のプロ野球の興味を奪い去るのに十分なものでした。
あの日、プレイヤーズファーストでもファンあってのプロ野球でも無かった経営体質が白日の下に晒され、そして今も、本質的には何も変わってはいないと思っています。
そして、プロ野球に限らず、例えばメディアだったり、それこそ政治までもが、読者、視聴者や有権者に向いて存在していないことが露見されるようになり、日本社会そのものが退化しているように思えて仕方がありません。
かような体質が維持されている限り、今後の日本のプロ野球に期待するようなことは何一つありません。
細々と続くことはあっても、輝かしい未来が訪れることなぞありえないのではないでしょうか。
むしろ、衰退や崩壊の先に、新しい何かを期待する以外に道はないのではと考えるのが、偽らざる気持ちです。
それこそ、NPBに引導を渡すようなコンテンツが現れた時こそ、日本のプロ野球に未来の路が開かれると言ってしまっては、あまりに刹那的過ぎるでしょうか。
そういった意味では、サッカー界に期待を寄せたいところですが、どうも同じ様な壁が立ちはだかって、停滞してしまっているようにも感じます(笑)
そんな訳で、野球にしろサッカーにしろ、海外で活路を見出そうとする選手につい期待してしまうのも、その裏返しとして、無意識に希望や未来を託そうとしているのかもしれないなぁと思ってみた次第です。
なんか、身も蓋もないコメントですみません。
同感です。
それでも、ファンは声を大にして訴えていくしか他はないということなんでしょうね。
そういった意味でも、私の中にある、僅かながらの期待が、こちらのブログにアクセスさせていただいている理由なのかもしれません。
ついでに言うと、前のエントリの話にもなりますが、批評、批判ではなく、誹謗、中傷の類をコメントする方々は、変化することを恐れているか、もしくは変化を諦めてしまっている方々なのではないかと思い至る一方で、わざわざ労してコメントをされてもいる訳で、もしかすると、私なんか以上に、何かしらの希望を見出したいとする、無意識の表れなのかもと思ってみたりもします。