当サイトを書くきっかけになったのは2009年のWBCである。このことを書いたブログがスポーツナビで4万PVを得たのが続けて書く動機になった。

もうすぐ8年になる。2006年からの3大会の試合を全部録画して持っている。そういう意味ではWBCは思い出深い大会だ。
しかしながら、その始まりから私は強い違和感も持っていた。
「野球の世界大会ってこの程度なのか?日本が世界一ってご冗談でしょ」と思っていた。

WBCはMLBの世界戦略として発案された。サッカーのワールドカップのように、世界の野球の頂上決戦をすることで、マーケットを広げようとしていたのだ。
当時、MLBはエクスパンションを終えて、国際市場を拡大しようとしていた。日本、韓国、それにヨーロッパ、世界中からMLBでプレーをする選手が来るようになったのを好機だととらえていたのだろう。
MLBのバド・セリグコミッショナーの強い肝いりで、WBCは始まった。
しかし、WBCは理想とは程遠い大会になった。
MLBのひざ元の球団オーナーが3月に選手に真剣勝負をさせることに難色を示した。
アメリカだけでなく、MLB選手を輩出している国の選手がWBCで真剣勝負をすることで、球団の資産である選手が怪我をするなどアクシデントに見舞われることを恐れたのだ。

それでもアメリカはそこそこの選手が出場してはいた。しかし、少しでもコンディションが悪くなると引き上げるのが常だった。100%の力を出しているとはとても言えなかった。

そんな中で、日本や韓国、台湾などは真剣勝負だと受け止めて、万全のコンディションで出場し、真剣勝負を繰り広げた。韓国との死闘は確かに歴史的ではあったけれども、参加国の半分が不十分な状態で出ていたことを考えると「アジアの独り相撲」のような感があったのは事実だ。

アメリカのメディアは、WBCを「エキシビション」とみなした。
この国は、オリンピックの報道でさえ禄にしないのに、トランプが大統領に決るか決まらないかという時期のカブスの優勝は、大当選そっちのけで、でかでかと取り上げる(修正)。
外国にそれほど興味がなく、自分たちのことだけに夢中になる。

WBCはアメリカの肝いりで始まった大会だが、アメリカの関心はほとんどなく、選手の士気も全く上がっていなかったのだ。

こういう形で日本が連覇した。2013年の大会は、日本は準決勝で敗退したが、日本の野球界は「侍ジャパン」を結成して、WBCでの優勝をあたかも「野球界最大の目標」であるかのように言い出した。メディアも、それを持ち上げるようになった。

しかし2013年の大会も実態はお寒いままだった。この大会では中米諸国ががんばったが、アメリカは、依然ゆるふんのままだった。

日本のメディアは、WBCで日本国中が盛り上がるのに味を占めて、あたかもオリンピックやサッカーのワールドカップのように持ち上げ始めたのである。
私はWBCで日本が盛り上がること自体は賛成だが、常に「盛っている」感じを持たざるを得なかった。ほんとはそんなにすごい大会じゃないでしょう、という意識がつきまとった。

昨年のプレミア12は、WBCの前哨戦であり、ワールドカップでいえばコンフェデレーションズカップ(修正)のようなものだったが、顔ぶれはお寒いものだった。
MLBの現役選手は皆無。アメリカチームはAAA以下で構成されていたし、メキシコなどは最後まで参加するかどうかもわからなかった。
そんな中で、日本だけがしゃかりきになってメンバーをそろえ、まなじりを決して台湾に乗り込んできたのだ。
去年の今日、私はプレミア12の意義についてブログを書いている。

ベースボール・ネーションの一員として。

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しょぼい大会だったとはいえ、プレミア12は(WBCも)野球の国際化に向けて意義はあったと思う。
しかし、いぜんとして野球の国際大会が、茶番のにおいがする胡散臭いものであるのは変わらないのだ。

ラグビーやサッカーの関係者は、そのことを知っていて「大したことない」と言っている。
私もWBCは、他のマイナースポーツの国際大会と比べてもその真剣度において「大したことない」と思う。
そのことを指摘されて気分を害しているファンも「大したことない」と思う。本当のことなんだから、それを受け止めるべきだ。

「そうはいっても、日本が勝てなくなってきているじゃないか、レベルも上がっているんだ」という声もあるだろう。
確かに他の国もそれなりに準備をするようになった。

日本が2連覇できたのは、他の国が寄せ集めでろくに練習もしなかったのに対し、日本はチームワークができていたからだ。そのチームワークで情報戦やつなぐ野球などスモールベースボールをしていたからだ。
しかし、投げる、打つ、走るのポテンシャルで、日本が世界2位の力があるとはとても思えなかった。
過去3回の教訓から、他の国が少しチームらしいまとまりを見せるようになれば、ポテンシャルで劣る日本が勝てなくなるのは自明の理だ。

しかし、だからWBCが国際大会として立派なものになったとは言えない。参加国は少なく、いい勝負をするレベルにある国はさらに少ない。
アメリカは今のところ真剣勝負をする気配はない。
これは日本のせいではなく、野球という極めてドメスティックなスポーツの欠陥だとは思うが。

世界に野球市場を広め、アメリカや日本だけでなく各地にレベルの高いトップリーグができるのは、私なんかがいなくなった後になるのかもしれないが、そうなってはじめて世界大会は「大したものだ」と言えるだろう。

WBCは一生懸命やっているかもしれないが、ちゃんとした大会とは言えない。すべての出場選手にとってこの大会で優勝することが究極の目標になってこそ、だと思うがいかがか。

私は当然、2017WBCは一生懸命取り上げるが、同時にこの大会が「世界一決定戦」と呼ぶには、あまりにもしょぼい大会であることは、常に心の隅に置いておくべきだと思う。


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