朝日新聞は3月24日の巨人軍からの質問状、25日の抗議書に対する回答を送付した。
巨人軍の新人契約をめぐる記事への抗議については、

「球界が申し合わせた新人契約金の最高標準額を大幅に上回る高額の契約が複数あったことを報じたものです」と説明。そのうえで、横浜、西武の2球団で最高標準額を超えたケースが表面化した際、日本野球機構が厳重注意処分としたことを指摘した。
「『巨人軍の内部資料』は、どのようにして本物であると判断したか」に対しては、朝日新聞社は「複数の関係者の証言や、取材で得た別の資料などから、報道した部分は事実であると判断しました」と回答。
また2004年の巨人軍への税務調査をめぐる記事への「明白な誤報」との抗議に対しては「本件記事は、取材で得た税務調査の詳細な内容や、複数の関係者の証言にもとづき、記事化した確かなものです」と回答した。
さらに巨人軍は「『出来高払いを含めて新人契約金としていたことになる』という誤った独自の解釈まで加えた」としていたが、朝日新聞社は「国税当局の指導について述べたもので、『誤った独自の解釈』ではありません」とした。

土俵中央で力士が胸を合わせて、重心の下げっこをしているような状態。このままでは水入りである。



今週の『週刊ベースボール』、豊田泰光さんの連載にもあったが、こういう事件が起こると「この時期になぜ」と「何を今さら」という二つの声が上がる。

「開幕の大事な時期になぜこんな話を持ち出すのか」「こんな話みんな知っているじゃないか」ともに、業界人の内輪話としてするのなら、何の問題もないだろう。しかし、それをあたかも天下の公論のように高々と主張するのは、大いに違和感がある。

たとえば、吉野家の牛丼が新商品を発売するとする。その前日に不正が見つかったとして「この時期になぜ」という意見が通用するだろうか。
吉野家が牛丼を売るのも、プロ野球が試合を見せるのも、いずれも営利目的の商行為である。吉野家の関係者が声高に「この時期になぜ」ということがあり得ないように、野球関係者が「この時期になぜ」というのはおかしい。

不祥事はいつどんなタイミングで発覚しても、追及されるべきである。それによってプロ野球の興行成績が落ちたとしても「身から出た錆」だ。

また周辺の関係者が「みんな知っているのに今さら」というのもおかしい。これまでも新人選手獲得について不正な契約や便宜の供与があったことを、週刊誌は喧しく報道してきたが、球団やNPBはただの一度も認めていない。「あってはならないこと」「ありえないこと」としてダンマリを決め込んできたのだ。

NPBや球団を信用する立場の一般人としては、今回の朝日の報道は建前でいえば「寝耳に水」の話だったはずだ。そして本音としては週刊誌などの報道を否定し、無視してきたNPBや球団の「不誠実」「背信」に怒りを覚えるのが当然だ。

一般人が、「この時期になぜ」「みんな知っているのに今さら」というのは、部外者があたかも関係者であるかのように錯覚するところから出ている。
一般人である我々は、実際には何も知らない、知らされていないのだ。

春の番組改編期になるとタレントがひな壇に並んでVTRを見るだけのくだらない「スペシャル」が延々と流されるが、テレビの前で「テレビ局も予算がないからな」と言いながら見ている視聴者は多いと思う。日本人は「テレビ」「有名人」「スター」などにすり寄って、頼まれもしないのに彼らの事情を斟酌しすぎる傾向がある。メディアリテラシーが低いとしか言いようがないが、そうした視聴者がいるからテレビ番組はどんどん増長し、劣化する。

同様に物分かりの良すぎる野球ファンは、NPB、球団の体たらくを看過し、のさばらせる。おかしなことをしていれば、怒る。見に行かない、そういう態度が必要だと思う。

もちろん、これは私の態度であり、矜持であって皆様に強要する気は毛頭ないが。

毎日怒ってばかりで、誠に申し訳ないが、蟷螂の斧であるとしてもここは踏みとどまりたいと思っている。もちろん、記録や試合の追いかけもやります。

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