最近は、発売前日には、センテンススプリングの記事内容が漏えいしているようだ。NPBや巨人が騒がなかったのは、「週刊文春」が音無しだったからだ。
今週の「週刊文春」には、開幕3連戦の最終日に菅野智也など若手選手が飲食店で酒を飲み、カラオケをして、一部の投手は女性をお持ち帰りしたと報じている。
野球賭博問題で、権力なしとはいえオーナーが謝罪し、高橋由伸監督も頭を下げた2日後にこういうことをした。
でも、世間は驚かないだろう。「あいつらは野球を取ったら馬鹿なんだから仕方がない」と思っているだろう。



野球選手の「教育」は、難しい。土台となる人格がなってないから、口を酸っぱくして言っても分からない。土がやせているんだから、種をまいても育たない。
学習能力のない選手を教育するのは、骨折り損のくたびれ儲けだ。NPB、巨人はそう判断したようだ。

それよりもマスコミを抑え込むほうが早い。彼らはお勉強をしてきたから「学習能力」が高い。その上クロスオーバーメディアで、新聞を抑え込めば、スポーツ紙も、テレビもおとなしくなる。効率が良い。
「野球賭博対策は、マスコミ対策だ」ということになったのだろう。

報知新聞から
テレビ朝日は30日、「報道ステーション」で朝日新聞社編集委員(当時)の西村欣也氏のVTR映像を放送。
「総額14万円 『ゲン担ぎで…』巨人公式戦で現金やりとり」の字幕とともに、西村氏は「声出しの問題も含めて第三者委員会では限界があるんで、もう司直の手に委ねる(しかない)。つまり告訴する。なぜコミッショナーがしないのかと言うと、読売グループの巨大な力を持っている方が圧力をかけているんじゃないか」などと述べた。
キャスターの古舘伊知郎氏は「(西村氏の)コメントがどのような取材に基づくものであったか、テレビ朝日としては把握していませんでした。確認の取材も別途しておりませんでした。こうした表現はより慎重に判断されるべきものであり、コメントの放送はそういう意味では控えるべきでした。関係者並びに視聴者の皆様に大変ご迷惑をおかけいたしました。深くおわびをさせていただきます。申し訳ありませんでした」と謝罪した。


西村氏は今月、朝日新聞を定年となったので(当時)という但し書きがついている。

こちらもNPBの抗議を受けたのだろう。

西村氏のコメントは、取材に基づくものではないのは明白だ。「読売グループが圧力をかけているんじゃないのか」というのは、あくまでこの人の推測だ。
NPBは例によって
「取材に基づくものなのか」「事実なのか」
と抗議をしたのだろう。
産経に対する抗議でも、玉木正之氏の「感想」に対して「事実と異なる」という抗議をしたが、NPBは、メディアが発信する情報の中には、識者の「感想、批評」という分野があることを知らないのだろうか。

産経の時も同様だが、講義をするとすればまず、西村氏であって、テレ朝ではない。

テレ朝に圧力をかけるのは、高市早苗総務相が「個別の番組の中身から判断して、局に停波を求める可能性がある」と同様だ。
つまり、仮に個人的な見解であるとしても、不適切な(あくまでNPB、巨人にとってだが)発言があった場合は、それを放映した番組、局に問題がある、という姿勢だ。

西村欣也という人は、NPBや巨人の不祥事は徹底的に批判するが、高校野球のことになると「死んだふり」をする。ダブルスタンダードの人であり、信用できない。
また、いくら退職間近だとは言え、「読売グループが圧力をかけている」は言い過ぎである。局側が言質を取られるだけだ。イタチの最後っ屁、新橋のガード下のおやじレベルの無責任コメントだとは思う。

しかしテレ朝は、NPBにひれ伏した。もう地上波で野球中継なんかやっていないが、BSアサヒは中継しているし、朝日新聞や日刊スポーツが「出禁」になっては困る。という判断が働いたのだろう。
まさにクロスオーバーメディアの問題点がここにある。

退任間際の古舘伊知郎もけんかをする気はなかったのだろう。

NPBは「このやり方は効率がいい」と改めて思ったはずだ。

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最近「週刊文春」がおとなしいことについては懸念がある。

本屋には「週刊文春」と並んで同じ会社の看板雑誌である「Number」の最新号が並んでいる。
タイトルは「セ界を変えろ!!」。
野球賭博についてもしっかり書いているのかと思ったが、中身はほとんど「野球」のことだった。
文春もこうした雑誌を書く上では「出禁」は困るのだ。
NPB側は、こうした部分にまだ切っていないカードを持っている。

メディアの統制はこれからも厳しくなりそうだ。
野球賭博問題は、NPB、巨人の思惑通りに進むのかもしれない。

こうなれば「野球馬鹿」に期待するしかない。
彼らが「のど元過ぎて熱さをあっという間に忘れて」新たな不祥事を引き起こすことが、球界の浄化につながるだろう。


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