スポーツ観戦の観客死亡事故を考えてみたい。
野球では観客の死亡事故は、めったにないが、皆無ではない。それはファウルボールが当たったケースではなく、スタジアムの上階の席からの転落事故だ。
2009年にはハマスタで男性の転落死があった。昨年は、ブレーブスの本拠地、ターナーフィールドで転落死があった。これは防ぎようがない。
施設の責任と言う声も当然上がろうが、「落ちたら死ぬ」ことがわからない観客はいないだろう。「身を乗り出せば危ない」と言うのも自明のことだから、今さら言いようがない。不運な事故ということになろう。
プロ野球では起こっていないが、高校野球では選手が雷に打たれて死亡する場合がある。大きなスタジアムは、避雷針が建っているので、この危険性は皆無ではないにしても低い。
昔は球場を取り巻いて並ぶ観客の列がふくらんで、車道にはみ出た子供が車にひかれる事故が起こっている。今は環境整備が進んでいるのでこういう事故は起こらない。
ファウルボールが一番危険なアクシデントの要因とは言えよう。

なおファールボールでの失明事故は、2008年5月18日、クリネックススタジアム宮城で行われた楽天vs西武の7回戦でも起こっている。
被害者は損害賠償請求を求める訴訟を起こしたが、一審、二審とも原告側が全面敗訴している。
そういう意味では今回の日ハムの判決は判例として今後の同様の事故に影響を与えそうだ。

IMG_1909


大相撲では、観客ではないが、明治時代、行事だまりに控えていた行司が、力士に当たって死亡した事件があったと記憶する。当時の新聞のコピーを持っていたはずが、いま見当たらない。
1989年に水戸泉-霧島戦で、溜まり席の客が、落ちてきた水戸泉の下敷きになり意識不明となる。骨盤亀裂骨折で全治3週間とのこと。
土俵に一番近い溜まり席は、行った人はわかると思うが、飲食禁止。食器類や飲料は持ち込みできない。力士が飛んできて足を怪我する可能性があるからだ。
また、立膝をしないようにともいわれる。このあたり、ファウルボールのアクシデントと似ているかもしれない。

PB157455


サッカーではサポーター、フーリガンの騒ぎに巻き込まれて死亡することや、スタジアムからの転落死などはあるようだが、ボールに当たって死亡した事故は、管見した限りでは見つからなかった。

DSCF0004


バスケットボールの観客の死亡事故はでていないようだ。

ゴルフはプロの試合で、ギャラリーの死亡事故はないようだが、2015年6月7日、米、オハイオで松山英樹がロングアイアンで打った球がギャラリーの顔面に当たる事故があった。こういう事故はかなり起こっている。
素人がラウンド中に打ったボールが後頭部に当たって死亡するような事故はたまに起きる。ドライバーショットを真ともに食らえば、死ぬ可能性はあろう。

観客にとって最も危険なスポーツはモータースポーツだろう。
私は、トップドライバーの一人で、F1でも走る可能性のあった小河等が、鈴鹿サーキットで死亡した事故を、グランドスタンドで見ていた。グラベルベッドを乗り越えたマシンはテレビカメラの支柱に激突。そこにいたカメラマンも死亡した。レースをやめて帰ってきた車が、パドックに並んだが、何とも言えない重苦しい空気が漂った。
観客を巻き込んだ事故としては、1977年の富士での日本グランプリが記憶に残っている。
ジル・ビルニューブのフェラーリが1コーナー付近でエスケープゾーンに突っ込み、観客と警備員が死亡。観客は立ち入り禁止ゾーンにいたが、レースが続行されたこともあり、主催者に非難が集中。当時のマスメディアは、モータースポーツなどまともなスポーツではないという認識があったから、集中攻撃を受け、日本でのF1は、これを最後に10年間開かれなくなる。
しかしモータースポーツでの死亡事故はなくならない。これは、スポーツの性格上仕方がないようにも思う。
ラリーなどは猛スピードで走る競技車のすぐ横までびっしりと観客がせりだしている。しょっちゅう事故が起こっているが、中止を求める声は小さいようだ。文化の違いを感じる。

スポーツの死亡事故に対する反応は、そのスポーツが好きか、必要と思うか、そう思わないかではっきり変わってくる。
事故を深刻なものとし、主催者側の責任を問う声は、だいたい、ファン以外から上がってくる。
しかし、主催者はファンの支持があったとしても、事故を軽減する努力を怠ってはいけないのは言うまでもないことだ。

難しい話ではある。


2012年岡島秀樹、全登板成績【日本で再び登板、開幕から26試合連続無失点を記録】


私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください!


好評発売中