菊池涼介の補殺についてNumber Webに書いたときにMLBの記録も調べて、そもそも二遊間の守備の概念がかなり違っているという印象を受けた。

MLB30球団の二遊間の守備データ。2016年。

SS/2Bは、「遊撃手の1試合当たりの守備機会」を「二塁手の1試合当たりの守備機会」で割ったもの。
RFGは守備機会を試合数で割ったもの。MLBは野手の出場イニング数を公表しているので、さらに精度の高いRF9を出すことが可能だが、NPBとレベルを合わせるためにRFGとする。

SS-2B-MLB


RFGは、SS、2Bともに4代の前半、SS/2Bは、やや二塁手が多いが、遊撃手との差はそれほどない。

これだけを見ても、よくわからないと思うが、NPBの同じデータを出す。

SS-2B-NPB


NPBの二塁手のRFGは、MLBよりも明らかに多い。1試合で1個以上多くゴロが飛んでいる。
これはNPBの戦術上の問題がかかわっている。
走者が一塁に出ると、チームバッティングで右方向に打つことが多いのだ。また犠打も多い。これが二塁手の守備機会を多くしている。

MLBでは、走者が出ても強行する場合が多い。どの打順の打者でも強い打球を打つことが求められる。ゴロを打って「走者を進めた」と評価されることはないのだ。
その差が二塁の守備機会の差に表れている。
菊池の補殺(A=Assist)数は、驚異的ではあるが、NPBの野球環境でこそ可能だったということは癒えよう。

NPBの方が遊撃手の守備機会も多い。NPBの野球はゴロがよくころがるのだ。
しかし遊撃と二塁の守備機会の比率は、MLBの方が高い。より遊撃の守備の比率が高いということだ。

MLBの遊撃手にはイージーゴロはあまり飛ばない。内野安打ぎりぎりの当りが飛ぶ。これを処理できなければ失格になる。
NPBから渡った遊撃手がことごとく失格となり、二塁や他のポジションにコンバートされているのは、数は少ないが難易度の高いMLBの打球に対応できていないからではないか。

この表は、MLBとNPBの野球がかなり異質だということを表していると思う。


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