外国人記者協会でのMLBマンフレッドコミッショナーの記者会見のコメントをさらに考えていこう。
(3)ルール改定
・ルール改定は毎冬、大リーグ、マイナーリーグ、審判と協議しており、今回だけが特別な変更ではない。
・今回の改定の最大の課題は延長戦でのタイブレークの導入であり、検討の結果実現に至らなかった。
・敬遠の問題は試合運び(pace of a game)から考えてもらいたい。


この質問が出たのは「敬遠」に関する改訂が、日本では結構大きな反響があったからだろう。
マンフレッドには、少し意外だったのかもしれない。
試合運び(pace of a game)とは、単なる「時短」の話ではなく、冗長で「間」が多い野球のペース、テンポを変えたいということだ。かなりのこだわりを感じる。

それ以上に、タイブレークの導入を働きかけていたというのは、かなりの衝撃。MLBがそうなった場合、選手個々の記録、投手の勝敗や打点などはどうなるのか、と思う。
実現に至らなかったとしても、コミッショナー側が簡単に引き下がるとは思えない。
タイブレークがMLBで導入されれば、野球そのものが劇的に変化することになる。

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(4)野球人口減少
・米国でも日本同様、野球人口の減少は深刻な問題である。
・大リーグの人口減対策の主な戦略は、(1)アマチュア球界との連携、(2)子どもへの野球普及のための3000万ドルの基金の創設、(3)子ども、アマチュア野球向けの指導者の育成、である。


野球人口の減少の背景、原因には、日米で重なる部分も異なる部分もある。この前も言ったが、アメリカは他のスポーツにシェアを奪われていることと、ファンの嗜好が変化したことが大きい。
日本も他のスポーツにシェアを奪われているが、それ以上にマネジメントのスキルが低いこととモラルハザードが大きい。

しかしアメリカは足踏みはしていない。ルール改定など大胆な変革を進めるとともに、アマ球界とともに子供世代への投資を推進している。3000万ドルと言えば、NPBの年間売り上げの半分である。
NPBはその十分の一の金も拠出できないだろう。

大人に対する普及活動は労多くして功少なしである。子供へのアプローチが本命であり、最重要のテーマだが、日本ではいまだにすでに野球を始めた子供への「野球教室」を普及活動だと勘違いしている。
釣った魚に餌をまいたって漁獲量は増えない。野球を知らない子供にアプローチをしないと意味がない。そのことを理解している人は極めて少ない。

日本の野球界はようやく野球離れを危機として受け止めた。やるべきこともわかってきたが、実質的に何もしていない。当事者がいないし、既得権益が大きすぎてどこから手を付けるべきかさえわかっていない。
目の前の危機に対する日米の対応の違いは際立っている。情けないことだ。




2015・16年松葉貴大、全登板成績【先発左腕として自己最多投球回】


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