北北海道の代表は、クラーク国際に決まった。初出場、創部3年目という早さだった。

今年の北北海道は、本命視された白樺学園が、相棒のたばともさんの母校である釧路湖陵に負ける大番狂わせがあったが、これをクラーク国際が破り、決勝では春夏合わせて3度甲子園に出ている滝川西を3-0で下して初出場を決めた。

最近、クラーク国際という名前をどこかで聞いたな、と思ったが、こういう事件があった。

サンケイ
通信制の「クラーク記念国際高校」(北海道深川市)が平成23~27年度、学校教育法上の認可がない「四谷インターナショナルスクール」(東京都新宿区)から、少なくとも63人を不正に編入学させていたことが7日、北海道への取材で分かった。道は同日、クラーク高に是正指導する。

北海道の調査では、四谷インターナショナルの教員が、生徒に代わり、試験の答案を作り、クラーク校が、気づかずに単位として認めるなど、ずさんな取り扱いがあったという。

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クラーク国際高校は、広域通信制高校というスタイルをとっている。通信制ではあるが原則として週5日、全国にあるキャンパスに通学し、授業を受ける。そのほかに週1-5日のフレックスコースや、WEB学習コースもある。
学園長はプロスキーヤーの三浦雄一郎が務めている。
硬式野球部は2014年に北海道のキャンパスで創部された。

クラーク国際高校は、創志学園という学校グループの系列だ。その関係は入り組んでいて複雑だが、その傘下の創志学園高校も、2010年創部ながら、岡山県の高校野球界で急速に実力をつけ昨年の選抜に出場している。

これまでの高校とは大きくスタイルが異なっている。従来であればドロップアウトしたであろう「学校に通いにくい事情」をもつ生徒を地域に関係なく集めて、高校卒業資格を取らせる学校だ。

一概にこれが問題だとは言えない。世の中が変わる中で、教育の形も変わらざるを得ない。こういう形で高校資格を得ることができる子供が増えるのは、悪いことではないだろう。

しかしながら、こうした新興の教育グループは「ビジネス感覚」が鋭い。多くの学生を集めるために、これまでの教育機関でやらなかったようなこともする。

一つが「有名人集め」だ。
F1ドライバーの小林可夢偉 、女優の北川景子 、俳優の岡田将生 、市原隼人 からAKB48などのタレントまで、派手な顔ぶれが出身者に名を連ねている。
就学年齢からスポーツや芸能活動をしていた子供は、これまでならば中卒、高校中退を余儀なくされていた。
しかし単位取得や授業出席がフレックスにできるクラーク国際ならば、高校卒業資格を取ることも可能だ。そういうことで、有名人を勧誘したのだろう。当然学費は免除のはずだ。
学校側にしてみれば、こうした有名人は「広告塔」になる。彼らのネームバリューで生徒を集めるという側面もあるのだろう。

高校野球も「広告塔」だ。全国から有力な選手を集め、優秀な指導者の下(元駒大岩見沢の佐々木啓司監督)、集中的に鍛えることで、わずか 3年で甲子園出場を果たしたのだろう。

高校野球を「広告塔」にする“ビジネスモデル”は全国の私立高校で展開されており、クラーク国際が初めてではない。
しかしクラーク国際のカリキュラムは極端にフレックスであり、野球部も午前中だけ授業に出れば、あとはずっと野球をすることができるのだ。

公立高校や大部分の私学が午後3時、4時まで授業をして、そのあと限られた時間で練習をしているのに比べれば、条件は大きく異なる。

クラーク国際のような実質的な「野球専門学校」もOKということになれば、他にもこれをまねる教育機関が増えてくるのではないか。実質的なコストも下がる。
そうなると、これまでの「高校野球」のスタイルはますます崩れている。

PL学園によって「野球バカ」をつくる私学の“ビジネスモデル”が全国に広がったが、クラーク国際が成功すれば、もはや従来の意味での「学校」とさえいえない野球チームが、甲子園を席巻するのではないか。

四谷インターナショナルの事件からもうかがえるように、クラーク国際は、いわゆる「教育機関」としてのモラル、価値規範を持ち合わせていない可能性もある。

甲子園進出を勝ち取った球児たちに問題があるわけでは全くないが、高校野球のさらなる「変質」に留意すべきではないかと思う。


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