甲子園の中継では、昨年からずーっとバックネット裏にユニフォーム姿の子供が座っている。
例のラガーさんなどの「8号門倶楽部」の連中を排除するために「ドリームシート」を設定し、少年野球チームの子供を招待しているのだ。
今も昔も子供は落ち着きがない。
野球好きと言っても、遊びたい盛りだ。何も注意しなければちょこまか動き回ったり、子供同士で遊んだりするだろう。
今どきの子供ならゲームに夢中になるかもしれない。居眠りするかもしれない。

そうなっては大変と言うことで、大人たちはここに座る子供にたんまりと「~してはいけない集」を吹き込んでいるはずだ。

当然、スマホやゲームは取り上げている。お菓子も持たせない。
「隣の子とは話をしてはダメ」「野球に集中する」「寝てはいけない」「鼻くそほじるな」「テレビに映っているんだぞ!」
どの家庭でも、ユニフォームも洗濯して、朝早くから支度をして、ひと騒動あって、このシートに座っているのだろう。

微笑ましくもあるが、残念なのは、子供たちがあまり面白そうではないことだ。
手をだらっと下におろして、じっと見ている姿からは「座らされている」という窮屈さがありありと伝わってくる。クラシックコンサートでも見せられたような感じだ。
試合が終わったら子供は「終わったー、遊ぶぞー」というのではないか。

見ていて思うのは、なぜスコアをつけないのか?ということだ。スコアを付ければ、試合展開が見えてくる。打者ごとに前の打席を見ることで、当たっているか、そうでないかもわかるし、投手の対応も見えてくる。
当然、試合にも集中する。

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私は球場に行けば、必ずスコアをつける。ごくたまにスコアブックを忘れて球場に来てしまうこともあるが、試合を見ていても落ち着かない。いらいらする。途中からでも紙の切れ端に線を引いて、スコアをつけることになる。

汚い字でもスコアをつけておけば、あとで見ても試合経過がわかる。「そうそう、あんな試合だった」とシーンがよみがえってくる。

今の指導者はなぜ、子供たちにスコアブックをつけることを教えないのだろう。
教えているのかもしれないが、なぜ野球観戦の時にスコアをつけさせないのだろう。
スコアをつけることを学べば、野球の楽しみは絶対に深くなる。そして、一緒にスコアを見ることで、友達とも話題を共有することができる。
まさか、スコアつけはマネージャーの役目だと言って教えないわけではないだろう。

バックネット裏で、スコアをつける子がいたら、そのチーム、すごくかっこよく見えると思うが。
スコアを覗きながら子供たちが、目の前で起こったプレーについてあれこれ言っているなんて、頼もしいじゃないか。
昔の子供は、そうやって野球好きになっていったのだ。

高野連でも新聞社でもいいから、ドリームシートに座る子供にスコアブックをプレゼントしてはどうか?



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