NPBからの指示もあって、各球団は開幕直前に、野球賭博や金銭授受などの問題を一斉に公表した。
そのうえで、12球団は共同声明を発表した。
NPB公式サイトから

12球団共同声明

 セントラル・リーグとパシフィック・リーグの12球団は、このたびの読売巨人軍における野球賭博問題を重く受け止め、有害行為を再び起こさないよう、球界の浄化に全力で取り組み、ファンの皆様の信頼回復に最善の努力を尽くします。
 また、高校野球のクジ引き、試合前の円陣をめぐるご祝儀などの選手相互間の金銭のやり取りに関しても、すでに禁止したところではありますが、12球団が結束して一層の徹底を図ることと致します。

株式会社読売巨人軍
株式会社ヤクルト球団
株式会社横浜DeNAベイスターズ
株式会社中日ドラゴンズ
株式会社阪神タイガース
株式会社広島東洋カープ
株式会社北海道日本ハムファイターズ
株式会社楽天野球団
株式会社西武ライオンズ
株式会社千葉ロッテマリーンズ
オリックス野球クラブ株式会社
福岡ソフトバンクホークス株式会社


「讀賣巨人軍」と明記しているところに、少し時代が変わったことを感じる。

しかし「幕引き」「区切り」を一方的に宣言したのはどうしようもない。
「幕引き」「区切り」を判断するのは、NPBではなく、世間、ファンだということがわかっていないのか。

そもそも「プロ野球の信頼が損なわれた」と言う認識があるのか。

目に見えないもの、これから起こるであろうものを推測し、そのことに備えるのが賢者だと思う。
プロ野球界は永らく「今の栄華」に酔い痴れているような印象があった。
観客動員は実質的な過去最高を記録した。野球選手は高額年俸をもらい、グッズなどの売り上げも好調だ。
球団の広報には多忙を理由に取材を断るところもあるという。

その足元で野球競技人口、野球愛好者が減少しているのは既報のとおりだが、「野球は嫌い」「野球は怖い」という人は確実に増えている。

「最善の努力」とは何なのか。
おそらく球団は「再発防止」と答えるだろうが、そうではない。

いまだ「野球賭博」「金銭授受」問題は、全容解明ができていない。開幕前にバタバタとゲロしただけでおしまいではない。
開幕以後も調査を進め、最終的に関与した人物をしっかり処分してもらいたい。
スロット賭博、高校野球賭博に関与した選手は、違法行為に手を染めていたのだから、処分すべきだ。
別に全員を球界追放に処せよと言ってはいない。軽い人間でも実名を挙げ、罪の意識を持たせるようにすべきだ。

10月の野球賭博発覚の際に、NPB、巨人はろくに調査もせず、すぐに「再発防止策」を打ち出した。
こういうタイミングでの「再発防止策」は、隠蔽工作と対になっている。
世間はそれを看過しない。二度同じことをしては愛想をつかされる。

「幕引き」「区切り」とはとんでもない話だ。

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プロ野球選手会も同じタイミングでコメントを発表した。
選手会公式サイトから。

日本プロ野球選手会声明

昨年10月、現役選手が野球賭博に関わったことが明らかになって以来、選手会ではNPBと共に事実関係の確認を行い、2月のキャンプ期間中は各球団選手会を巡回し、再発防止のための研修や対話を重ねてきました。

しかし、その後新たに賭博に関わっていた選手や、それ以外にも金銭をともなうやり取りがチーム内で行われていることも明らかになりました。社会人、野球人として賭け事、選手相互間の金銭のやり取りに対する認識の甘さが、ファンの皆様のプロ野球への期待、信頼を裏切る深刻な事態を招いたことを深く反省しています。

選手一人ひとりがプロ野球選手としてのあり方を問われている今、NPBとともに再発防止に真摯に取り組むことはもちろん、私たちプロ野球選手が、社会からどのようなまなざしが注がれ、誰によって生かされているのかを改めて自覚し、自らを律する姿勢のもと、ファンの皆さんにこのようなことを二度と起こさないことを誓います。

日本プロ野球選手会 会長  嶋 基宏
福岡ソフトバンクホークス選手会長  長谷川勇也
北海道日本ハムファイターズ選手会長  大野奨太
千葉ロッテマリーンズ選手会長  岡田幸文
埼玉西武ライオンズ選手会長  炭谷銀仁朗
オリックス・バファローズ選手会長  伊藤 光
東北楽天ゴールデンイーグルス選手会長  赤見内銀次
東京ヤクルトスワローズ選手会長  川端慎吾
読売巨人軍選手会長  長野久義
阪神タイガース選手会長  上本博紀
広島東洋カープ選手会長  小窪哲也
中日ドラゴンズ選手会長  大野雄大
横浜DeNAベイスターズ選手会長  山口 俊


今回の問題で、最も評判を下げたのは、実はプロ野球選手会だ。

球界再編の際には、ファンと連帯し、あれほど勇気ある行動をしたのに、今回は全く動かなかった。

要するに12年前は「自分たちの立場が危うくなる」から動いたのであって、今回は「叩けばほこりが出るから」だんまりを決め込んでいたのである。
自分たちのことだけを考える単なる利益団体、エゴ労組であることを露呈した。

今回の声明には
「NPBとともに再発防止に真摯に取り組む」と書かれている。あれほど対立したNPBと手を組むというのだ。要するに「利害が一致している」のだろう。

松原事務局長が亡くなって以来、選手会は単に「自分たちの利益が損なわれたときにだけ文句を言う」団体に成り下がったのか。ファンとの連帯はどこに行ったのか。

「見せましょう、野球の力を」は、こういう時には発揮されないのか。身内の患部を摘出する「力」はないのか。

NPB、選手会は事件が再発した時には、さらに深刻な事態になることを想像せずに、ひたすら事態を切り抜けようとしている。

「幕引き」「区切り」は、要するに釈然としない思いを抱いているファンの「見切り」「足切り」である。

今回の野球賭博や不明朗な金銭授受の問題は、「野球離れ」を促進するだろう。
それはおそらく数字に表れる。今季は特に観客動員に注目したい。

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