日本プロ野球選手会は18日に、NPBと折衝を行い、FA権についてルールの変更を求めた。
時事
日本プロ野球選手会の森忠仁事務局長は18日、東京都内で開かれた日本野球機構(NPB)との事務折衝で、フリーエージェント(FA)権を取得した選手が、FA宣言前でも他球団と交渉できるよう要望したことを明らかにした。
現行制度ではFA宣言前に他球団と交渉することは禁止されている。森事務局長は宣言選手の残留を認めない球団もあることで、「自由に動けないのが現状。選手が使いやすい制度にしたい」と説明した。
要するに、前のエントリーで言った❶(有望選手)か❷(平凡な選手)か微妙な選手、FA宣言をしていいものかどうかわからない選手が、FA宣言をする前に他球団に
「僕がFAになったら、どれくらいの年俸を払ってくれますか?」
と聞けるようにしてほしい、と言っているのだ。
「いや、うちは取らないよ!」
とか
「今の年俸は無理だね、せいぜいこれくらい」
と言われたら、FA宣言せずに球団に残留する。
「君なら、うちはこれだけ出す」
「レギュラーの座も確保するよ」
と言われたら、FA宣言をする。
ようにしてほしい、と言っているのだ。率直に言って、せこい話である。
昨オフの木村昇吾は、FA宣言をしたけれど、在籍していた広島は再契約せず、他球団も獲得の意向を示さず、退団が決まった。春のキャンプになってテスト生として西武に拾われるようなことになったが、年俸は4100万円から2000万円にがた落ちした。
こういう目に遭いたくないから、出来レースをさせてくださいと言っているのだ。
NPBの選手関係委員長を務める広島の鈴木清昭球団本部長は「他球団の話を聞くためにFAをするのだから」と難色を示した。
当たり前だ。NPB、球団にとっては全くメリットがない話だからだ。
日本プロ野球選手会は、子供が親におねだりするような要求をしたのだ。恥ずかしい。

FA権は、自分の実力で高額の年俸とステイタスを得ることができるプロ選手の権利を守り、活かすために導入された。FA権は、自動的に与えられたのではなく、選手が機構や球団と交渉をして勝ち得たものだ。
端的に言えば
「俺たちに自由に競争させてくれ。そして俺を最も高く評価するチームと、契約させてくれ」
ということだ。
それは同時に、実力が劣る選手が、チームを追われる可能性が高くなることを意味しているが、選手たちは
「それでもいいから、FA権を確立させてくれ」
と要求したのだ。
その結果として、❶の選手たちの年俸は高騰した。また、球団の選手の異動は極めて激しくなった。人材の流動性が高まったのだ。
しかし、それは、MLBの人気を高めることになった。ストーブリーグはFA選手によって毎年過熱した。大物選手が大胆に動くことによって、ファンの注目は高まった。
そして巨額の資金が必要になった球団は、より大きな資本を導入するようになった。MLB自体が、巨大なビジネスモデルへと変貌したのだ。
もちろん、弊害も生じた。選手の中には極端な拝金主義に走るものも出た。代理人がえげつないビジネスをするようになった。ほとんど現実的でない巨額の長期契約を結ぶ選手も出てきた。
FA権を行使して巨額の契約を手にした選手の中には、禁止薬物に手を出すものも出てきた。球団の中には巨額の契約をしたものの働かない「不良資産」を抱えて苦しむものも出てきた。
モラルハザードが起こったのだ。
しかしながら、ここ20年のMLBの発展を見ると、FA権の導入による年俸の高騰は、MLBのスポーツビジネスを飛躍的に進化させたと言えるだろう。
バブル期のNPBとMLBの年俸格差はせいぜい2倍程度だったが、今は10倍ほどに広がっている。
端的に言えば、NPBは経済的に発展していないが、MLBは巨大ビジネスになったのだ。
NPBが、FA権の導入に消極的で、「FA宣言」という骨抜き策を導入しているのは、直接的には年俸の高騰を恐れているからだ。FA選手が自由に年俸交渉ができるようになれば、市場原理が働いて年俸が高騰するのだ。
しかし、FA権導入で年俸が高騰したことで、MLBはビジネスモデルを一変させた。
FA権の導入が歴史的必然であるとすれば、それを機にNPBのビジネスモデルを変革することも可能だったはずだ。
しかしNPBはそうしなかった。
今いる自分たちの利益だけを考え、変革をしようとはしなかった。うがった見方をすれば、変革する能力がないことを露呈したくないからとも思えた。
選手会も、「FA宣言」なしの完全なFA権を得ることで、大きな年俸を手にする可能性が高まったはずだが、それを主張しなかった。
人材の流動性が高まり、競争が激化することで、❶と❷の選手の格差が広がることを恐れたのだ。
競争よりも協調を重視する日本的なやり方のように思えた。
挙句の果てに、自分たちの目先の利益しか考えない「事前交渉」という情けない要望を出したのだ。
以下続く
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日本プロ野球選手会の森忠仁事務局長は18日、東京都内で開かれた日本野球機構(NPB)との事務折衝で、フリーエージェント(FA)権を取得した選手が、FA宣言前でも他球団と交渉できるよう要望したことを明らかにした。
現行制度ではFA宣言前に他球団と交渉することは禁止されている。森事務局長は宣言選手の残留を認めない球団もあることで、「自由に動けないのが現状。選手が使いやすい制度にしたい」と説明した。
要するに、前のエントリーで言った❶(有望選手)か❷(平凡な選手)か微妙な選手、FA宣言をしていいものかどうかわからない選手が、FA宣言をする前に他球団に
「僕がFAになったら、どれくらいの年俸を払ってくれますか?」
と聞けるようにしてほしい、と言っているのだ。
「いや、うちは取らないよ!」
とか
「今の年俸は無理だね、せいぜいこれくらい」
と言われたら、FA宣言せずに球団に残留する。
「君なら、うちはこれだけ出す」
「レギュラーの座も確保するよ」
と言われたら、FA宣言をする。
ようにしてほしい、と言っているのだ。率直に言って、せこい話である。
昨オフの木村昇吾は、FA宣言をしたけれど、在籍していた広島は再契約せず、他球団も獲得の意向を示さず、退団が決まった。春のキャンプになってテスト生として西武に拾われるようなことになったが、年俸は4100万円から2000万円にがた落ちした。
こういう目に遭いたくないから、出来レースをさせてくださいと言っているのだ。
NPBの選手関係委員長を務める広島の鈴木清昭球団本部長は「他球団の話を聞くためにFAをするのだから」と難色を示した。
当たり前だ。NPB、球団にとっては全くメリットがない話だからだ。
日本プロ野球選手会は、子供が親におねだりするような要求をしたのだ。恥ずかしい。

FA権は、自分の実力で高額の年俸とステイタスを得ることができるプロ選手の権利を守り、活かすために導入された。FA権は、自動的に与えられたのではなく、選手が機構や球団と交渉をして勝ち得たものだ。
端的に言えば
「俺たちに自由に競争させてくれ。そして俺を最も高く評価するチームと、契約させてくれ」
ということだ。
それは同時に、実力が劣る選手が、チームを追われる可能性が高くなることを意味しているが、選手たちは
「それでもいいから、FA権を確立させてくれ」
と要求したのだ。
その結果として、❶の選手たちの年俸は高騰した。また、球団の選手の異動は極めて激しくなった。人材の流動性が高まったのだ。
しかし、それは、MLBの人気を高めることになった。ストーブリーグはFA選手によって毎年過熱した。大物選手が大胆に動くことによって、ファンの注目は高まった。
そして巨額の資金が必要になった球団は、より大きな資本を導入するようになった。MLB自体が、巨大なビジネスモデルへと変貌したのだ。
もちろん、弊害も生じた。選手の中には極端な拝金主義に走るものも出た。代理人がえげつないビジネスをするようになった。ほとんど現実的でない巨額の長期契約を結ぶ選手も出てきた。
FA権を行使して巨額の契約を手にした選手の中には、禁止薬物に手を出すものも出てきた。球団の中には巨額の契約をしたものの働かない「不良資産」を抱えて苦しむものも出てきた。
モラルハザードが起こったのだ。
しかしながら、ここ20年のMLBの発展を見ると、FA権の導入による年俸の高騰は、MLBのスポーツビジネスを飛躍的に進化させたと言えるだろう。
バブル期のNPBとMLBの年俸格差はせいぜい2倍程度だったが、今は10倍ほどに広がっている。
端的に言えば、NPBは経済的に発展していないが、MLBは巨大ビジネスになったのだ。
NPBが、FA権の導入に消極的で、「FA宣言」という骨抜き策を導入しているのは、直接的には年俸の高騰を恐れているからだ。FA選手が自由に年俸交渉ができるようになれば、市場原理が働いて年俸が高騰するのだ。
しかし、FA権導入で年俸が高騰したことで、MLBはビジネスモデルを一変させた。
FA権の導入が歴史的必然であるとすれば、それを機にNPBのビジネスモデルを変革することも可能だったはずだ。
しかしNPBはそうしなかった。
今いる自分たちの利益だけを考え、変革をしようとはしなかった。うがった見方をすれば、変革する能力がないことを露呈したくないからとも思えた。
選手会も、「FA宣言」なしの完全なFA権を得ることで、大きな年俸を手にする可能性が高まったはずだが、それを主張しなかった。
人材の流動性が高まり、競争が激化することで、❶と❷の選手の格差が広がることを恐れたのだ。
競争よりも協調を重視する日本的なやり方のように思えた。
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