「僕は、NPBの選手が野球賭博をしていようとも、声出しで金を支払っていようと、プロ野球を見に行く」「プロ野球選手は、聖人君子じゃないんだから、それでいいんだ」
違うのだ。皆の衆。
そりゃあなたがたは見に行くだろう。どんな奴らが野球をしていようと、どんなにダーティだろうと、野球さえやってくれればうれしいのだろう。
私だってそうだ。
サッカーみたいなスポーツ、何が面白いのかわからない。球を蹴って走り回っているだけじゃないか。あんなの見て、何を騒いでいるのだ。バスケなんて、しょんべんしたいの我慢してボール回してるみたいじゃないか。

私は、そんなの見に行くくらいなら、へぼでも野球を見に行く。
例えプロ野球が落ちぶれて、近所の空き地でやるようになっても。
人が足りなくて、セカンドに近所のおっさんが駆り出されるようになっても。
プロ野球と名がつけば、見に行くだろう。そしてなにがしかの満足を得るだろう。

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私は40年前の大阪球場を知っている。
試合前のベンチに、よく吉本の芸人が遊びに来ていた。
そのなかに、Yという芸人がいた。この人物は伝説の「チャンバラトリオ」を4人にしてしまった人間だが、どちらかと言えば裏社会の人間が、芸人のふりをしていると言ってもよい男だった。
当時の吉本は野球賭博が蔓延していて、人気絶頂だった「Wヤング」の中田軍治がやくざの取り立てのきつさに耐えかねて熱海の海岸で自殺した。そのほかにも淀川吾郎や伴大吾など、人気芸人がたくさん失踪した。
その渦中にいたYは、謹慎処分にあったりしていた。でも、彼は南海ホークスの何人かの選手と義兄弟のようだった。
おそらく当時のプロ野球選手の一部と芸人、そしてやくざはずぶずぶの関係だった。
でも、私たちは何とも思わなかった。それがプロ野球だ。プロ野球はしょせん堅気じゃないのだ。

でも、今はそれではだめなのだ。

あなた方のような、私のような野球キチが、1万人もいて、毎回数人の客を引っ張ってこれるのなら、何も問題はない。
ネクストバッターズサークルでしゃぶを打つ打者や、マウンドで、キャッチャーと博打の清算をする投手がいても、野球キチが数万人もいれば、それでいいのかもしれない。

しかし、昨年スタジアムに足を運んだ2400万人の観客の、おそらく8割以上は我々とは違う人種なのだ。
高田の背番号を知らないような母親から生まれた、菊池涼介の守備機会数も、黒田博樹のMLBでのWHIPも知らないような、にわかファンなのだ。
彼、彼女は他に面白いものを見つければ、すぐにそっちに行ってしまう。
ちょっとしたスキャンダルで、どっかに言ってしまう。野球選手がやくざとつるんでいたり、スキャンダルを起こせば、そういうことが続けば、テレビも報道しなくなる。新聞も報じなくなる。
そして、にわかファンはどこかに行ってしまうのだ。

そうなったら、観客動員が減少したら、プロ野球選手の夢のような年俸は払えなくなる。
プロ野球選手が我々と同じように、コンビニでパンを買い、ビジネスホテルに泊まって電車で球場に通うようになったら(40年前のパ・リーグはそんなもんだったが)、プロ野球と言う世界そのものが消えてなくなるのだ。

プロ野球を夢の世界足らしめているのは、我々みたいなコアなファンだけではない。
ふらふらしたどっちつかずの浮動票のような人たちが、ファンとして付いているから、プロ野球はすごいステイタスでいられるのだ。

だれか、アラブの王族の親友がいるのなら呼んできてくれ。その男が毎年500億ずつ出してくれるのなら、それでも文句はない。
でもそういう友達がいないのなら、我々は、プロ野球の近代化を要求しなければならない。

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隠し事をせず、きちんディスクロージャーをする。
間違っても、賭博と間違われるような金銭授受はしない。
やくざと付き合わない。
社会人として、まともな行動をする。

そういうプロ野球に変わらないと、これから先、生き残っていけないのだ。

あなたがプロ野球を見捨てないことはよくわかっている。私だってそうだ。
でも、それだけではだめなことを、そろそろ知らなければならないのだ。

皆の衆、そういうことだ。



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