午前中にJとNPBの動員率、平均観客数を紹介した。
現時点では、興行的には間違いなくNPBの方が成功している。
試合数が多く、観客動員も圧倒的に多い。
試合数が少なく観客動員も少ないJは、チーム数を増やすことでむりやりリーグ全体での観客数を増やしている感がある。
しかしながら、決算を見るとだいぶ見方が代わってくる。
Jリーグは全チームの決算報告を公開している。しかしNPBは非公開だ。少し古いが、以前に出したNPBの推測値(2013年)とJ各クラブの決算の数字(2014年)を比較してみる。
まずはNPB

NPBは両リーグ合わせて1500億円もの営業収益がありながら、利益が出ている球団はわずかだ。
2004年に「球界再編」問題が起こったときに、NPB側は「ほとんどの球団が赤字で、その主たる原因は年俸の高騰」と答えている。しかし売り上げに占める年俸総額(年俸比)はリーグ平均で21.7%に過ぎない。他にどれだけ巨額の経費が掛かっているのか。
当時の選手会、古田敦也会長がこれはおかしいと言ったのは、記憶に新しい。
球団が赤字を出したいのは、言うまでもなく、例の「国税庁の通達」があるからだ。
違法性があるかどうかは別にして、球団の中には粉飾まがいのことをしているところもあると思う。
J1,J2,J3 2014年

Jの各クラブの売り上げはNPBよりもはるかに小さい。
J1の年俸比(Jの場合人件費となっている。従業員の給料も含まれるからか。それとも年俸は販管費に入っているのか、一応人件費で計算しているが、このあたりご教示ありたい)のリーグ平均は、NPBの倍以上の45.8%にもなる。しかしそれでも18クラブの内15クラブで純利益が出ている。
J2でも年俸比は39.9%だが、22クラブの内19クラブで黒字か収支があっている。
J3はさすがに厳しいが、年俸比36.3%で11クラブの内6クラブで黒字か収支があっている。
Jが黒字体質なのは、赤字を連続で出すと経営指導が入るからだ。それでも改善しないと脱会させられる。
これはビジネスであれば当然のことだ。
圧倒的な売り上げを挙げて、年俸比もその割に高くないのに赤字のNPBと、少ない売り上げでも収益を上げている、少なくとも黒字化の努力をしているJとどちらが健全か、言うまでもないだろう。
とはいっても、Jリーグ全体の収益を考えれば、小さな売り上げしかないJ3は切り捨てるべきだという考えもあろう。
しかしそうしないで、零細なクラブをどんどん作っていくのは「百年構想」があるからだ。
サッカーと野球をこういう俯瞰図でとらえるのは、野球の将来を考えるうえで重要だ。
年度別チーム第1号本塁打は俺だ! 阪神編
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コメント
コメント一覧
Jリーグの定義する人件費には、監督やコーチの年俸が含まれています(強化費という言い方もあります)。一般の職員に関してはわかりませんが。
サッカーの世界では、監督の年俸は結構高いです。チームで一番の高年俸選手と同等の年俸をもらうことも珍しくありません。Jリーグの場合は選手の年俸が低いのでそこまで高額ではありませんが、それでも1億円を超える年俸をもらっている監督も何人かいます。
・最初から広告料込み
・スタジアム使用料が非公開(というか払ってないクラブも沢山ある)
プロ野球は
・広告料は抜き
・スタジアム使用料をしっかり納めて経営を成立させてる
ので比較することが間違いだと思いますね
広告料抜きとか言っていることがわかりませんが、スポンサード費用はどちらも売り上げに入っています。
球場の使用料は6球団が支払ってはいますが、どんどん減っています。
サッカーは将来に投資せず目先の利益を追っていて
野球は顧客へのサービスに投資してるということですね
広尾さんがいつも「サッカーは将来を見てる」と持ち上げて
「野球は目先の利益を追っている」と貶していますが
このデータを見れば逆だということがわかります
>零細なクラブをどんどん作っていくのは「百年構想」があるからだ。
これは少々誤解を与える言い回しではないですか?
このためにクラブを新設しているわけではなく、
財力や戦力など、力をつけた者が昇格して行くという仕組みで、
別に協会やリーグ機構が中央から指示を出して配置してるわけではないので
この点はJ3発足時のメディアの報道にも頓珍漢なものがありましたね
いつぞやサッカー番組でやっていましたが、3部は
全員がプロというわけではなく、中には教員をしながら、
という選手もいて、土曜日は子どもたちを指導して
「明日は自分が試合だから」と
草の根はこういう人たちによって支えられているわけで
収益の規模は、もちろん大きい方がいいけれども
それ以外のところにも意味や価値があると思うのです
サッカーと野球で一番差が出てきそうなのが高校生以下の指導者ですね。昔のサッカーは元プロの指導者なんて皆無でしたが、今はJのユースチームで元プロが指導するのは当たり前ですし、徐々にそこら辺の街クラブにも浸透していくでしょう。かたや野球はというと未だに組織がバラバラですからね。これだけ将来のビジョンが見えないと指導者を確保するのも大変になっていくと思います。
問題はJリーグに対する優位性ではなくて、「日本人なら誰でも巨人の4番を知っている」というような国民的競技では無くなっているという点でしょう。
鋭いご意見です。
スタジアムはたくさん使用するから当然使用料も跳ね上がりますし、運営費も掛かります。ビジターで3連戦すればそのための遠征費も莫大なものになります。
ベイスターズの経営者は全試合満員でも赤字だと発言していましたし、選手の人数はサッカーに比べ3倍近く必要ですからね。おそらくスタッフ等の人数も数倍多いと思われます。
サッカーの経営だと、例えば浦和の売上が100億クラスになると、選手の年俸は跳ね上がり、平均年俸は巨人を超えると思われます。
それからJリーグが打ち出した施策が100年構想であり、草の根から普及する計画が現在小学生の間で結果を出し始めているのですよね。
経営の透明性から言えば野球はまだまだ親会社からの補填が多すぎて、正直どの数字を信じて良いのか今ひとつ分からない点もあります。
興行としてどちらが正しいかはさておき、将来性を考えるとやはりJリーグなのか。まだ野球が断トツで引き離しているうちに対策を練らないと不安は募ります。
NPBがその対策を打ち出す気配が全くないのが問題ですね。
結局、売上構成比率推移なんですかねえ、放映権料とか比率低下の気もしますし、その分析のうえに収益性向上の方向性がある、ということですかね。
Jクラブにはアカデミー保持が義務付けられてもいて、それが小中高の若年世代の育成に繋がっている。
学校の部活外の活動であっても各年代で全国的な大会が開かれ、優秀な選手は日本代表として選ばれ世界大会でブラジルやドイツのような競合国と本気で対戦する機会もある。
残念ながらNPBにはそんな視点が全くない。
野球界全体としても各育成年代で組織が乱立してる有様(例えば中学世代じゃリトル、ボーイズ、ポニー等々)。
小中学生の野球離れは既に数年前から顕著になっているし、日本全体で見ても野球の競技人口は10年でほぼ半減したとか。
このままでは長期的に野球人気は低下していく一方でしょうね。
非常に重要なご指摘です。Jのクラブがない県でも、サッカー協会は若年世代の育成予算がとられています。
サッカーの事業は、育成が大前提になっています。
私に言うのは間違っていますが、私もそう思います。
巨人と阪神なら入場料を今より50パーセント上げても大丈夫だと思いますね。
それと細かいところでは春のキャンプが長すぎる、少なくとも数億円の年棒を取る主力選手は調整を彼等の自主性に任せて2月の中旬に合流するようにすれば経費は相当削減できるように思います。
これは、プロ野球のようなクローズドのシステム(参加チームが限定)とサッカー(あえてJリーグと言いませんが)のようなオープンシステム(参加チームが限定されない)とは経営を取り巻く環境が全く違うからです。もし日経新聞の読者ならば、以下の記事をご参照ください。
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO85890480Q5A420C1000000/
中国の富裕層が、莫大な資金を投じてアジア・チャンピオンリーグを勝とうをしています。(去年は優勝しました)Jリーグのトップチームも、アジア・チャンピオンリーグを通じて、この影響をもろに受けます。
その結果、欧州のチームと同様に、Jリーグのチームも以下の2つのグループに分かれざるを得なくなります。
1)目先の赤字(それも膨大な)を無視して、勝てるチームを作り、幅広い(日本を超えて全アジア)市場から収益を得る経営モデルを追うチーム → 超お金持ちのトロフィーチームになるしかない。
2)目先の勝利を無視して、選手育成に焦点を当て、移籍に伴う現金収入をあてにする経営モデルを追うチーム
こうなると、Jリーグの課している収益性の基準が、まったく実情を反映しなくなるのは明白です。
なんか急仕立てで勉強してきたのありありですね。
クローズドリーグとオープンリーグの比較は当サイトでもやりましたが、NPBとJの比較には直接関係ないと思います。
中国の富裕層の話は「たられば」なので、なんとも言えません。
反中国の意識が強い今の日本社会が、簡単にそれを許すとも思えませんし、そもそも中国が買収したくなるようなJのチームは数えるほどでしょう。そのうえ、中国バブルがはじける恐れもあるし。
中国の富裕層は自分の持っている中国のチームに、既に欧州のトップ選手を「爆買」しています。こういった中国のチームは、アジアチャンピオンズリーグで、「直接」Jリーグのトップチームと戦います。
日本のチームに中国の富裕層が直接投資あるいはスポンサーになるのではありません。(この可能性もないわけではないですが)
もし、Jリーグのチームがアジアチャンピオンズリーグでそれなりの成績を収めたいならば、Jリーグのチームもお金を使いまくって、いい選手を世界から集めないといけなくなります。
またJリーグ自体も、アジアチャンピオンズリーグを明確に意識している以上、収益性については優先順位を下げざると得なくなります。
これは失礼。
Jリーグは「百年構想」を基本として事業展開をしているので、そういう外圧で動くことはないと思います。
もし、Jの強化だけを考えるのであれば、チームを絞り込んで、強化費を投入すればいいわけで、そうはなっていません。
またサッカー協会やJ側もその姿勢を堅持しています。
成金中国に負けるのは確かに由々しきことですが、それしきのことで体制や方針を変えることはないでしょう。
それからチームを強化することと「収益性を下げる」ことは、相反するわけではありません。
プロチームは、チーム強化のために必ず投資を呼び込むはずです。親会社もないのに収益性を下げてまで強化をすることはありえません。
収益性の部分に関しては、ライセンスとの絡みもあるので、簡単には下げられないはずです。3年連続で赤字を出せないという今の規定がある以上は、単年で赤字を出せる範囲も限定的になるでしょう。
>Jリーグは「百年構想」を基本として事業展開をしているので、そういう外圧で動くことはないと思います。
>もし、Jの強化だけを考えるのであれば、チームを絞り込んで、強化費を投入すればいいわけで、そうはなっていません。
前の記事で私がコメントしたように、Jリーグは今後、格差を拡大する傾向が強くなると思います。理由としては中国という外圧の影響を無視できないからです。現在の「どんぐりの背比べ」の状況は誰もよしとはしていません。
チームの絞り込みについては、識者などからは現在のJ1のさらに上部リーグとして、10チームほどの「プレミアリーグ(仮称)」をつくるべきだという意見も出ていますし、おそらくJリーグ内部でもこの手の案が全く検討されなかったとは思えません。いずれ検討される可能性はあると思います。
で、投資を呼び込む手段としては現状、にくにくさんの仰る東南アジア戦略を少しづつ進めていますが、なにぶんこの手の市場開拓は時間がかかります。一番の即効薬は、その国の選手がJリーグで活躍してくれることなんですが、まだまだ足りないですね。
まあ正直わたしはjの世界的な発展なんて期待してないので、存在してくれさえすれば満足ですがプロ野球の発展性の無さには同情を隠せません