共同
プロ野球日本ハムの大谷翔平選手(22)がけがのために3月に開催される第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に投手としては出場しないことが1月31日、分かった。栗山英樹監督が日本ハムのキャンプ地の米アリゾナ州ピオリアで明らかにした。
WBC日本代表に初選出された大谷選手は投打の「二刀流」での出場が期待されていた。今後は打者として出場を目指す。栗山監督は「体の状態が悪い」と厳しい表情で話した。
大きな痛手だ。これは「野球選手」とりわけ「投手」という存在の特殊を浮き立たせるとともに、WBCの存在意義に大きな疑問を投げかけるものだ。

日本シリーズでの大谷は、そこまで消耗していたのだ。
投手というポジションは、他のあらゆるポジションと大きく異なり、極めてリスクが高いのだ。
肘や肩には、通常考えられない負担がかかる。たった1球投げただけで、回復不可能な故障をすることもあるのだ。
また、全身のバランスで投げるから、四肢や腰、背筋、首などに過度の負担がかかれば、それだけで投げることができなくなることもある。
大谷のように160km/hを超える球を投げる投手は、大砲のバックショットのように、体に大きな負荷がかかる。
アロリディス・チャプマンは、連投をすれば球速が5km/h、三連投すれば10㎞/h遅くなったが、超人的な肉体を持つチャプマンでも体への負荷は避けられなかったのだ。
大谷は昨年165km/hというNPB最速記録をマークしたが、吉井理人コーチは「あんなことを続けていれば、壊れてしまう」と言った。
改めて「投手とはそういうものなのだ」ということを実感する。

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そしてWBCの存在意義。
大谷翔平が投打にずば抜けた存在であることは、日米ともに十分に認識している。もはやプレゼンテーションする必要はどこにもない。
WBCに大谷が出場する意義は「日の丸を背負ってプレーする」こと以外にはなかった。
しかしそれは、今後の長い選手生活や、MLBとの契約を犠牲にしてまで、行うことではなかった。野村克也はまた「金だろ」というかもしれないが、大谷翔平は、わずか数試合の国際大会のために、大きなリスクを選択することはできなかった。
大谷は打者としても出場しない可能性が高いのではないか。栗山監督は「ぎりぎりまで調整したい」と言ったが、その口ぶりには「打者としてもだめかもしれない」というニュアンスが含まれているように思う。

次回のWBCがあるとして、4年後には大谷翔平がMLBに移籍しているのはほぼ確実だと思われる。WBCが今のような中途半端なステイタスであるとすれば、大谷翔平が出場する可能性は低いのではないか。
大谷はWBCに出場する唯一の機会を失った可能性が高い。

WBCは、MLBが主催する世界最高峰の野球国際大会だとされている。しかし、実態は経済的利得は少なく、国際大会としてのステイタスも低い。

サッカーのワールドカップは、どんなトッププレイヤーにとっても「夢の舞台」であり、「ジュール・リメ・トロフィ」(今は「ワールドカップ」だそうです)を獲得するのは、究極の目標になっている。リーグ戦を優先して、ワールドカップを辞退する選手は稀だ。

WBCをワールドカップ並みの大会にするためには、MLB、NPBなど世界のプロリーグが決議をしてそのステイタスを高めなければならない。そしてレギュラーシーズンを削ってでも、WBCのために時間と環境を与えなければならない。

野球の投手は、サッカー選手に比べてプレー中に故障するリスクが高いのかどうか、私には判断できないが、投手にとって、WBCは、最悪の場合選手生命を絶たれるようなリスクを負ってマウンドに立つことになる。
この問題の解決は極めて難しいと思う。



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