終戦後、センバツ高校野球の再開に当たって、「なぜ同じことを春と夏にするんだ」とGHQは難色を示したという。
このときには、のちに高野連会長になる佐伯達夫と、のちに毎日新聞社長になる本田親男が、アメリカ人を説得し、再開にこぎつけたという。
しかし、今日決まった顔ぶれを見ると、私もGHQと同じことが言いたくなる。

21世紀枠を除いてほとんどが常連だ。
基本的には、選考委員会が選ぶことになっているが、地方大会の結果を見てもわかるように、秋の大会の優勝校と上位校が選ばれている。
要するに秋季地方大会が、選抜の「予選」になっているのだ。同じことを1年に2回やっているようなものだ。
21世紀枠は、その他の学校で「逆境に耐えている」「よく頑張っている」学校を選ぶことになっているが、これも県大会でそこそこ頑張った学校から選ばれる。
「21世紀枠」はなんとなく「弱小高校の救済案」のように見えるが、そういうことでもないのだ。
今回の21世紀枠の候補は以下の学校だった。
北海道 富良野(道8強)、東北 不来方(岩手県準優勝)、関東 石橋(栃木県準優勝)、北信越 富山東(富山県準優勝) 東海 多治見(岐阜県優勝) 近畿 洛星(京都府8強)、中国 倉吉東(鳥取県4強)、四国 中村(高知県優勝) 九州 高千穂(宮崎県準優勝)
結局、候補の中で、秋季県大会の成績が良かった学校から選んでいる。
選手の基準も不明確だが、結局「かわいそうな高校」あるいは「勉強ができる高校」のうちで、マシな成績の学校が選ばれている。
最初からこういう趣旨だったのか?と思う。
都市部にある公立高校の監督が「うちは都会にあるし、災害にもあっていないし、勉強も平凡だから、21世紀枠は無理だ」
と言っていたが、このあたりも釈然としない。
21世紀枠は勝敗は度外視して、本当にユニークな学校を選ぶべきではないか。ぼろ負けしても、何か感銘を与えるような学校を選ぶ方がいいように思う。
今のままでは中途半端だろう。
選抜は日によっては寒いが、夏の過酷な甲子園と比べても観戦しやすいし、見るうえでは悪い大会ではない。
しかし、高校野球の未来を考えるのなら、女子野球の大会を併設するとか、リーグ戦にするとか、思い切った改革があっても良いと思う。

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21世紀枠を除いてほとんどが常連だ。
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要するに秋季地方大会が、選抜の「予選」になっているのだ。同じことを1年に2回やっているようなものだ。
21世紀枠は、その他の学校で「逆境に耐えている」「よく頑張っている」学校を選ぶことになっているが、これも県大会でそこそこ頑張った学校から選ばれる。
「21世紀枠」はなんとなく「弱小高校の救済案」のように見えるが、そういうことでもないのだ。
今回の21世紀枠の候補は以下の学校だった。
北海道 富良野(道8強)、東北 不来方(岩手県準優勝)、関東 石橋(栃木県準優勝)、北信越 富山東(富山県準優勝) 東海 多治見(岐阜県優勝) 近畿 洛星(京都府8強)、中国 倉吉東(鳥取県4強)、四国 中村(高知県優勝) 九州 高千穂(宮崎県準優勝)
結局、候補の中で、秋季県大会の成績が良かった学校から選んでいる。
選手の基準も不明確だが、結局「かわいそうな高校」あるいは「勉強ができる高校」のうちで、マシな成績の学校が選ばれている。
最初からこういう趣旨だったのか?と思う。
都市部にある公立高校の監督が「うちは都会にあるし、災害にもあっていないし、勉強も平凡だから、21世紀枠は無理だ」
と言っていたが、このあたりも釈然としない。
21世紀枠は勝敗は度外視して、本当にユニークな学校を選ぶべきではないか。ぼろ負けしても、何か感銘を与えるような学校を選ぶ方がいいように思う。
今のままでは中途半端だろう。
選抜は日によっては寒いが、夏の過酷な甲子園と比べても観戦しやすいし、見るうえでは悪い大会ではない。
しかし、高校野球の未来を考えるのなら、女子野球の大会を併設するとか、リーグ戦にするとか、思い切った改革があっても良いと思う。

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コメント
コメント一覧
広尾さんの、野球に対する熱い思い、そして野球界に対して抱いている不安、高校野球児に対する優しい眼差し、よく伝わってきます。で、ここにきて選抜高校野球の出場校決定です・・・
思うのですが、これだけ伝統の下ブランド化した甲子園大会を改革することは、もう無理だと思います。
広尾さんが、有志と手を取り合って、新野球リーグを結成してみたらどうでしょうか?NPBと高野連に挑戦状を叩きつけるような心意気です。
バカにしている訳ではありません。天下2分の計とでも言いましょうか。
良かったら、ご検討をお願いします。
>選手の基準も不明確だが、結局「かわいそうな高校」あるいは「勉強ができる高校」のうちで、マシな成績の学校が選ばれている。
さて皆さん、問題です。
1、「離島・僻地にあり、環境にハンディがある(公立)高校」
2、「ボランティアに熱心な(公立)高校」
3、「文武両道を立派に貫く(公立)高校」
4、「野球部創立100年を超える(公立)伝統校」
5、「劣悪な練習環境や少人数部員で必死に戦う(公立)高校」
この5つの中から偉いものを3つ選択しなさい。
……最近では6番目の選択肢に「災害によって損害を受けながらも腐ることなく戦う(公立)高校」という選択肢も加わってようですが、さて、このような問題が仮にあって、正答を3つ並べることができることができる人間がいるとしたら、ほとんど変人だとしか言いようがありません。
比べようがない選択肢で選ぶよりは、野球の成績で選ぶことはまだしも公平性が保たれているように思います。一般に言われるような実力の問題ではなく、選考基準の曖昧さににより、個人的には21世紀枠には反対です。
じゃ、何のために21世紀枠作ったんですか。
甲子園でぼろ負けして地元でいろいろ言うのは、言うやつがダメでしょう。そんなの気にするほうがおかしい。
私はそもそも21世紀枠には反対です。bunchousann さんの書いてある通り野球の成績で選ぶ方が公平。本当にユニークな学校という定義も曖昧です。
私もそうです。
見解の相違といってはそれまでですが、私は今年のセンバツほど、夏の大会とは異なる枠組で出場校が決まった大会も珍しいと思っています。
例えば21世紀枠を除いても同じ都府県から複数選ばれたケースが7つもあります。つまり夏の大会なら、どちらかは甲子園に出場できないということです。(東京は少し選考の意味合いが違いますが、早実、日大三とも西東京なので、同じと考えます)
そして広尾様は地方大会の結果で選ばれているので、夏と同じとの主張をされていますが、これも夏とは違います。関東大会など秋季地方大会は、県優勝校だけが出場するわけではありません。各県2校から4校が出場します。つまり県大会で黒星を喫したチームにもセンバツを目指す敗者復活のチャンスがあるのです。
実際に今回21世紀枠を除く29校のうち、15校が県大会2位以下のチーム。東海地区の静岡、至学館はともに県3位、初出場の市呉なども3位からの上位進出でした。夏の大会だったらこちらも問題外ですよね。「同じことを春と夏にする」という解釈はどうみてもおかしいですよね。
常連が多いのは確かにその通りですが、これも夏と違って一県一校ではなく、多数県による地方大会で、結果的に県数以下しか、選ばれない高いハードルならば止むを得ないかと考えます。今回に限っていえばセンバツ批判はあたらないと思います。私の見解ですが。
ボロ負けだけならいいですが、大阪桐蔭だの履正社だのの打者の
打球は普通の高校生じゃ取れませんよ。顔面で受けて失明するような
事故が発生したら、高校野球という興業が吹っ飛びます。
サッカー・ラグビーほどコンタクトが激しくないとはいえ、
野球はかなり危険な競技です。あんな硬いボールを
100km/h以上の速度でやり取りするんですからね。
普段の試合で危険を意識しないで済むのは、きちんと練習して
危険を回避するだけの技量を備えたチーム同士で戦うから。
練習量・技量に極端に差があるチームが対戦したら、
重篤な事故に繋がる危険性があります。一方にプロ並の
設備で猛練習している高校がある以上、それなりに
練習していて実力が保障された高校を選出するしかないわけです。
意地でも高野連を批判したい人は訳のわからない理論を繰り出しますが笑
「地域振興枠」とでも名称を変更し、北海道・東北、関東・東京、東海、北信越、近畿、中国、四国、九州・沖縄の8地域から1校ずつ8校とでもすれば、本大会のベスト8の山に1校配置でき、本大会のクジ運の偏りも減らすことができてちょうどいいのでは。
ただし一方で、選考基準は「弱小校の救済」にする必要はないと思います。やはり、本大会である程度の「勝てる見込み」を残さないと、参加する選手のモチベーションが維持できない。選考基準は現行どおり、最低各都道府県ベスト8レベルを足切り基準としつつ
・離島・僻地枠
・伝統校・進学校枠
・部員数や施設不足(あるいは災害)のハンディ乗り越えました枠
・特にユニークな校風、実績枠
の組み合わせでよいと思います。
数年前に某市長が「どうして地元の市の高校が選ばれないのか?」と公開質問状を出したことがあったようですが、回答が「選考だから」というもの。
納得できます。現在は成績でほぼ決まっていているようですが、地区で優勝しても選ばれないってことがあってもおかしくはないのですから。(つまり、この高校はマナーが悪いから優勝しても選ばれないことも有り得ます。)
このセンバツでは都道府県大会と地区大会(明治神宮大会は除く)と合わせて2回負けてもセンバツに出れると思われますが、私が住む某県では都道府県のブロック大会(一次予選)に負けた高校は敗者復活(二次予選)として出場できます。つまり弱小の混成チームでも最低でも2回試合ができます。
つまり、3回負けてもセンバツに出れるかもしれないってことですね。
さて、本題ですが、不来方は予想できました。小豆島高校の例がありました。
中村も同じようですね。多治見は地域性からの選考でしょう。
今年も21世紀枠でも申し分がない実力でしょう。
かつて元ヤクザ監督が「21世紀枠の高校に負けたのは末代までの恥」とかいう暴言を吐いたようですが、そんな監督も、もう現れないでしょうね。
で、センバツでもリーグ戦ですが?
どんなリーグ戦にするか具体的な案を教えてください。
また甲子園だけでは消化できないような気がします。ほっともっと神戸みたいな近辺の球場も使用するのですか?
私は今の高野連の姿勢は判断基準に信頼を置いていません。
「高野連」は野球界の癌だと思います。
あたかも神様のように選考委員が、学校を選ぶことに強い違和感を持っています。
その前提をご理解いただきたい。
私はあのヤクザ監督の方が、高野連よりまだましだと思います。
マスコミ各社総出で不来方の部員数を10人と女子マネージャー3人に分けているところですね
高野連部員統計では女子マネージャーを含めています
高野連の表記では正しくは「部員13人」とすべきではないのでしょうか?
男子部員10人女子部員3人と表記するならまだ分かりますが…
まあ、マスコミとしてはギリギリの10人を強調させたいんでしょうね
それが今後に繋がるかどうかは疑問ですが
全く賛成できません。2チーム間に著しく実力差がある場合
第1に危険です。
第2にコールドゲームのない甲子園ではいつまで経っても試合が終わりません。それに付随して選手たちは、その後事あるごとにそれを持ち出されます。(現実に起こることなので、言う方が悪いなどと言っても何の解決にもならない)
第3にそれでは相手校が気を使います。素直に手加減するか、メンバーを落とすか。いずれにせよ最早真剣勝負にはなりえません。
第4に、以上のことが起きた場合、与えられる感銘などたかがしれています。それで喜ぶのは感動ポルノをありがたがるような人たちの何割かくらいでしょう。21世紀枠など廃止すればいいと思いますが、継続させる場合水準以上の実力が見込まれることは必要条件です。
基本的に21世紀枠に反対する立場です。
そのうえで、「どうせやるなら」と言う意見です。
実際に対戦することをリアルに想定しているわけではありません。
21世紀枠を「実力」で選ぶのなら、全く意味がないと思います。
「どうせやるなら」水準以上の実力は不可欠な要素だということを書いたのですが。
対戦することを想定しない21世紀枠を考えることが何の意味があるかも分かりませんし。
21世紀枠に反対という立場は理解しました。全く意味がないという点には同感です。
仮にも日本一を決める大会ならより実力ある高校が選ばれるべきであって、離島だの、公立だの、進学校だのと色眼鏡で判断される基準がある時点で、結局のところ甲子園というのはドラマチックな装置でしかなく、競技を高める場ではないと言うことです。
感動ポルノとはよく言ったものだと思いますね。